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小野直樹のアポ無しブラジル紀行
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著:藤沢市サッカー協会フットサル委員会 小野直樹
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リオデジャネイロ編1
サンパウロで充実した3日間を終え1月22日午後7時にリオデジャネイロに到着した。サマータイム中ということでまだ辺りは十分明るい。私はブラジルの中でもとりわけこのリオが好きだ。カーニバルの熱狂、美しく長い海岸線、いつも街全体を見下ろしているコルコバードのキリスト像や奇岩といわれるポン・ジ・アスーカル、世界一のマラカナンそしてジーコ、ロマーリオなど幾多の名選手を輩出したフッチボールがここにあるからだ。
車を拾い、宿泊先のホテル・メリジアンに向かった。車窓からはなつかしい風景が次々と目に飛び込んでくる。
「明日からどんなサッカーやフットサルに出会えるのかなあ?でもリオと言えばビーチサッカーやフッチバレーが有名だけれど、フットサルもあるのかなあ?まあ最悪、ビーチでのんびり心身のリフレッシュでもしよう。」
と考えていた。
ホテルにチェックインし、すぐに唯一リオでの知人である坪井氏に連絡をとり、夕食を共にした。彼は今から約30年前に親戚を頼ってブラジルへ来て以来、リオ観光という旅行会社を経営している。私が以前、ブラジル旅行で2度程、大変お世話になった方だ。現在のブラジル情勢や今回の旅の目的がフットサルの視察である旨など話は弾んだ。
そして、プロでもアマチュアでもいいからフットサルのチーム練習を見学したい、そしてどこか紹介してほしいというような話をした。すると、彼はいくつかのチームの名前を口にし、アポイントしてくれるという。
「リオ市の隣にあるニテロイ市にプロのフットサルチームがあったなあ。そこに行ってみたらどうだろう。以前、日本人の選手を2,3人紹介したことがあるんだよ。」
いきなりプロチームだ。サンパウロでフットサルを見られなかった分、余計に期待が膨らんだ。
「そ、そのチームでお願いします。」
もう充分だと思っていたので即答した。すると、
「そうそう、バスコ・ダ・ガマはどうかなあ。サロンのチームがあるかどうか知らんけど。」
なっ、なにぃ〜。バ、バスコだとぉ。
「バ、バスコにはフットサルのチームがあるどころかあのマノエル・トビアスが移籍してきて、ものすごく力をいれてるチームだと思いますよ。やっぱりバスコでお願いします。」
簡単に前言をくつがえし、めいっぱいお願いした。なんでも、2,3年前にバスコ・ダ・ガマのサッカーチームが、名古屋グランパスとの試合のために来日することになっていたが、カーニバルの直後でチーム全員のビザを申請し忘れ、あわや訪日自体を中止という事態が起きた。その時、彼が日本領事に交渉し、たったの1日で全員のビザを発給させたという、とてつもない貸しを持っているということだった。アミーゴの国、ブラジルではこのことはまさに「鬼に金棒」といったところだ。
「よし、バスコに8日間ずっと通おう。」
そう勝手に心に決めた。彼が頼めばバスコは絶対に断れないと確信していたからだ。そして、万一の場合でも、ニテロイのチームに合流できるようお願いをした。明日からのハードになるであろうスケジュールに対応出来るようにホテルでゆっくり睡眠をとるため、早目にホテルへ帰った。
次の日の朝、6時に目が覚めた。ホテルはコパカバーナビーチに面しているため、眺めがとても良い。窓からはビーチの幅広い歩道で多くの人がウォーキング、ジョギングそしてサイクリングしているのが見える。私も彼らに混じって散歩をした。夏のリオの朝の風はとてもさわやかだ。パンとコーヒーだけのブラジル式の朝食(カフェダマニャン)をとり、わくわくしながらこれからのバスコでの体験を想像してみた。しばらくホテルでくつろいだ後、坪井氏へ連絡を入れてみた。
「バスコは今、リオから160キロ離れたヘゼンジという街で合宿をしていて、しばらく戻ってこないみたいだ。また、ニテロイのチームは財政難で解散してしまったらしい。これからどうしようか?」
ガーン!!と頭を殴られたようなショックだった。あのもろもろの想像がただの妄想になってしまった。一気にボルテージの下がった私は、いったん電話を切り、今後のスケジュールを組みなおすことにした。しばらくボーッっとベッドの上で横になっていたが、ふと、思い出したことがあった。ブラジルへ向かう飛行機の中で配られた「O GLOBO」という新聞のスポーツ欄の記事だった。そこには小さな記事ながら「FUTSAL」とうい文字が目に入った。記事はこんな感じで書いてあった。
「フラメンゴ フットサルチャンピオンをめざす」
「元・現ブラジル代表選手6名を獲得」
そして写真とともに何人かの新加入選手を紹介していた。96年フットサル世界選手権スペイン大会のGKセルジーニョ、現代表のサンドリーニョとヴァンデル・カリオカだ。そう、いずれも日本でも見ることができるブラジル代表のビデオに出ている有名な選手たちだ。ベッドからガバッと起き上がり、そうだ、フラメンゴに行こうと思った。
フラメンゴなら以前にも訪れたことがあるし、あの広大なクラブの敷地内に入ることができたら、フットサルの練習見学も可能ではと思った。再度、坪井氏に連絡をとり、フラメンゴの事務所へアポイントをとってもらった。返事はなかなか良い感触だった。明日からフットサルチームの練習が始まるので、カルロス=アルベルトという尋ねて来いということだった。
よし、ついにプロのフットサルチームの練習が見れるぞ。今度は小さく喜んでおいた。前回のバスコと同様なことがないように。。。。
(次号へつづく)
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