東海フットサルリーグ1部第9節 「DELIZIA磐田 - NASPA四日市」 レポート

開催日:2014年2月2日(日)
会場:静岡県・エコパ・サブアリーナ
試合時間:前後半20分、ハーフタイム10分
写真・文/橋爪充

 残り4秒、4対4同点。デリッツィアゴール左からのナスパのキックインボールが、ゴレイロ松井里志の手をはじく。ナスパの選手がつっこむ。会場は悲鳴に包まれる。ギリギリの攻防の数秒後、試合終了のホイッスルが鳴った。

 
 デリッツィア、引き分けで優勝決定。ナスパは勝てば地域チャンピオンズリーグ出場の可能性があったが、この結果で望みが絶たれた。

 優勝が決まった試合だというのに、デリッツィアの選手たちは一様に渋い顔だった。「優勝はうれしい。でも複雑な気持ちです」。キャプテンの門田雄輔がチームの心情を率直に代弁した。

【写真・2年ぶりの優勝を果たしたデリッツィア。次は地域チャンピオンズリーグに挑む】

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 余韻が残る好勝負だった。どちらのチームが印象深かったかと問われれば、間違いなくナスパだ。

 後半残り10分、門田のゴールが決まって2対4。流れは完全にデリッツィア・・・に見えた。だがあきらめないナスパは、残り5分から石井佑一、森下直紀という得点源を同じセットで使うスクランブル態勢でデリッツィアに襲いかかる。

 残り2分、左サイドを突破した森下の強引なシュートを石川哲也が押し込んで1点差。残り20秒を切ってからCKから石井佑一が同点ゴールをねじ込んだ。異様なムードの場内。デリッツィアはすでに5ファールを喫している。何かが起こりそうな雰囲気が充満していた。

 たった1度のファールで優勝を逃すことにもなりかねない20秒間。デリッツィアの選手にとって、おそらく長い長い時間に感じられたことだろう。だが、最後の最後はここまでの勝ち点3の積み重ねがものを言った。

 1月4日の第7節終了時点では、残り2節で「勝ち点1」が、デリッツィアの自力優勝の条件だった。その後の2試合で、こんなにも苦しむと誰が予想しただろう。

 前節は9位プライア・グランジに6対3で完敗。そして最終節のドロー劇。筆者はここに東海リーグ1部の実力拮抗ぶりを見る。

 2010年度とは好対照だ。この年、優勝したジュビロ磐田FC(現デリッツィア)は勝ち点28(2期制)で2位以下をぶっちぎった。特筆すべきは得失点差。なんとプラスはジュビロだけで、あとの7チーム(当時の1部は8チームによるリーグ戦)はすべてマイナスだった。筆者は「フットレポ」で「一部の富裕層が国全体の富の大半を握る。そんなグローバル経済の過酷な現実が、東海フットサルリーグにも押し寄せている」と書いた。

 あれから3年。優勝争いは昨年に続いて最終節までもつれた。最終節で5チームにチャンスがあった地域CL出場権は、昨年出場が果たせなかった2チームの手に渡った。群雄割拠の東海リーグ。見ているほうはハラハラドキドキを楽しめるが、選手たちの緊張感はここ数年で飛躍的に増したのではないか。

 最後にナスパの水谷健太監督兼選手の言葉を記して、レポートを終えよう。

 

 「2対4になっても、誰もあきらめてはいませんでした。絶対に勝つ。セットを崩してでも勝ちにいく。そんな気持ちでした。今季は途中で(松山)竜二がFリーグ大分に移籍して、どうなるかと思ったけれど、同年代の3人が想像以上に伸びた。チームにも競争意識が生まれた。彼があそこで頑張っているんだから、という気持ちが少なからずあったと思います」

 

 ネバー・ギブ・アップの気持ちを前面に押し出して勝ちにいくナスパ。こういうチームがあるから、東海リーグは面白い。

 

[試合結果]
DELIZIA磐田 4-4 NASPA四日市

[得点経過]
4分 0-1 石井佑一(ナスパ)
16分 1-1 伊藤豊大(デリッツィア)
21分 2-1 千葉武(デリッツィア)
23分 3-1 蔭平広大(デリッツィア)
30分 3-2 森下直紀(ナスパ)
31分 4-2 門田雄輔(デリッツィア)
39分 4-3 石川哲也(ナスパ)
40分 4-4 石川佑一(ナスパ)

 

 

【試合終了後、スタンドのサポーターから祝福の紙テープが投げ込まれた】

 

【今季デリッツィアのキャプテンを務めた門田はリーグ8ゴール。要所で効果的に得点した】

 

【入団2年目ですっかり主力になったデリッツィア大澤悠二】

 

【ナスパ森下は「何かを起こす」タイプの選手。この試合でも残り5分の同点劇を演出した】

 

【今季、リーグ全体の中でも屈指の実力伸長が見て取れたナスパ石井佑一(右から2人目)】

 

【本エントリの著者】
橋爪充
URL:
1969年12月7日生まれ、静岡市出身。「フットサルLife」編集を経て故郷の新聞社へ。本業とは別に東海エリアから主に地域リーグの情報を発信。「東名阪フットサル大動脈」完成を夢見る。
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