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【対論】マカオの戦いを振り返る
 菊地芳樹(STRIKER)×山戸一純(FUTSALNET) まとめ:北健一郎



  第 5 回
 (第4回

 日本フットサル界悲願の世界選手権への出場を決めた、マカオでのアジア選手権から早くも1ヶ月が過ぎた。神奈川県のある居酒屋では、現地から貴重な情報を日本に送り続けたSTRIKER編集部の菊地氏とFUTSALNETの山戸氏が、マカオでの戦いについて語っていた。

 フットサルを見続けてきた二人だけに、話題は尽きることがなく、そして何度も横道に逸れた。

 「アジア選手権はどんな大会だったのか?」「世界選手権に出場したことで何が変わるのか?」「日本のフットサルは果たして世界を相手に通用するのだろうか?」これから先、フットサル界でいつまでも語り継がれていくであろう「マカオの歓喜」を今振り返る…。(その第4回)


○ 他の国の戦いぶり

菊地(以下K):イランの実質的な監督はどうやらサッポの友達みたいでしたね。一応、この大会ではテクニカルディレクターという肩書きで、ベンチには入っていなかったんですけど、ずっと上から見てたから。昨日オスカー(眞境名)に話を聞いたら、ベルギーで色々コーチとかをやってたみたい。

山戸(以下Y):それはイラン人ですか?

K:ブラジル人。割と有名な人なんじゃないの?よくわからないけど。この後イランの監督になるんでしょう。これまでのイランの監督の「浮き方」たるや酷かったからね。

Y:じゃあアジアから世界選手権に出る3チーム(台湾を除く)は、全部ブラジル人監督ということになりますね。

K:そういうことになりますよね。というか、ブラジル人しかいないからね。フットサルのコーチを極めてるのって。タイのブラジル人監督は、ブラジルのU-21代表チームの監督もやっている人らしい。この大会のためだけに数ヶ月のレンタルで連れてきたということだった。

タイを見るのは、インドネシアから2年間のブランクがあるから変化の過程はわからないんですけど、今回のタイを見て感じたことは、今まで通りの「堅守速攻」というスタイルだけじゃなくて、ボールを持たされてる時にボールを回しながらピヴォのマンジャレンに当ててっていう、いわゆるフットサルっぽいことをするようになっていた。

それが、ブラジル人監督が入った効果だったのかなと。ただ、サッポ以上だったんだけど、あまりにも激昂するわけですよ。それにタイの選手達が引いていた。それによって、本来のいいところがなくなっているように感じましたね。

Y:僕はタイを見たのは4年ぶりなんですけど、4年前より個々のレベルは絶対に落ちたと思いましたね。4年前なんかは、速攻の時にエースのチャイマンにゴレイロから長いボールをビューンって投げるんですよ。それをドリブルして1人、2人シュートして決めちゃうっていう。それで十分って感じだった。

K:あの選手はその後サッカーでも活躍して、国民的英雄になったくらいだから。

Y:タイは荒削りなインパクトはなくなったんですけど、今回は個々の選手が落ちた中で同じやり方をしていたら、もしかしたら3位には入れなかったかもしれない。

K:今までは勢いに乗った時にものすごい怖かったんだけど、そういうのが無くなった分、戦い方に浮き沈みがなくなって安定してきたってところがある。

Y:あの時のタイはすごかったですもんね。もうそうするのが当たり前で。あの当時の日本はそんなタイの選手のことを「あんなのフットサルじゃない」って、ちょっとバカにしてるわけですよ。ところが、1対1では勝てないんですよ。今はどうか分からないですけど、あの当時は少なくとも個々の技量はタイの方が上だった。

K:だから、4年前はそんな相手チームをどうこう語る以前の問題だったんですよね。

Y:4年前は相根、市原、前田が出ているときだけが通用してました。3人だけでやるんですもん。

K:それ以外はチームになってないからさ。

Y:そんな中で藤井健太選手はすごいと思うんですよ。そういう意味では藤井君も大きく成長したのかもしれないですね。呼ばれ続けてちゃんと結果を出してきたという。

K:中国は去年の12月にプロリーグができたらしいんですよ。

Y:なんか都市を回って開催するみたいな。

K:そういう形みたいですね。

Y:どうやってプロリーグを運営してるんですかね?選手のレベルがあんな感じじゃないですか?

K:あんな感じと言っても、「小イラン」みたいな感じだったよ。どんどん勝負しにいってみたいな。やっぱり日本の方が組織としては一日の長があるわけじゃないですか?日本の方が先にフットサルに注目して力を入れた分リードしてたっていう。だから戦いぶりは予想できる範囲だった。

Y:中国の試合を見た印象は、フットサルは荒削りでも打つシュートは枠に収めてくるタイプなのかなと思ったら、意外にあっけなく外すという。あんまりキリキリ来ない感じだったんですよ。

K:打ち切って終わっちゃうみたいな、そういうところはあったよね。今6チームのリーグで最終的には8チームから12チームくらいのリーグにしたい構想はあるって言ってましたね。

Y:それはCリーグとは独立してるわけですよね?

K:してるんじゃないですか?エースだった10番の選手は高校生上がりだった。すごい若いんですよ。韓国はね、たぶん年に1回だと思うんだけどフットサルの全国大会があるんだって。それに、大学や社会人のチームが出てきて、その中から選抜してるみたい。いつもの顔ぶれが今回の韓国にはほとんどいなかった。いつもの顔ぶれはキャプテンだけ。

Y:ずっと出てた選手ですよね?

K:結局、経験の無さで負けてしまった。韓国に関してはあまり触れたくないね。力を入れてこられるのは嫌だから。このままフットサルに関してはお茶を濁しておいて欲しい。これ以上強いチームが出てくると面倒くさい(笑)。

韓国の場合は前2人、後ろ2人なんですね。前の人は、普段サッカーやってると思うんだけど、FW系の選手なわけです。ゴレイロから投げられたボールをもらって何とかしましょうっていう、典型的なサッカースタイルなわけですよ。相手との力関係で振り向ける時と振り向けない時がある。だから組織としての力は全然ないよ。

Y:クウェートはどうですか?クウェート。準々決勝でイランとやりましたよね。

K:やりましたね。クウェートはだいぶメンバーが変わってましたね。

Y:結構クウェートはいいなと思いましたよ。見てて。

K:監督も専門の人を呼んでたよね。クウェートは今まで、いわゆる日本のサッカー協会でいうトレセン関係の人がフットサルチームの面倒を見てた感じだった。その人は日本のコーチ研修会にもよく来てた人なのよ。「今度研修でJビレッジに行くよ!取材に来るのか?」とか言ってたりね。練習も「体の向きに気をつけよう」っていうトレセン的な要素をウォーミングアップに入れたりとか。いわゆる典型的なサッカー協会的な人だったんだけど。

今回は専門的な人が入って。でも、基本的には守りからカウンターでしょ?問題はメンタルだよね。自分たちから切れちゃって。

Y:あれはもったいなかったですよね。完全に自滅じゃないですか。

K:12番の左利きの選手は昔から出ているんですけど、彼が真っ先に切れて退場になったんですよ。そういうところがだめだね。


Y:世界選手権でもイラン、日本、タイ、是非がんばってほしいですね。

K:健闘を祈りましょう。

  第4回 (終わり)
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