文・スティーブ=ハリス●日本フットサル連盟常任理事
最新号

前へ 第3回 次へ

GK対決

プラヤス・カラーである青と白の紙ふぶきと風船の嵐が去った後、試合が以下のスタメンでいよいよ始まった。

Playas de Castellon Valencia Vijusa
トニ 安定性抜群のGKでもう一人のギレルモ(スペイン代表)とスタメンを競う。 ラファ バレンシアの快進撃の張本人の一人で、神業を随所に見せる守護神。
ロレンテ スペインを代表するディフェンダーで昨年イタリアに渡り、トリノを優勝に導いた。 ホセマ 長身の姿で存在感を攻守共にアピールする。
パウリニョ ブラジル人で攻守にわたり二人分の仕事をする。 テテ どちらかという目立たない選手だが、俊足、運動量、細かい個人技などで大活躍する。
ハビ・
ロドリゲス
世界チャンピオンのキーメンバーで、切り込みが得意技。 ジェリー 唯一のブラジル人助っ人で、チーム一の足技を披露する。
ハビ・
サンチェス
フォーワード(スペインでpivotという)の代表格で昨年の世界優勝メンバー。 フェデ バレンシアの最大の武器のひとつであるカウンターで弾丸小僧ぶりを発揮する。

まだ20代前半で若いのにバレンシアの精神的な支柱ともいうべきキケが何故かベンチでスタートのホイッスルを迎えたが、格上のプラヤスをある程度抑えておいてチームが勢いに乗ったら、投入するというゲーム・プランだっただろうか。

が、バレンシアにそんな余裕がなかったはずだ。容赦のないプレッシャーでプラヤスの豪華なメンバーがどんどんバレンシアの自陣内に侵入してくるし、攻撃のバリエーションも豊富だから、バレンシアのGKラファがいきなり危機一髪のセービングを強いられてしまう。一対一の場面では、やはり実力の差が出ていた。

押されっぱなしのバレンシアはキーパー頼みの試合展開を強いられた。それでも大忙しのラファが見事に期待に応えた。

しかし、カップ戦で一回、レギュラー・シーズンで二回、先日のプレーオフ一戦目でも一回、とバレンシアが既にプラヤスと計4回も対戦しているから、守備の勘所を知り尽くしているようだった。ファウルで逃げる手も余儀なくされるから、立ち上がり9分目で早くも4度目の反則を犯していた。

バレンシア唯一のスペイン代表選手のキケ。ナショナル・チームなら味方なのに、ハビ・ロドリゲズの突破を思わず手で止めてしまう。

それでもバレンシアは攻め倦むプラヤスをうまくいなしながら、頻繁なカウンターでゴールを脅かすし、スローインとコーナースローで必殺の得点パターンでもチャンスをうかがう。そう、珍しいことに、スペインのプロ・リーグでは、今は懐かしい「サロン」のスローインとコーナースローが未だに採用されている。どうしてFIFAのフットサル競技規則に切り替えないかというと、スローの方が捨てがたい得点源になっているからだ。特にバレンシアはこのルールをどこのチームよりうまく利用し、ヘッディングやダイレクト・ボレーで今シーズン大量得点してきている。

優位を保ちながら、プラヤスがこのようにバレンシアの得意の武器を恐れていた。が、先制点をしたのは、ホームのプラヤスだった。フェデのミスパスをカットしたLNFSのベテラン、ブラジル人のクピムが強烈なトーキック(こちらでpunterazoという)でバレンシアのゴールを突き刺さった。

ブラジルからスペインに渡ったクピムは既にEl PozoとPlayasでリーグ優勝、Maspalomas del Solでもカップ優勝を果たしている。トレードマークのカラーフルなシューズから放つトーキックは恐ろしい威力がある。

後半に入っても調子に乗ったプラヤスが限りなく攻撃のピッチを上げるから、思わず背後のスペースを幾度となく空けてしまう。そこにバレンシアが反撃でうまくつけ込むため、今度はプラヤスのGKトニが大活躍。手で足で顔面で、身体のありとあらゆる部分でバレンシアのシュートを止め、しまいには第二PKを弾くから、いくらプラヤス有利の試合でもマン・オブ・ザ・マッチはキーパーのトニだった。

その間、リナレス兄弟の片割れ、アンドレウが追加点2を上げて、プラヤスが二戦目を3−0でものにした。二日後の日曜日に予定されている三戦目でプラヤスがもう一勝を上げれば、昨年に続きV2を達成することになる。
前へ 第3回 次へ
次回へつづく・・・