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小野直樹のアポ無しブラジル紀行
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著:藤沢市サッカー協会フットサル委員会 小野直樹
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フットサルはどこに? サンパウロ編 2
「オノ、サロンはないけどソサエチーじゃだめなの?」
「何?ソサエチー?普通のサッカーのこと?」
「違うよ、カンポじゃなくてソサエチーだよ。知らないの?」
とにかく行ってみることにした。坂道を下っていった一番下の盆地のようなところに芝と雑草の生えたグランドがあった。なんだ、ただのサッカーコートじゃないか、と思いながら少し歩くとその手前にフェンスに囲まれた狭い土のコートがあり、5:5のゲームをやっている。あれっ、これはベウト達と初めて会った時やっていたミニサッカーじゃないかと思った。そしてこれが彼らのいう「ソサエチー」だったのだ。
実際にそのコートに入り、やってみた。土とはいっても限りなく砂に近いもので裸足でも全く問題ない。また、フェンスにボールがあたってもインプレーのままだ。フットサル+ビーチサッカーのようだった。
彼らは私にまずボールを裸足でシュートしてみろという。一応、これでもコーチのはしくれだと意地をみせてやろうと思った。ゲーム中も得意のまたぎフェイントも使って2,3人抜いてゴールもいくつか決めた。どうやら彼らも私のことを認めたみたいで、みんな次のゲームでは私と一緒のチームになりたいと揉め始める始末だった。
このデコボコの土のうえで毎日やってたら体育館のフロアーは楽でしょうがないだろうなあと感じた。
ブラジルにはいろんなフッチボウがあった。フッチボウ・ジ・カンポ(普通のサッカー)、フッチボウ・ジ・サロン、フッチボウ・ジ・プライア(ビーチサッカー)、フッチボレ(サッカーバレー)。
ところでこのフッチボウ・ジ・ソサエチー,サンパウロでは庶民の中で一番ポピュラーだった。直訳すると「社交性サッカー」だが、夜になると照明付きのミニバー併設のコートがバス通り沿いに数多くあり、とても活気があった。まさに社交ダンスならぬ社交サッカーそのものだった。
プレーが終わると飲みながら他人のプレーを見たり、ひいきのプロチームの話題で盛り上がっている。プレーする側も目の肥えた観客の中でのプレーはいやおうなしにモチベーションは高くなっている。その光景はすばらしいの一言であった。地元、藤沢氏のサッカー協会の理事もしている私はすぐにでもこの環境、人々を藤沢に持って帰りたくなった。
コートはやわらかい土があり、まわりをフェンスで囲うだけ。ラインを引いたり、トンボをかけたり、水をまく必要もない。つまり、維持費がかからない。その上、裸足でのプレーはボールコントロールをやわらかく、正確にし、また、バランス感覚を養える、内臓に良いなど利点が多いのだ。こんなところもブラジルでは将来的にサッカーやフットサルをやる選手の基礎ができる要因のひとつではないかと思った。
サンパウロには当初の予定から3日間のみの滞在予定だったため、残念ながらソサエチーの真髄をさぐるまでにはいかなかったが、とても有意義な日々を過ごせた。また、突然の訪問にもかかわらず、歓迎していただいたウイリー家の人々、別れ際に涙して別れを惜しんでくれたベウトら子供達。ほんとうにありがとう。NUNCA ESQUECO DES VOCES!VOU LA DE NOVO.(君達のことは決して忘れない。また、行くからね。)
こうして、彼らとの短くも濃い3日間を終え、サンパウロ国際空港で別れたあと、また、ひとりでリオデジャネイロへと向かった。フットサルというよりはビーチサッカーの盛んなリオには正直あまりフットサルについては期待していなかった。
この時はまだリオでのプロのフットサルチームとの交流、しかもあのマノエル・トビアスをはじめ、ブラジルフットサル代表の面々やチーム関係者との出会いがあろうとは思いもしなかったのだから。
<サンパウロ編おわり>
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