<湘南ベルマーレ vs 名古屋オーシャンズ>
(文:北健一郎、写真:M.Minagi)
| 湘南ベルマーレ | 1-1 | 名古屋オーシャンズ | ||
| 0-4 | ||||
| 1-5 |

この試合で優勝を決めたい名古屋は控え選手のユニを手に
絶対にホームでの名古屋の優勝を阻止したい湘南
2008年2月3日14時22分、小田原アリーナでFリーグ初代王者が誕生した。
8チームで唯一のプロクラブ・名古屋が2試合を残した時点で優勝を決めたのだ。
引き分け以上で名古屋の優勝が決まるという状況で迎えた湘南戦。小田原アリーナには「目前優勝阻止」などの横断幕が掲げられている。
名古屋のスタメンはGK定永久男、鈴木隆二、完山徹一、丸山哲平、森岡薫。ケガで2試合メンバーから外れていた北原亘も、ベンチスタートながらメンバー入り。
一方、目の前での優勝と6連敗は何としても避けたい湘南のスタメンは、GK阿久津貴志、大地悟、篠崎隆樹、荻窪孝、伊久間洋輔。
2分、早速名古屋が先制点を手に入れる。ピヴォの位置で丸山の縦パスを受けた森岡が左側にターンしてシュート。
利き足ではない左足で打ったシュートだったが、これが決まって名古屋が1-0とリード。 16節の大分戦で10得点、17節の花巻戦で12得点と2試合連続でFリーグの最多得点記録を塗り替えている名古屋。この1点が呼び水となり、湘南相手にゴールラッシュとなるかとい思われたが・・・・・・その後の名古屋はピリッとしない。
開始10分までに2度も4秒ルールからキックインを相手に渡してしまう。
優勝が決まる試合ということで緊張もあったのかもしれない。
館山マリオ監督は「ちょっと緩んでいた」といっていたそうだが、どちらにしても、これだけスキのある名古屋も珍しい。
名古屋がセカンドセットに変わった5分、湘南がカウンターをお見舞いする。伊久間が右サイドをドリブルで持ち上がり、左サイドを併走していた荻窪の前のスペースへパス。だが、荻窪は左足でしっかりミートできず、ボールは右外へ。
8分には、沖村リカルドからのパスを左サイドから関新がシュート。これはGK定永がセーブ。この直後にはマルキーニョスのドリブルを止めた沖村が1人でゴール前まで運んでシュート。だが、これも定永に止められてしまう。
湘南は3-1のゾーンディフェンスがハマっていた。前半の名古屋はポジションチェンジが少なく、マークをつかまえるのが比較的容易だったからだ。2分に森岡に決められたような、「個の力」でやられる以外は失点シーンは想像しにくかった。
それだけに、ボールカットしてからのカウンターはしっかり決めるべきだった。定永の飛び出しのタイミングがうまかったこともあるが、ゴール前で打ち急いでいるのが気になった。5連敗中のチームには「焦り」が感じられた。
だが、ただ一人落ち着いている選手がいた。篠崎である。湘南の最近4試合の6得点はすべてこの男が叩き出したもの。この日も湘南のゴールを決めたのは篠崎だった。
13分、近藤純也の縦パスを大地がワンタッチで左へ流すと、角度の厳しいところから篠崎が定永の股を狙ってシュート。湘南らしいコンビネーションと篠崎の落ち着きが光った。
小田原アリーナには「いけるかもしれない」という空気が漂う。 前半の名古屋の出来からみて、逆転は十分可能だったと思う。15分の豊島明が左から中へカットインしたシュートの後には、たまらず名古屋がタイムアウトを取ったほどだ。
残り10秒、豊島と関のパス交換から右の伊久間へサイドチェンジ。"どフリー"だったが、このシュートは枠にすらいかなかった。前半終了のブザーが鳴った時点で、湘南の勝利は厳しくなった。
名古屋にハーフタイムという立て直しの時間を与えてしまったからだ。 後半が始まって5分。名古屋が勝ち越し点を決める。決めたのはまたしても森岡。中央やや左寄りの位置から目の前の敵をちょっとズラして右足でズドン。このシュートは阿久津が上に伸ばした手の間を目にも止まらぬスピードで通り過ぎてゴールネットに突き刺さった。
その決定力は増すばかりの名古屋・森岡
今の湘南は"20分間のチーム"である。前半はいい内容のフットサルができていても、後半までそれを維持できない。現在の5連敗の要因は「決定力不足」と共に、40分のゲーム運びができていないことも大きいと思う。
30分には、沖村のシザーズをマルキーニョスがカット。そのまま左サイドをドリブルで持ち込まれシュート。これは阿久津がセーブしたものの、ポストに跳ね返ったボールにボラがつめて3点目。
これで"切れて"しまった湘南は、33分にも森岡が中へ軽く切れ込んでクロスにパス。敵の視野の裏側から入ってきた完山が左足で合わせて、決定的な3点差とする。 湘南は大地をGKにしてパワープレーを開始するも、37分にがら空きのゴールにマルキーニョスにロングシュートを沈められて傷口を広げる結果に。
名古屋を支えた助っ人・ボラとマルキーニョス
決定的な5点目に湘南は呆然
ピッチの中央付近で?マルキーニョスがボールをキープしているところで、デジタイマーの時計が「0」に変わる。名古屋が敵地でFリーグ優勝を決めた。 試合後の名古屋の選手たちの表情に浮かんでいたというのは「ホッとした」という安堵感だった。唯一のプロクラブとして「優勝は当然」というプレッシャーは相当なものだったはずだ。
目前で優勝を決められた湘南は肩を落とす
2節終了後の電撃的な監督交代を乗り越えて、名古屋は一回り大きなチームになった。このFリーグの優勝も彼らにとっては通過点でしかない。「アジア、世界を目指したい」と櫻井嘉人GM。世界を目指すクラブ・名古屋がFリーグの歴史にその名を刻んだ。







