ワールドカップブラジル2008・「イタリア 対 ブラジル キタケンレポート!
Tweetセレソン・ブラジレイラvsブラズーリ
グループEの大一番、前回2位のイタリアと優勝候補ナンバーワンのブラジル。この試合はある意味でブラジルの紅白戦のようなものだ。
ブラジルはもちろん自国のトップ・オブ・トップのスターが集まっている。今大会でも彼ら以上のスター軍団はいない。だが、選び抜かれたエリート集団である"セレソン・ブラジレイラ"以外にもフットサル界はブラジル人で溢れている。スペインにはマルセロやダニエル、ロシアにはシリロやプーラ、さらには日本にも比嘉リカルドというブラジルからの帰化選手がいて、チームの貴重な戦力になっている。
グループEの大一番、前回2位のイタリアと優勝候補ナンバーワンのブラジル。この試合はある意味でブラジルの紅白戦のようなものだ。
ブラジルはもちろん自国のトップ・オブ・トップのスターが集まっている。今大会でも彼ら以上のスター軍団はいない。だが、選び抜かれたエリート集団である"セレソン・ブラジレイラ"以外にもフットサル界はブラジル人で溢れている。スペインにはマルセロやダニエル、ロシアにはシリロやプーラ、さらには日本にも比嘉リカルドというブラジルからの帰化選手がいて、チームの貴重な戦力になっている。
【ワールドカップブラジル2008・キタケン現地マッチレポート】
文・北健一郎氏(ストライカーDX)
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2008年10月12日・リオデジャネイロ(ブラジル)・2次予選
セレソン・ブラジレイラvsブラズーリ
グループEの大一番、前回2位のイタリアと優勝候補ナンバーワンのブラジル。この試合はある意味でブラジルの紅白戦のようなものだ。
ブラジルはもちろん自国のトップ・オブ・トップのスターが集まっている。今大会でも彼ら以上のスター軍団はいない。だが、選び抜かれたエリート集団である"セレソン・ブラジレイラ"以外にもフットサル界はブラジル人で溢れている。スペインにはマルセロやダニエル、ロシアにはシリロやプーラ、さらには日本にも比嘉リカルドというブラジルからの帰化選手がいて、チームの貴重な戦力になっている。
そんな中でも、イタリアのブラジル率の高さは郡を抜いている。14/14。なんと登録メンバー14人全員の前国籍が「ブラジル」なのである。イタリア代表のニックネームであるアズーリをもじって"ブラズーリ"とも呼ばれる彼らは、母国代表に異常なまでの敵対心を燃やしていた。
両チームのスタメンは、ブラジルがGKチアゴ、ガブリエル、シュマイケル、レニージオ、マルキーニョ。イタリアがGKフェレール、グラナ、ベルトーニ、フォーリャ、ノーラ。
開始34秒、右サイドのタッチライン際でフォーリャが相手に背を向けてから、クルッとターンして縦に抜こうとするがファウルでつぶされる。イタリアのエース、フォーリャは169センチと小柄だが76キロと線が太く、がっちりとした体つき。重心の低いドリブルがウリのレフティーで、ボールを持ったら果敢に仕掛けていく。
イタリアは1分35秒、カウンターからキャプテンのグラナが持ち上がりミドルシュート。フィクソながらチームトップの4ゴールを決めているグラナのシュートはスーッとホップするように伸びていく弾道が特徴的。第2PKのキッカーでもあり、今大会のイタリアの得点源になっている。
イタリアのフットサルは、2次リーグ初戦のウクライナ戦で初めてちゃんと見たが、正直にいうと退屈なものだった。攻撃はフォーリャとセコのドリブルか、グラナのミドルという単発の武器はあるものの、他の強豪国のような4人が連動したパスワークはほとんどないのである。
それでも2分、グラナが右前のフォーリャに当てて、中に落としたボールをノーラがダイレクトで左に展開しベルトーニへ。流れるようなパスワークからベルトーニが打ったシュートはGKチアゴに止めらたが、イタリアがブラジルゴールを脅かした。
すると4分、ブラジルはアリ、シソ、ビニシウス、ウィルデに4人一気に交代する。ファルカンはまだ出てこない。ブラジルのセカンドセットはハイプレスをかけて、イタリアのボール回しを封じ込め、ゲームの流れを自分たちのほうに引き寄せた。ペセ監督の中には"ハードワーク"のできる4人でリズムをつかんで、攻撃的な選手にバトンタッチするという狙いがあったのではないか。
ブラジルは8分過ぎからシュマイケル、ベットン、マルキーニョ、ファルカンと攻撃的な選手を投入して、点を取りに来た。その効果はすぐに現れる。11分、ファルカンが右からカットインシュート。これが相手に当たり、左タッチラインを割ってキックインになる。このとき、マルキーニョとシュマイケルがすれ違うときに一言二言交わしていた。ボールをセットしたマルキーニョは素早くファーポストに蹴り込む。このボールの先にはシュマイケル! ブラジルが抜け目ないプレーで先制点を挙げた。
11分、ブラジルは第2PKのチャンスを得るが、ビニシウスのシュートは弾かれて追加点のチャンスを逃す。
2点目が生まれたのは13分。GKのチアゴが左前方のウィルデの足元にボールをつけると、ウィルデはダイレクトで右隣のレニージオに落とす。レニージオは左足シュートのモーションからウィルデへリターン。これをまたウィルデがレニージオに出して、レニージオが完全にフリーの状態で決めた。
17分、ファルカンがゴール中央で2人の間をヒールリフトで抜きにいく。これがファウルを誘って前半2本目の第2PK。場内大喝采。キッカーはファウルをもらったファルカンではなく今度はアリ。しかし、これも止められて2本連続で失敗。
18分のことだった。ファルカンが左サイドで対面したフォルテに足裏でボールをさらす(神戸のブルノがよくやるプレー)。フォルテは飛び込まずじっと見ていたが、母国で侮辱的なプレーをされて気持ちがいいはずがない。2-0で前半が終了して、両チームがロッカールームに引き上げようというところで事件が起こった。
フォルテがブラジルのコーチ、マルコスと言い合いになって突き飛ばすと、これに応戦する形でベットンがフォルテに"のど輪"。ロッカーにつながる通路では両軍と警備員が入り乱れてもみくちゃになった。ブラジル人同士で強烈な敵対心があるところに、ファルカンの挑発プレーが火をつけたのだろう。
後半開始のピッチにはブラジルもイタリアもGK合わせて4人ずつしかいない。ベンチからはブラジルのベットン、イタリアのフォルテの姿が消えている。ピッチに8人しかいないという奇妙な状況で後半が始まった。そして2分後に両チームが補充して5人に戻った。
※試合後にルールを確認したところ、この場合はどちらかにゴールが決まっても補充はできず、2分間は4人のままでプレーするそうです。
後半、ブラジルは前半の1点目と同じようにファルカンのシュートのこぼれ球を、アリが押し込んで3点目をゲット。イタリアはフォーリャとセコを同時起用するなど攻撃的なセットにシフトするなど反撃を試みたが、決定打を繰り出すことはできず、3-0のままタイムアップ。
試合終盤にはブラジルのパス回しに「オーレ!」の合いの手がかかり、ファルカンのショータイムもあるなど、ブラジルB代表とも呼ばれるイタリアに、"本家"が順当に勝利したといえるゲームになった。
これでブラジルは1次リーグから4試合連続無失点(ゴールを決めたのは今のところ日本の小曽戸允哉だけ!)。特にGKチアゴの働きは神懸かり的ともいえるもの。173センチと上背はないが、相手の攻撃を先読みしたポジショニングでカバー。日本戦のGKはフランクリンだったので、チアゴは今のところ一度もゴールを割られていない。攻撃陣ばかりが目立つが、チアゴの働きこそがブラジルの堅守を支えている。
2連勝したブラジルは次はウクライナとのゲームのため、3連勝で1位突破を確実にした。イタリアはこの後の試合でウクライナに競り勝ったイランと、2位の座をかけて激突することになる。
文・北健一郎氏(ストライカーDX)
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2008年10月12日・リオデジャネイロ(ブラジル)・2次予選
![]() イタリア代表 |
0-2 0-1 |
![]() ブラジル代表 | ||
| 0-3 |
セレソン・ブラジレイラvsブラズーリ
グループEの大一番、前回2位のイタリアと優勝候補ナンバーワンのブラジル。この試合はある意味でブラジルの紅白戦のようなものだ。
ブラジルはもちろん自国のトップ・オブ・トップのスターが集まっている。今大会でも彼ら以上のスター軍団はいない。だが、選び抜かれたエリート集団である"セレソン・ブラジレイラ"以外にもフットサル界はブラジル人で溢れている。スペインにはマルセロやダニエル、ロシアにはシリロやプーラ、さらには日本にも比嘉リカルドというブラジルからの帰化選手がいて、チームの貴重な戦力になっている。
そんな中でも、イタリアのブラジル率の高さは郡を抜いている。14/14。なんと登録メンバー14人全員の前国籍が「ブラジル」なのである。イタリア代表のニックネームであるアズーリをもじって"ブラズーリ"とも呼ばれる彼らは、母国代表に異常なまでの敵対心を燃やしていた。
両チームのスタメンは、ブラジルがGKチアゴ、ガブリエル、シュマイケル、レニージオ、マルキーニョ。イタリアがGKフェレール、グラナ、ベルトーニ、フォーリャ、ノーラ。
開始34秒、右サイドのタッチライン際でフォーリャが相手に背を向けてから、クルッとターンして縦に抜こうとするがファウルでつぶされる。イタリアのエース、フォーリャは169センチと小柄だが76キロと線が太く、がっちりとした体つき。重心の低いドリブルがウリのレフティーで、ボールを持ったら果敢に仕掛けていく。
イタリアは1分35秒、カウンターからキャプテンのグラナが持ち上がりミドルシュート。フィクソながらチームトップの4ゴールを決めているグラナのシュートはスーッとホップするように伸びていく弾道が特徴的。第2PKのキッカーでもあり、今大会のイタリアの得点源になっている。
イタリアのフットサルは、2次リーグ初戦のウクライナ戦で初めてちゃんと見たが、正直にいうと退屈なものだった。攻撃はフォーリャとセコのドリブルか、グラナのミドルという単発の武器はあるものの、他の強豪国のような4人が連動したパスワークはほとんどないのである。
それでも2分、グラナが右前のフォーリャに当てて、中に落としたボールをノーラがダイレクトで左に展開しベルトーニへ。流れるようなパスワークからベルトーニが打ったシュートはGKチアゴに止めらたが、イタリアがブラジルゴールを脅かした。
すると4分、ブラジルはアリ、シソ、ビニシウス、ウィルデに4人一気に交代する。ファルカンはまだ出てこない。ブラジルのセカンドセットはハイプレスをかけて、イタリアのボール回しを封じ込め、ゲームの流れを自分たちのほうに引き寄せた。ペセ監督の中には"ハードワーク"のできる4人でリズムをつかんで、攻撃的な選手にバトンタッチするという狙いがあったのではないか。
ブラジルは8分過ぎからシュマイケル、ベットン、マルキーニョ、ファルカンと攻撃的な選手を投入して、点を取りに来た。その効果はすぐに現れる。11分、ファルカンが右からカットインシュート。これが相手に当たり、左タッチラインを割ってキックインになる。このとき、マルキーニョとシュマイケルがすれ違うときに一言二言交わしていた。ボールをセットしたマルキーニョは素早くファーポストに蹴り込む。このボールの先にはシュマイケル! ブラジルが抜け目ないプレーで先制点を挙げた。
11分、ブラジルは第2PKのチャンスを得るが、ビニシウスのシュートは弾かれて追加点のチャンスを逃す。
2点目が生まれたのは13分。GKのチアゴが左前方のウィルデの足元にボールをつけると、ウィルデはダイレクトで右隣のレニージオに落とす。レニージオは左足シュートのモーションからウィルデへリターン。これをまたウィルデがレニージオに出して、レニージオが完全にフリーの状態で決めた。
17分、ファルカンがゴール中央で2人の間をヒールリフトで抜きにいく。これがファウルを誘って前半2本目の第2PK。場内大喝采。キッカーはファウルをもらったファルカンではなく今度はアリ。しかし、これも止められて2本連続で失敗。
18分のことだった。ファルカンが左サイドで対面したフォルテに足裏でボールをさらす(神戸のブルノがよくやるプレー)。フォルテは飛び込まずじっと見ていたが、母国で侮辱的なプレーをされて気持ちがいいはずがない。2-0で前半が終了して、両チームがロッカールームに引き上げようというところで事件が起こった。
フォルテがブラジルのコーチ、マルコスと言い合いになって突き飛ばすと、これに応戦する形でベットンがフォルテに"のど輪"。ロッカーにつながる通路では両軍と警備員が入り乱れてもみくちゃになった。ブラジル人同士で強烈な敵対心があるところに、ファルカンの挑発プレーが火をつけたのだろう。
後半開始のピッチにはブラジルもイタリアもGK合わせて4人ずつしかいない。ベンチからはブラジルのベットン、イタリアのフォルテの姿が消えている。ピッチに8人しかいないという奇妙な状況で後半が始まった。そして2分後に両チームが補充して5人に戻った。
※試合後にルールを確認したところ、この場合はどちらかにゴールが決まっても補充はできず、2分間は4人のままでプレーするそうです。
後半、ブラジルは前半の1点目と同じようにファルカンのシュートのこぼれ球を、アリが押し込んで3点目をゲット。イタリアはフォーリャとセコを同時起用するなど攻撃的なセットにシフトするなど反撃を試みたが、決定打を繰り出すことはできず、3-0のままタイムアップ。
試合終盤にはブラジルのパス回しに「オーレ!」の合いの手がかかり、ファルカンのショータイムもあるなど、ブラジルB代表とも呼ばれるイタリアに、"本家"が順当に勝利したといえるゲームになった。
これでブラジルは1次リーグから4試合連続無失点(ゴールを決めたのは今のところ日本の小曽戸允哉だけ!)。特にGKチアゴの働きは神懸かり的ともいえるもの。173センチと上背はないが、相手の攻撃を先読みしたポジショニングでカバー。日本戦のGKはフランクリンだったので、チアゴは今のところ一度もゴールを割られていない。攻撃陣ばかりが目立つが、チアゴの働きこそがブラジルの堅守を支えている。
2連勝したブラジルは次はウクライナとのゲームのため、3連勝で1位突破を確実にした。イタリアはこの後の試合でウクライナに競り勝ったイランと、2位の座をかけて激突することになる。






北健一郎



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