<名古屋オーシャンズ vs バルドラール浦安>
(文:菊地芳樹)
| 名古屋オーシャンズ | 2-1 | バルドラール浦安 | ||
| 2-0 | ||||
| 4-1 |
見ているみんなが思わず前のめりになる感じの、魅力的な攻防だった。このカードを3戦とも見たが、Fリーグを引っ張るこの2チームの対戦は、間違いなく日本フットサル新時代のナショナルダービーだ。何よりも各プレーのスピードが他の試合とは全然違う、さらにそんなスピーディーな展開なのに、各選手のミスが少ないのがゲームを引き締めているのだ。
リーグはこの日から対戦3順目。勝点2差で迎えたこの首位攻防は、まさに天王山だった。11月17日に、名古屋ホームで行われた2回目の対戦では、浦安のシト リベラ監督が、実にさまざまな策を講じながら名古屋を揺さぶろうとする、積極的な姿が印象的だった。いつもはどっしり構えている感じのシト リベラが、名古屋相手には動く。その動き方が、この対戦の一つの見どころでもある。
今日はいつもの前線からのプレスディフェンスから、自陣に引いて守るやり方に変えてきていた。しかもスターターはGK川原永光にFPは平塚雅史、清水誠、岩本昌樹、高橋健介という、普段はセカンドセットで出てくる選手たち。「相手にシュートを打たせず、カバーリングの多いディフェンスを心がける」(シト リベラ監督)狙いに加え、この後に出てきたファーストセットで(名古屋はセカンドセットになる)、ゴールを奪う狙いもあったのではないだろうか。
そのとおり名古屋は何度かゴール前でのシーンを作るものの、浦安が守って決定機は作らせずに試合が進んだ。そして、浦安が7分に先制ゴールを決めたので感心させられた。稲葉洸太郎が右サイドで藤井健太とのワンツーで突破し、ゴール前へ速いクロスを送った。これをファーサイドで市原誉昭が突っ込んだものだ。勢いに乗る浦安は、その後稲葉のドリブル突破や、FKのシーンなどのチャンスがあり、リズムをつかんだ。
しかし、名古屋のほうもGK定永久男が安定したプレーで追加点を許さず、自分たちのほうへリズムを取り戻す活躍。「立ち上がりに失点して苦しかったが、選手たちが落ち着いて対応してくれた」(館山マリオ監督)。15分、右サイドを突破したマルキーニョスが左へパス。これを受けたボラが右足でトーキックシュートを決めて同点とした。名古屋は前半終了間際の19分にも、左CKのチャンス。ここでマリオ監督はタイムアウトを取って入念な打ち合わせをしたが、再開後にこのCKから完山徹一が決めて逆転。マリオ監督もさすがの采配をみせて、ハーフタイムとなった。
名古屋は昨日同様、後半の立ち上がりにゴールを決めて、主導権をぐっと引き寄せた。ピッチ左奥で縦パスを受けた森岡薫が、右上に豪快にシュートを突き刺した。「21までは予想したプラン内の展開」(シト リベラ監督)だったという浦安だが、この失点はかなり響いたのではないだろうか。
浦安はその後名古屋ゴールを襲い続けた。22分に稲田が振り向きシュート。23分に市原のポストプレーから藤井のシュート、同じ23分にはゴール前至近距離のFKから稲田がシュートと畳み掛けたのだが、ゴールが決まらない。というのも、何か名古屋が堅い守備でリズムを作って、浦安が攻めさせられているような感じにもなってきていた。浦安が残り8分からは岩本昌樹をGKにしてのパワープレーに入ったのは、そうした状況を打開したいからでもあるのだろう。
だが、そのパワープレーでもなかなか決定的なチャンスは作れなかった。パス回しは非常に正確で丁寧でうまさを感じる。が、手数を掛けて回している間に名古屋が追いつき、最後は体を張ったブロックに阻まれるパターンが繰り返された。「高い確率でシュートまで持っていけた」(シト リベラ監督)というのだが、もう少しダイレクトパスを入れるとか、ミドルシュートで敵を脅かす手段があってもいいのかなと思う。
こうなってくると勝利を目の前にした名古屋の気持ちがより充実してくる感じになり、33分、自陣右サイドのリバウンドを拾った上澤貴憲が、超正確にロングシュートを無人のゴールへ送り込み、41として試合を終了した。名古屋はこれで浦安との勝点差を5に広げた。
「まだ試合がある」と前置きしたうえで、北原は「優勝を向けて大きな前進をしたのは間違いない」とコメント。非常に大きな勝利を得て充実の様子だった。


勝って優勝戦線上へ!湘南
首位を守り続けるか浦安
湘南ゴールに押し込んで喜ぶ中島
小宮山が3-0と突き放す


