【第21節:2月16日(土)開催 (代々木第一体育館)】
<デウソン神戸 vs ペスカドーラ町田>
(文:FUTSALNET Y)
| デウソン神戸 |
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0-0 |
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ペスカドーラ町田 |
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3-3 |
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3-3 |
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3位を争う"想定外"の2チーム
町田はプレシーズンマッチで調子が上がらなかった。しかしそのことをどこか本気では心配していなかった。バイアーノ監督がチームに合流したのは開幕直前。今思えば21節の長丁場を乗り切る準備期間としてはあまりにも遅すぎる始動だったといわざるを得ない。
神戸は、Fリーグが開幕したことで一躍注目の的となった。Fリーグ初年度に、フットサル界に最も多く新しいタレントを輩出したのは神戸だと言っていい。町田とは全く異なる角度から「フットボールの面白さ」を見せてくれた。
開幕前、この両チームが3位を争うとは全く予想できなかった。しかも状況は神戸有利。引き分けても神戸の3位が確定する状況なのだ。
今シーズンのこれまでの2チームの2回の対戦は、いずれも1点差で神戸の勝利。戦前に考えていた状況と間逆になっていた。得失点差で+8勝る町田は、勝てば3位が手中におさまる。
戦前に想定していたのとは全く異なる状況で、「銅メダル」を争う試合のホイッスルは鳴った。
町田はGKに石渡、FPにジャッピーニャ、金山、狩野、滝田がスターター。神戸はGKに村山、FPに原田、フランキ、ブルノ、伊藤。
前半、ボールを支配するのは町田。短いパスを神戸陣内で回す。「執拗」と言ってもいいほどパスを回し、スペースの無い場所を切り崩しにかかる。横江が時折放つミドル以外、町田はゴール前までボールを運ぶことに腐心する。
神戸は、ボールを奪っても町田の前からの早いチェックにボールを確保することがままならない。序盤の町田は、闘志を前面に出してプレスをかけ、神戸ゴールに襲い掛かった。
しかし前半3分、神戸陣内でのパス回しの中で、金山がブルノにボールを奪われる。ブルノは町田ゴールに高速ドリブルで突進。GKの石渡をもかわすが、放った丁寧なシュートはなんと無人のゴールからはずれてしまう。倒れこむブルノ。
町田は、前半8分に右サイドに出た長いボールに狩野が走りこみ、そのままシュート。ボールは左にはずれるが、打った狩野はそのままピッチ外の看板に激突。看板は見事に真っ二つに割れてしまった。
神戸にボールが渡ると、町田は激しく前からチェック。やや緩慢に見える神戸のパス回しをことごとくつぶしにかかる。
9分には積極的な前からのプレスで甲斐がボールを奪うと、そのボールを横江がシュートするがこれを神戸GK村山がセーブ。
12分にも甲斐を起点にして右サイドの横江に繋ぎファーに放ったシュート性のパスに金山が突っ込むが、これを神戸ゴール前になだれこんだDF陣が必死に守る。
神戸はキックインからのシュート以外に好機がなく、一方の町田も攻めながらも得点に至らず、足元へのパス回しが多いこともあって、ボディコンタクトが増えていく。
終盤は両チームともにボールが足元に収まらず、集中力も欠き、時計が進まない。前半が終了したのは試合が開始してから48分後だった。長い長い前半は0-0のスコアレスで終わった。
後半、町田は明らかに疲れが見える。じょじょに攻めの形を作れるようになった神戸は後半2分、ブルノ、原田が作った形から中央のフランキがシュートを放つが、バーのはるか上。
そして先制点は、あっけなく決まる。神戸は前半からキックインからのシュートを繰り返していたが、それが実った。後半3分に右サイドのフランキのキックインに町田の選手が触ってコースが変わり、ラッキー先制点をものにする。
町田は勝たなければ3位がない。俄然不利な状況となった。
「点を取られた後にメンタル的にもチームのバランスが崩れてしまった」と試合後にバイアーノ監督が語ったように、前半の闘志あふれる町田のプレスはなりを潜め、ルーズボールをお見合いするようなシーンも見られるようになってくる。
そして後半7分、神戸のロングフィードに対して町田のGK石渡がゴールエリアを飛び出してヘディングでクリアする。しかしセカンドボールを拾ったのは神戸の岸田。石渡もはずされて2点目を神戸が奪う。
「我々の失点は、自分たちのボールを持っているときのミスから生まれている。それは疲労で集中力を失ってしまうことからくる。」とバイアーノ監督が語るように、今シーズンの典型的な失点のシーンだった。
一方の神戸は、耐える時間帯をうまくカウンターフットサルで切り抜け、後半の自分たちの時間帯で一気に2得点することに成功する。
特に神戸の山本の活躍は、特筆すべき点だと思う。相手のピヴォをマークすることの多い選手だが、フットサルに大切なオールマイティーなプレーが出来る選手だ。
この日の3点目もそうした良さが生かせたことから生まれる。
神戸は、前半同様に自陣に攻め込まれていた。ぐいぐい押し込んでくる町田に防戦一方になるかと思いきや、最終ラインの山本は、相手ボールをクリアするようにいきなり町田ゴールへ向けて鋭いシュートを放ったのだ。
これをGK石渡がはじく。一瞬にして攻守が逆転した。
後半8分、これで得たコーナーキックは、ふわりと逆サイドの岸田へ渡ると、ダイレクトでボレーシュートを放つ。こぼれ球を定野が押し込んで3点目。
攻めながら点を取れない町田が、ここから4得点をすることは到底考えられない状況になってしまう。
しかし、ピッチ上の「空気」というのは、個々の選手たちの胸の中にあるメンタルが凝縮されて作られる。第16節の大阪戦。神戸は、4-0でリードした状況から、大阪のパワープレーに押し込まれて5連続失点を喫する。最後の1秒で奇跡的に同点に追いつくが、大量リード時のチームコントロールには課題が残った。
そして、この試合の最大のキーマンとなる町田の宮田がピッチに現れたのは、後半も中盤にさしかかる時間帯だった。
後半11分、宮田は神戸陣内で短いパス回しで形を作った状況から中央でボールを受け、ミドルを叩き込む。
その直後の12分、またも宮田が今度はトーキックでミドルを叩き込みさらに1点を加えた。
「宮田が入るまでは、深い位置まで攻め込んでからシュートを打っていたが、宮田が入ってシュートレンジが広がった。これが大きかった。」とバイアーノ監督はその時の状況を振り返る。
2-3の1点差。あれだけ攻めあぐねていた町田だったが、ミドル2発であっけなく神戸に詰め寄る。あれだけ、自陣でパスを回される時間が続いた後だけに、宮田のミドルは効果的だった。
そして残り時間も少ない後半18分、相手ボールをカットして得たボールをハーフライン近辺左サイドから横江が中央にドリブルして右足を振り抜き、右サイドネットに突き刺して同点とした。
その後から、狩野がGKとなってパワープレーで猛攻を仕掛けるが、得点に至らず。神戸は最後の最後の淵で逆転を許さなかった。
試合後、神戸の鈴木監督は、「チームとしてのバランスには問題はなかった。球際のプレッシャー、これは個人の問題だが、マークについてる選手がもう少し間合いをつめてボールに対してプレッシャーをかけていれば防げたと思う。」と語った。
神戸というチームらしいコメントともとれるが、こうした試合の流れを選手が察知して試合を運べるようになると、神戸はもっと怖いチームになるだろう。
一方の町田は、後半の立ち上がりの時間帯で、明らかにパフォーマンスが落ちた。来シーズンへの課題として「フィジカルを上げることが必要だ。一人一人がコンディションをシーズン前から上げていくことをしていきたい。」とバイアーノ監督は語ったように、1試合の中での集中力、パフォーマンスのムラを克服しないと、いい時間帯の良さが一瞬にして吹き飛ぶ。
初めての長く過酷なシーズンを終えて、良さも課題も浮き彫りになった。
両チームの来シーズンが楽しみだ。
バイアーノ監督(町田)
今日は難しい試合になることはわかっていた。先制を許すまでは町田ペースでできていたが、点を取られた後にメンタル的にもチームのバランスが崩れてしまって点をとられてしまった。
その後宮田選手を入れたことでまたチームが息を吹き返したが、最後のところで点をとれそうでとれなかった。クオリティを欠いてしまった。
前回対戦時よりだいぶフィジカルに取り組んできているので、上がってきているとは思う。
来季へ向けてもフィジカルを上げることが必要だ。一人一人がコンディションをシーズン前から上げていくことをしていきたい。フィジカルベースを上げることが来シーズンへむけての課題になると考えている。
狩野新選手(町田)
楽なゲームはひとつもなかった。全てが決勝のつもりで戦わないと勝てないことを実感するシーズンだったので、バイアーノ監督が来て、凄いいい方向に向かっていると思うので、来シーズンはもっともっと反省点を生かして戦って優勝を目標にしていきたい。
4位になったからといって下を向く必要はないと思う。顔を上げて来シーズンへ向けて頑張っていきたいと思う。
鈴木監督(神戸)
欲を言えば勝ちたかったが、目標としている3位を確保できたので、よかったと思う。
0-3から同点にされたが、チームとしてのバランスは問題はなかった。球際のプレッシャー、これは個人の問題だが、マークについてる選手がもう少し間合いをつめてボールに対してプレッシャーをかけていれば防げたと思う。
伊藤雅範選手(神戸)
3位という結果について、このチームは歴史の無いチームなので、誇れる結果だと思う。自分は関東から関西に移ったが、関東の方がレベルが高いと言われる状況の中で、関東のチームに勝ちたいという気持ちが強くあったので、最初から掲げていた3位を勝ち取れたのは個人的にも誇りに思える。