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【日本代表親善試合・AFCフットサル選手権2008壮行試合】 2008.05.07.
開催日:2008年5月1日(木)
場所:兵庫・ワールド記念ホール

5月1日 19:20キックオフ
日本 ウクライナ


日本代表 (写真は第2戦時のもの)

 第2戦(5/4)その1>>

<レポート> 北 健一郎

 「こんなもんだろう」と「こんなんで大丈夫か」

5月11日からタイで始まる、「AFCフットサル選手権2008」の壮行試合が、東欧の強豪・ウクライナを迎えて1日に神戸・ワールド記念ホールで行われた。

試合前日に発表されたウクライナの来日メンバー12人は、先日彼らがワールドカップ出場を決めたヨーロッパ予選を戦ったメンバーが6人入っている。それ以外の6人は、リセンチュク監督によれば「新しい選手だが、これが初めての代表ではなく、日本に来る前に呼ばれたことのある選手」。平均年齢は25・9歳(ちなみに日本は29・1歳!)で、クラス的には1・5軍といったところか。ウクライナとは、これまで3度対戦していて、2分1敗とまだ1度も勝ったことがない。

日本は3月の全日本選手権を制した浦安の4人、S稲田祐介、P稲葉洸太郎、G藤井健太、C小宮山友祐という息の合ったメンバーでスタート。GKは浦安と代表の正GKである@川原永光が左ふくらはぎの肉離れでベンチから外れたため、ゴールマウスには名古屋のQ定永久男が入った。

1分30秒、Eユナコフにドリブルで中央を割られパスを出されると、右からGKと至近距離でJザドロズニーがシュート。このピンチはQ定永が防いだものの、選手の動きはまるで足に鉛でもついているかのように重そう。パスが出た先への寄せが遅れたり、トラップで簡単に逆を取られたり、パスカットしても前に出ていけなかったり……とにかく最初の1歩目が遅いのである。スピードのあるウクライナと比べるとより際立って見える。

日本はアジア選手権を戦い抜く体を作るために、ここまで約2週間の神戸合宿でかなりハードな走り込みを行ってきた。フィジカル的にはかなり追い込まれた、厳しい状態だったのである。しかも日本代表選手たちは、9月から2月までFリーグ、3月は全日本選手権、スペイン遠征、4月から神戸合宿とほとんど切れ目なし。これで疲れないほうがおかしい。

そのため、サッポ監督は「体が重いのを考慮した上で、自陣でコンパクトに守ってカウンターを狙う」戦い方を選択した。この作戦が裏目に出た。合宿での疲労に加えて、守備的なゲームの入り方をしたことで、プレーでも気持ちでも日本は完全に受け身になってしまったのだ。ウクライナはキャプテンのLピリピフを中心としたミスの少ないパス回しから、何度も日本ゴールに迫った。

5分、スタメンを神戸のD比嘉リカルド、湘南のJ豊島明、大阪のO岸本武史、これが代表初デビューとなる神戸のエースE原田浩平にチェンジ。関西のチーム所属の選手が3人いる「関西セット」だ。速いタイミングでパスをはたくD比嘉、O岸本、J豊島の3人が入ったことで、パス回しのテンポは上がったが、ピヴォのE原田がボールをもらえず前線で孤立。前にボールを運ぶことができない。

10分過ぎからは、スペインのバルガスでプレーするA鈴村拓也、H小野大輔の2人に、F金山友紀、G藤井を加えた4人を3番手として送り込む。サッポの信頼度が高いメンバーが集まったセットだったが、11分、H小野が自陣左サイドで前を向こうとしてボールを奪われ、ウクライナにカウンターを浴びると、12分には、今度はCKからカウンターを喰らってFチェポルニュクがポスト直撃のシュートと立て続けにピンチを迎える。これを凌いでちょっと気が緩んだか、右CKからAロマノフが強烈なシュートを叩き込まれて、失点を許してしまった

19分には、左サイドでGミロシュニクに股抜きパスを通されると、ファーサイドで待ち構えていたEユナコフに合わせられて0−2。前半終了間際にはH小野の十八番・反転シュートも出たがGKに止められて、ほとんどいいところなく前半を折り返す。

後半、日本は「立ち上がり」といういちばん気をつけるべき時間帯に、決定的な3点目を許してしまう。わずか20秒、Gミロシュニクが左サイドでG藤井を抜ききらないうちに左足でシュート。Q定永の体の左側を通ったボールは、ファーサイドのネットに絡まった。反撃ムードに水を差す、やってはいけない失点だった。

ここから、日本はディフェンスを前からのプレスに切り替えた。

これが奏功し、高い位置でボールを奪えるようになった日本。10分、O岸本がGKとの1対1という決定的なチャンスを迎える。だが、GKを右にかわそうとして引っかけられてシュートは打てず。その直後には、O岸本のパスをE原田がヒールで落としてO岸本がシュート! 一瞬ネットが揺れて「ゴールか!?」と思ったが、これはサイドネット。

それでも、A鈴村が「前半は横にパスを回していたけど、後半は前に向かってパスを回すことでチャンスが生まれてきた」というように、日本の攻撃が怖さを増したのは確か。残り7分からはD比嘉をGKにしてパワープレーで最後まで1点を取りに行く。ラストワンプレーでG藤井がQ定永のスローを地面に落とさず左足でボレーを狙ったが、ゴール左に逸れてタイムアップ。

第1戦では3つの問題が見えてきたと思う。

1つ目が疲労。これはトレーニングの負荷を軽くすれば解決するから、それほど深刻な問題ではない。ただ、アジア選手権は決勝まで行った場合は、短期間で6試合をこなすので、今日のようなコンディションに近い状況が考えられる。そういう点ではいいシミュレーションになっただろう。

2つ目が攻撃のパターン。この試合を見る限り、ピヴォ当てをしたいのか、4人のパス回しで崩したいのか、ハッキリしなかった。後半はH小野、S稲田にシンプルに当てる形でチャンスができた。両方できるにこしたことはないが、素晴らしいピヴォが2人(E原田がブレイクすれば3人!)いるのだから使わない手はない。シンプルに当てていってもいいと思う。

3つ目が守備戦術の使い分け。この試合はハーフまで引く形でスタートして、立ち上がりに失敗した。リズムが良くなったのは後半になって前から行ってからだった。浦安セットはチームの戦術的に近いこともあって、前から行くほうが生きる。だからといって、全部が全部前から行ったのでは持たないし、リスクも大きい。流れや時間帯に合わせて前から行くのか、引いて守るのかを使い分けられるようにしたい。

「最初だし、こんなもんだろう」という気持ちと「もうすぐ本番なのに、こんなんで大丈夫なのか」という気持ちが交錯した1試合目。日本代表は3日後の第2試合で、どんなゲームを見せてくれるだろうか。


キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6点)
A 鈴村拓也 5.5 ケガ持ちながらも、ある程度のプレー
C 小宮山友祐 5.0 ちょっと元気がない。切り替えたい
D 比嘉リカルド 5.5 ボールを前に運ぼうとする姿勢は○
E 原田浩平 5.0 代表デビュー。まだまだ時間が必要か
F 金山友紀 5.5 攻守に走り回るも、ゴールに結びつかず
G 藤井健太 5.0 立ち上がりのマークミスは痛恨だった
H 小野大輔 5.5 信頼がある分、ミスがピンチに直結する
J 豊島明 5.5 出場時間が短いが役割をこなす
K 石渡良太 出場せず
O 岸本武志 6.0 彼が入るとパス回しがスムーズになる
P 稲葉洸太郎 5.0 前プレだと良さを発揮できるが……
Q 定永久男 6.0 攻撃の起点としては物足りない
S 稲田祐介 5.5 後半は“らしい”プレーを見せる

 第2戦(5/4)その1>>


ウクライナ代表 (写真は第2戦時のもの)


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