
| いよいよ多昌氏の「Tiger5sレポートの決定版」を数回に渡ってお送りします。Tiger5s の戦略としくみ、世界の実力勢力図、そして日本の過去と未来。。。。全てが凝縮された本邦初のスーパーリポート! |
REPORT BY 多昌成朝

第10回 |
第五日:Vゴール・ラッシュ 勝負が比較的にあっさりと決まった昨日に比べて、きょうは最初の二試合で熱いドラマが繰り広げられた。最初はボウルT準決勝のオーストラリアxシンガポール戦。
内容として完全にフットサル対サッカーの対決で、オーストラリアの「技」がいかにシンガポールの「心」と「体」を対応できるか。その意味では、充実した駆け引きが見所で、勝負の行方が非常に読みづらかった。
スコアボードが前半終了二分前まで点灯しなかったが、一気に四点がハーフタイムの前に入った。まずシンガポールのアリがディフェンダーを背負ったボールをもらおうとしたところ下手なファースト・タッチのおかげでルーズボールを味方が豪州ゴールに蹴り込んでくれた。そう、シンガポール史上初のポストプレーはミスによるものだった。

写真:Allsport/Stanley Chou |
| オーストラリア3番のヒューイットがフットサルで長年培ったものを生かしていた。 |
|
その直後にCKからのダイレクト・シュートでオーストラリアの大ベテラン、カルバートが一点を返すと、シンガポールの猛攻が「ゴッド・ハンド」のPKを誘い、もう一点が入った。さらにアリがもう一点を終了間際に追加したので、もうシンガポールが有利かなと思われた。
しかし、後半のシーソーゲームでは、オーストリアリアが後半終了8秒前に劇的な同点ゴールを決め、延長戦に持ち込んだ。ここでは、シンガポールのプロ軍団の肝が生きた。延長前半2分で体力を最後の最後まで惜しまないスティーブン・タンがカウンターでファーポストに詰めて、相手の股を抜かれたパスを難なく押し込んで、インドア・スタジアムの歓喜の中でシンガポールにボウルT決勝への切符を持たせた。

写真:Allsport/Stanley Chou |
| Vゴールを決めたスティーブン・タンが地元のサポーターと歓喜に浸る。 |
|
次はプレート戦で第二準決勝の日本xエジプト。オーストラリアを破ったのは金星とは言えないが、押され気味という不利な状況の中で幸先のいいスタートが切れ、しかもイタリアを長い時間零点に抑えられる堅実な守りは、見る側に期待をもたらす好調ぶりを印象付けた。一方では、次世代選手育成を睨んだメンバー構成のためグアテマラの時の面影があまり見えないエジプトは、日本にとっては、格好のカモであった。
和泉、市原、前田、相根で構成される日本の攻撃的なセットがスタメンなのに、この試合は前半を通じてあまり危険を冒してまでの攻めが見られなかった。エジプトも、世界選手権で優秀選手に選ばれたアラファと新鋭のDFアムロは下がりっぱなしの守りを続けて、ほかのメンバーとのポジション・チェンジをあまりしない。その結果、固着状態がしばらく続き、観衆から不満の声も徐々に聞こえてくる。

写真:Allsport/Stanley Chou |
| 不調のせいか、グアテマラの時よりボルテージダウンをしたエジプトのセイフを日本の和泉がケアする。 |
|
先日のブラジル戦でせっかく上がった株が急落したタメールが登場してくると、さすがに喜びと期待の拍手に迎えられるが、日本の選手はそう簡単にあの独特のドリブルに騙されない。特に藤井選手のマークが堅くてタメールの突破があまり見られないが、逆に藤井の思いっきりのいいオーバーヘッド・シュートは外れても感嘆のどよめきを呼んだ。

写真:Allsport/Stanley Chou |
|
(第11回以降につづく) |