フットサル日本代表 小森隆弘コーチ兼通訳インタビュー (1/2)

(構成・写真/橋爪充)

 2度の海外遠征も含めた日本代表の8カ月をつぶさに見ている「チーム・ミゲル」の重要人物。それが小森隆弘兼通訳コーチだ。ブラジル留学、アメリカでのプロ生活、そしてカスカヴェウ(現・ペスカドーラ町田)とのかかわりなど、日本フットサル黎明期の生き証人でもある。

 そんな小森氏に海外遠征を間近に控えた日本代表の過去と現在、スペイン遠征への抱負を語ってもらった。

  イタリア代表との親善試合でもベンチ入り(2009年9月、愛知・オーシャンアリーナ)

 

▼ミゲル・ロドリゴ監督が就任し、2009年6月に初めてのトレーニングキャンプが行われました。小森さんはどういう思いでしたか?

「サッポ監督時代も知っている選手が何人も代表入りしていたし、心の中ではずっと応援していました。でも、まさか自分がこういう形で日本代表に関わるとは思っていませんでしたね。会社(東急スポーツシステム)の仕事でスペインと関わっていた中で浮上した話でしたから」

 

▼ロドリゴ監督のことは就任前から知っていたんですか?

「セゴビアで監督をしているときに初めて会いました。2008年の夏、コーチ研修で(東急スポーツシステムの)スタッフをスペインに連れていったときです。ゲームを見させてもらった後、ロサーノさん(元スペイン代表監督)に紹介してもらいました。(高橋)健介君も一緒にいました。

その時から『必要なものがあれば何でも言ってくれ。教材でもなんでもある』って。いま日本で言っていることとまったく同じことを、初対面のときから言っていたんですよね。その後も電話でやり取りしたり、セゴビアがツアーで来日したときに会ったりしました」

 

▼その時期と現在で、彼の印象に変化はありますか?

「まったく変わらないですね。ミゲルはとにかく律儀なんですよ。特にフットサルに関心を持っている方に対しては、常にウエルカムな姿勢を取り続けている。誰に対してもフレンドリー。そうした傾向は、来日後、むしろ強まっていると思います」

 

▼新しい代表が発足するまでの間に、日本協会やスタッフの中でどんな話し合いがあったのですか?

「大仁(邦彌・日本サッカー協会副会長)さん、ミゲルといろいろ話をしましたが、とにかく日本代表を『再生』するんだ、ということでした。リニューアル要員としてスタッフに加わることになったわけですが、自分なりのフットサル観もあったし、ミゲルとなら考え方とすり合わせしてやっていける、という思いもあった。そんなに不安はありませんでした」

 

▼代表活動の頻度が上がりましたよね。それはロドリゴ監督の意志で決まったことなのでしょうか?

「日本協会としても、新監督就任に当たって何かを変えて作り直さなければいけない、というスタンスだった。それは間違いないでしょう。ただ、それが現在の活動の頻度に直結しているかどうかは存じ上げません。ミゲルは事前にレポートを送ってきていて、代表活動の頻度についても言及してはいました。

余談ですが、ミゲルは同じレポートで(現在行っている)指導者の養成など、自分がやりたいプロジェクトについても要望していました」

 

▼小森さんご自身は日本協会からどういう仕事を期待されて代表スタッフ入りしたんでしょうか?

「ミゲルを日本代表の監督に、という話が出てきた当初は、(間に入ってくれた)ロサーノさんに話をしやすい人間ということで『調整役』として認識されていたようでした。

ただ、やりとりをしていく中で、私自身がどうフットサルに関わってきたかということもだんだん知られることになり、総務的なところ、技術的なところもサポートしてほしい、というふうに変化してきました。

監督就任の前にミゲルから、『(代表のスタッフとして)仕事をできるコンディションにあるのか』と聞かれたので、『会社の了解を得なくてはいけないが、やりたい』と答えました。

そういう経緯があってリストに私を加えてくれたようです」

 

▼代表スタッフの一員として、ロドリゴ監督はどういう存在でしょうか。

「ミゲルは(良い仕事のできる)グループを作ることが非常に上手い。私自身も比較的そういう仕事の進め方が好きなのですが、彼とのやりやすさは普通じゃないですね。あっという間に仲良くなった。たぶん私の家族に聞いても、会社の人間に聞いてもそう言うと思います。今は『いったいどれだけ一緒にいるんだ』といわれるぐらい頻繁にやり取りがあります」

 

▼代表の活動以外でもやりとりの機会は多いんですか?

「直接会うこともありますが、電話やメールはほぼ毎日です。生活面も含め、いろいろ相談もしてきます」

 

▼選手の選考についても相談があるんですか?

「ありますね。基本的に代表スタッフが手分けして試合を見に行くことはほとんどないんですよ。一緒に見に行って、選手それぞれについて、求められた場合はセカンドオピニオン的に意見を言います。その時にこれまで見てきたことや特性を言ったりはしています。在原(正明コーチ兼通訳)君に対してもそうなんですが、ミゲルはそうした僕らの意見や見方を非常に上手くまとめますね」

 

(つづく)

 

【本エントリの著者】
橋爪充
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1969年12月7日生まれ、静岡市出身。「フットサルLife」編集を経て故郷の新聞社へ。本業とは別に東海エリアから主に地域リーグの情報を発信。「東名阪フットサル大動脈」完成を夢見る。
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