2010年はフットサルの正念場だ(2) フットサル施設編 -上-

2010年になって5日目。まだつづくすがすがしい青空とは裏腹に、2010年はフットサル界にとって嵐の正念場となる可能性を感じる。新年早々何をもったいつけて!と思われた方も多いだろう。

しかし、早ければ2010年の今年に、フットサルの行方を左右するいくつかの動きが始るのではないかと考えている。

今回はフットサル施設について考える。

前回のエントリにはいくつかの興味深い指摘があった。特に、目指す位置が曖昧なために、読んでる人に混乱を与えているという指摘についてはまさにその通りだった。

たしかに既に10数年前からどんどん増えた都道府県リーグの充実ぶりは驚くほどだし、日本代表は2回もワールドカップに進出した。日本リーグも始ったわけなので、ここまでの道のりに問題があったとは考えていない。

ただ筆者は、フットサルという競技は以下のような進化を遂げる可能性があると考えている。
ざっくり書くとその可能性とは:

・「見て」楽しめるエンターテインメント性溢れるスポーツになる
→Fリーグが収益事業として自立し、10年後にはプロリーグに

・「やって」楽しめる、生活に近いスポーツとしてとしての地位を不動にする
→民間スポーツ施設として成功してきたフットサルコート。事業モデルを変換してフットボーラー憩いの場に

・両者が相互に刺激し合い、サッカーに依存しないフットサルという競技の世界ができあがる

3番目が最終的な形態だが、そこに至るまでには、前回紹介したようなサッカーワールドカップによる刺激が、経験的にも有用ではないかと考えたわけだ。


ということで、2回目の今回は、フットサル施設について考えてみたい。

 

2) フットサル施設の役割と収益構造の変化

2007年以降、日本フットサル施設連盟は施設数と面数の動向をホームページ上で公開していないので、最新の状況がわからないが、筆者と関係者との会話や、入手した多くの情報から考慮しても、ここ1年でフットサル施設数の伸びの鈍化は間違いない。

ただ、施設数の伸びの鈍化がすぐさま利用者数の鈍化ということにはならない。フットサル施設事業は言ってみれば、土地という不動産を時間で割ってレンタルするビジネスなので、多くの場合、土地のオーナーは資産の運用手段のひとつとしてこれを見ているわけだ。(もちろん、フットサルが好きだからという理由でフットサル施設事業をやっているオーナーもいる)

コインパーキング、マンション、近いところではテニスコートやバッティングセンターなどなど、この資産が生み出してくれる利益の大小で、土地活用方法を決定していることが多い。

だから、「施設数の伸びの鈍化=フットサル施設利用者数の鈍化」という式は成立しない。他の活用方法の方が利回りが良ければ、そこに土地オーナーの関心が移るからだ。


しかしながら、筆者は国内にフットサル施設というものが出来上がった当初から、今に至るまでのフットサル施設のヘビーユーザーなので、肌感覚で人の入り方がわかる(ような気がする)。複数の関係者からも同様の感想を聞いたので、そういう傾向は間違いないだろう。

その感覚でいえば、最近フットサル施設を利用する人が減っていることは間違いない。それもちょっとではない気がする。(もちろん例外は存在して、都心の一部の施設では、比較的高めの価格設定でも稼働率は高い。)

特に、面貸しという1時間ごとにコート1面を貸し出すタイプの売り上げが悪いようだ。
フットサル施設が最も多い首都圏でいえば、大体9000円前後で1時間コートを利用することができる。これは前から言われてきたことだが、参加を断るほどの人数がそろう状況であれば、この面貸し利用になんの問題もない。

2時間程度おさえて、18人程度で3チームで回せば一人1000円で利用できる。人集めの苦労もなければ、主催者にも負担ゼロだ。

ところが、人が集まらない状況では、9000円という(2時間なら18000円)費用がそのまま主催者にのしかかる。人が集まらない状況で参加してしまって、料金を人数割りすると嫌なことになる。少なければ少ないほど楽しめないのに支払う額が増えてしまうのだ。

面貸しのほかは、スクールや個人参加、そして大会などを行うのが一般的なパターンだろう。ただ、フットサル施設の稼動時間に対する面貸し以外の利用時間はそれほど長くない。


面貸し以外の用途では、それぞれの付加価値があるので、現状に近い料金設定でも十分やれると思う。スクールはプロコーチによるレッスンは価値があるし、大会や個人参加はマッチングをしてくれることに価値がある。

では、最も時間が長くて、付加価値が見出しにくく、"実は"売り上げに貢献していない(と思われる)面貸しをどう活用するかが、今後のフットサル施設が進化を遂げるかどうかのカギになると考える。

(つづく)

 

【本エントリの著者】
フットサルネット事務局
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