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【対論】マカオの戦いを振り返る
 菊地芳樹(STRIKER)×山戸一純(FUTSALNET) まとめ:北健一郎



  第 3 回
 (第2回)(第4回

 日本フットサル界悲願の世界選手権への出場を決めた、マカオでのアジア選手権から早くも1ヶ月が過ぎた。神奈川県のある居酒屋では、現地から貴重な情報を日本に送り続けたSTRIKER編集部の菊地氏とFUTSALNETの山戸氏が、マカオでの戦いについて語っていた。

 フットサルを見続けてきた二人だけに、話題は尽きることがなく、そして何度も横道に逸れた。

 「アジア選手権はどんな大会だったのか?」「世界選手権に出場したことで何が変わるのか?」「日本のフットサルは果たして世界を相手に通用するのだろうか?」これから先、フットサル界でいつまでも語り継がれていくであろう「マカオの歓喜」を今振り返る…。(その第3回)


○ アマチュアスポーツのフットサルについて

山戸(以下Y):木暮くんも今は大学院に行ってますけど、一時期就職するみたいな話になってましたからね。

菊地(以下K):GET SPORTSで「内定を取り消してもらいました」って言ってましたもんね。

Y:就職したら代表の活動にはついていけないですもんね。

K:会社の理解がないとね。決定的な他のアマチュアスポーツとの違いは、金銭面でのサポートが全くないわけですよ。例えばバレーボールだったら、企業に所属していて、そこで仕事もするけれども、ある程度バレーボールの活動ができる優遇措置とかはある訳じゃないですか。

Y:午前中だけ勤務とかですよね。

K:うん。いわゆる企業アマってやつね。フットサルの場合は個人的に了解を取って代表活動に参加する訳じゃない?今だって、突如として代表の活動があるわけじゃない。そういうのに対応するにはフリーターだとかアルバイトの身であるか、本当に理解のある会社に勤めるとか。代表選手の中にも会社勤めしている人だっているわけだから。

Y:サッカーがアマチュアだった日本サッカーリーグの時代と違うのは、サッカーは企業のクラブ活動という形で、日本代表に選ばれたらチームに伝えられてましたよね。フットサルの日本代表に選ばれたら今でこそチームに通知が来ますけど、ちょっと昔までは本人に直接電話してましたからね。チームを通すっていう概念さえなかったですから。

K:アマチュアって一口に言ったって全然違うんだから。

Y:生活ができるアマチュアとできないアマチュアがありますからね。これは話が脱線しますけど、最近の最も腹立たしいことNo.1は日本男子バレーボールの負けっぷりなんですけどね。あれってあんな(方式での)最終予選ってありえないわけじゃないですか?他の競技では。

日本のホームで全部試合をするっていう。あれはマスメディアとバレーボール協会のお互いの利害が一致して、他国もそれを了承しているから成立しているんですよね。それで勝っていくのも、なんとなく私なんかは気恥ずかしく思いますけど、それでも勝てないなら「なんなんだこれは?!」って思いますけどね。

K:あれはいい面が女子で出てて、悪い面が男子で出てるっていう典型だよね。

Y:日本で毎年ワールドカップの最終予選ができるのは、(アイドルの)ショーがあることとセットなわけですよね。あれを仕掛けている人は、非常に頭がいいと思いますけど。その一方でフットサルはああいう形でできないのかなって考えたりしている面もあるんですけど。

バレーボールっていう競技は国内での見られ方と、世界的な見られ方にものすごいギャップがあると思うんですよ。それで、バレーボールは上手くそのギャップを利用していて、まるでワールドスポーツであるように国内では言っておきながら、絶対にワールドスポーツではないと思うんですよ。その報道のやり方はは賢いですよね。サッカーは世界のどこの国でも関心が高いんですよね。だから、どのチームとやる時にもホーム&アウェイにしなきゃいけないじゃないですか。最終予選で集中開催はありえないじゃないですか。でも、フットサルはバレーボールに近いと思うんですよね。

K:近いのかもしれませんね。

Y:勝って泣いてるチームは日本だけですから。タイも喜んでましたけど。日本は、他の国からしてみれば「どうしちゃったの!?」っていうような喜び方をしていたから。

バレーボールは本当にあれだけの仕組みを作ってもらって負けちゃったらねえ。

K:じゃあ最終予選をどこで開催するってなったときに、やってくれるとこは日本しかないわけだからさ。

Y:ホーム&アウェイはできないわけですもんね。だから、バレーボール協会も含めてみんなハッピーな仕組みなんですよね。

K:そうですよ。日本で開催できて、世界的にお金を払ってくれるスポンサーがあって…。すごいよね。

Y:だから、タイガービールがやっているタイガー5sなんて日本で簡単にできると思いますよ。

K:簡単にできますよね。サッポロビールプレゼンツとか、アサヒビールプレゼンツとかやったっていいんじゃないかな。

Y:でもバレーボールの選手たちって、フットサルの選手より遥かに恵まれてるわけじゃないですか。彼らはほとんど企業のチームですよね。

K:ほらやっぱりオリンピック競技だから。山戸さん。

Y:そこにいきますか(笑)。

K:フットサルはオリンピック競技じゃないですから、まだ。

Y:日本リーグもないですからね。

K:ビーチバレーだってトライアスロンだってオリンピック競技になってるのに。そういう働きかけがないと。

Y:テコンドーがなったときは、ちょっとショックでしたけどね。

K:これからオリンピック競技に新しくなるとしたらフットサルぐらいしかないでしょう。

Y:あれって、開催国が「公開競技」って自由に決められるらしいんですよね。だから韓国がソウルオリンピックの時にテコンドーを公開競技にして、次のステップで正式競技になるっていう。

K:シドニーの時は、オーストラリアがトライアスロン強かったから、トライアスロンにしたわけですよ。

Y:どっかの国がそれをやらない限りは難しい訳ですよね。

K:次はどこでしたっけ?

Y:アテネの次は…中国の北京(ペキン)。

K:可能性あるんじゃないですか?

Y:すでに卓球も飛び込みもありますもんね。ありえないことじゃないですよね。

K:日本が中国に働きかけるのも一つの手なんじゃないかな。

Y:僕としてはオリンピックはサッカーをやめればいいんじゃないかと思うんですけどね。

K:IOCはサッカーをオープンでやってほしいわけでしょ?だけどFIFAはそうはいかないと。でもワールドカップが一番盛り上がってるのってサッカーぐらいじゃないですか。他はワールドカップよりオリンピックの方が盛り上がる訳でしょ?それを考えたら、FIFAの方から「フットサルもありますよ」と。女子サッカーはそういう傾向になってるじゃないですか?

Y:その方がいいですよ。FIFAはフットサルを売り込むべきですよ。

K:FIFAはフットサルと女子サッカーをIOCにあげるから、サッカーは自分たちだけでやるっていう住み分けが出てきても不思議じゃない。そのためには日本ががんばらないとね。

  第2回 第4回 (次回につづく)
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