
| いよいよ多昌氏の「Tiger5sレポートの決定版」を数回に渡ってお送りします。Tiger5s の戦略としくみ、世界の実力勢力図、そして日本の過去と未来。。。。全てが凝縮された本邦初のスーパーリポート! |
REPORT BY 多昌成朝

第1回 |
■大会を盛り上げる新工夫
世界各地の連盟王者&その他の注目株が競うタイガー5s。まさにコンフェデレーションズ・カップのフットサル版である。しかもシンガポール開催なので日本から行きやすいというおまけ付き。何でこんな嬉しい話ができたのだろうか。
スペインも本場のブラジルも、フットサルの本格的なプロリーグがあっても、100%フットサルで生計を立てられるのは「プロ」といわれる選手の中でもほんの一握りだ。
そう、親戚であるサッカーに比べれば儲からないのは、依然としてフットサルの方である。グアテマラの方々には失礼な言い方かも知れないが、FIFAがあの中米の小国で敢えて世界選手権を開催したことも、「ともかくマイナーな国でいい、種を撒いておこう」という、まだ視野にない採算性をまったく度外視した決断の結果だっただろう。
そんな地味な現状の中で、賞金15万ドル(約1800万円)をかけたフットサルの国際大会という発想は、関係者にとっては夢の夢である。しかも、ブラジル代表もスペイン代表も各大陸のチャンピオンも出場するから、下手をすると世界選手権を上回るほど華やかなイベントになるだろうと誰も思う。開催地がエキサイティングな貿易国家シンガポールであることも、魅力のもうひとつのポイントだ。
タイガー5sの第一回大会(‘97年)と第二回大会(’99年)の招待形式を改め、主催者は今回の第三回で、大陸チャンピオンと本大会における実績を考慮した出場枠を導入した上で、アジアのフットサルを盛り上げようということでAFC加盟の三ヶ国をさらに招待した。その結果、以下のナショナル・チームが揃うことになった。
ブラジル 前回大会優勝(CONMEBOL)
イタリア 前回2位(UEFA)
スペイン 前回3位、世界王者、UEFA王者
オランダ 前回4位(UEFA)
イラン AFC王者
コスタリカ CONCACAF王者
オーストラリア オセアニア王者
エジプト CAF王者
シンガポール 開催国
日本 招待
中国 招待
タイ 招待
【注】CONMEBOLは南米、UEFAは欧州、CONCACAFは北中米、CAFはアフリカ
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参加チームを厳選することで大会の権威を高めることが無論大きな狙いではあったが、形式をリニューアルしたESPN STAR SPORTSというイベント会社はさらに二つの興味深い工夫を凝らした。
ひとつは、アジアで広範囲にわたる放送ネットを持つ同社独占の有望なソフトとしてこの大会を育てていくため、東南アジアの雄タイ、フットサルに力を入れている日本、それからフットサルと無縁でも最大規模のマーケットを誇る中国の三ヶ国を招待した。大会三度目にして初めてお呼びがかかった日本は、突然に転がり込んできたプレゼントをさぞ喜んだだろうが、イベンター側にはそれなりの思惑があったわけだ。

写真:Allsport/Stanley Chou |
| 現世界チャンピオンのスペイン代表は何人か中心選手を怪我で欠いてシンガポールに乗り込んできた。 |
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もうひとつの工夫は、大会の新フォーマット。例のごとく、最後の決勝のカードは、わざわざ予想するまでもなく、ブラジル対スペインであることを誰も分かっていた。それじゃアジア勢を中心とした残りのチームの状況をいかに盛り上げようかという課題に取り組む必要があった。そこでESPNスターは、いうならばラグビーのタイガー5s版である「香港7s」からヒントを得て、「一位・二位・三位トーナメント」を盛り込んだ。つまり、予選グループで三チームのうち三位に終わったとしても、三位トーナメントに進出して三位Tの決勝戦で戦えるので、下位チームでも最後は花を添えて大会を去ることになる。ネーミングは、香港7sのそれをそのまま拝借して、一位優勝者にカップ、二位優勝者にプレート、三位優勝者にボウルが贈られる仕組みとなった。
大会前の記者会見の席で、「目標は?」と質問されたシンガポール代表監督がずばり「ボウルの決勝戦で日本と当たること」と述べた。確かにそれは大会の三位トーナメントを締めくくる良いカードになるに違いないが、それを聞いて「大きなお世話だ」と呟いた日本の原田監督にはもっと自信があった。大会の第一日でオーストラリアと久々の対戦に臨む日本代表もその自信をじきに証明することになるため、静かに燃えていた。
グループ分けは以下の通りとなっていた。
| Aグループ |
Bグループ |
Cグループ |
Dグループ |
| スペイン |
オランダ |
イタリア |
ブラジル |
| イラン |
コスタリカ |
オーストラリア |
エジプト |
| 中国 |
タイ |
日本 |
シンガポール |

写真:Allsport/Stanley Chou |
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(第2回以降につづく) |