第12回全日本選手権全国大会・決勝ラウンド・決勝戦 大洋薬品/BANFF vs 府中アスレティックFC

PUMA CUP 2007 / 第12回全日本フットサル選手権大会全国大会・5日目決勝戦レポート
   <レポート/写真>北 健一郎

決勝 2/4 駒沢体育館
大洋薬品/BANFF
(東海1・愛知)
3 1-0 1
2-1
府中アスレティックFC
(関東2・東京)


1年に1度。「全日本の決勝」はやはり特別なものがある。特に今年はFリーグ開幕前ということで、いつにも増して注目度が高い。準決勝、決勝の取材申請者数は100名を越えたとのこと。1時間以上前から駒沢体育館には11時の開場を待つ長蛇の列。もうすぐ、今年のフットサル日本一が決まる。

決勝まで勝ちあがっていく過程の中で、今大会が大洋薬品の「1強」であることは明らかだった。その"対抗馬"として府中を推す声は多かったように思う。府中には前田喜史、小山剛史、完山徹一、鈴木隆二など、強さと技術を兼ね備える、もっと言うと大洋薬品が欲しがりそうな選手が多い。それゆえに府中ならば大洋薬品とも対等に近く渡りあえるのではないかと。

試合前のミーティングで「『先制点を取りに行こう』とミーティングで話していた」(完山)という府中。だが5分、その目論見は山田ラファエルの暴力的な1発によって覆されることに。右CK。右サイドタッチライン際でスタンバイしているラファエルが、北原亘からのパスをワントラップ→ズドン! 鉄砲玉のようなスピードのボールは完山、そしてGK石渡良太の手を弾き飛ばしてゴールイン。

決勝の大洋薬品には累積警告のため、11得点で大会トップスコアラーのマルキーニョスがいない。チームメートの北原が「アイツを止められる日本人のフィクソはほとんどいないと思う」というように、ボールを相手の届かない位置に置くキープ力、敵にピッタリくっつかれていても振り向く反転力、そして左足の強烈かつ正確なシュート力と攻撃スキルの塊(かたまり)のようなマルキーニョス。彼の不在は府中の勝率を大げさではなく10%ぐらい上げたはず。

必然的に大洋薬品のピボは森岡薫1人になるのだが、前半は左サイドのアラの位置で仕掛けてシュートというのが何本かあったのみ。とはいえ、前半6本のシュートを放った府中にしても「打たされている」ミドルがほとんどで、ゴールの予感は薄い。それでも府中が肉体的な接触で当たり負けする場面はほとんどなかったといっていい。森岡がアラでの仕掛けが目立ったのには、前田のマークがタイトだったというのもあるだろう。前半は1-0、大洋薬品がリードしたまま折り返す。

後半6分、右サイドから宮田義人がドリブルでかわして左足シュート。これは豊島が頭でクリアしたが、大会期間中にグングン調子を上げてきている宮田は攻撃のキーマンの1人。だが、このプレーのすぐ後、ピッチ中央で上澤にボールをさらわれた宮田は、ドリブルで独走する上澤を追い掛けると、上澤の決定的なシュートをハンドで止めてしまう。PKをとられるだけでなく、宮田はレッドカードで退場。府中は13分20秒からの2分間、もしくはゴールを取られるまで、FP3人でプレーすることになった。

退場後の最初のピンチとなる森岡のPKは、GK石渡が読み良くストップ。すると府中はマイボールになれば数的不利でもキープではなく、ゴールを狙っていく。「『守れ』っていう指示だったと思うけど、0-2にされたらかなりキツイ。隆二とチャンスがあったら攻めようと言っていた」と前田。そしてこの男が全日本選手権の歴史に残るスーパーゴールを決める。

27分、左CK付近で鈴木がファウルをゲット。タッチラインより少し手前の位置。シュートの角度はほとんどない。ファーサイドのコースを消す壁が2枚。GK定永久男は定石どおりニアを切っている。ゴール前には鈴木が1人だけ、マークは2枚ついている。「一瞬、(コースが)ほんのちょっとだけ見えたんです。だから隆二に『動け』って言って」。ピーッ。鈴木が激しく動き出す。GKの定永がそれに気を取られた瞬間――。駒沢体育館にいる人間を1人残らず欺いた、前田のボール1個分のコースを通す"直接FK"が決まった。

駒沢体育館が揺れた、らしい。だが、僕は揺れたかどうか覚えていない。僕自身も思わず「ウォー」と思わず身を乗り出して叫んでしまったからである。前田は一旦ベンチ方向に走り出したが踵(きびす)を返すと、バックスタンド左側にいる府中応援団に左胸のエンブレムを握り締めて「オレは府中だ!」とやってみせた。この瞬間、府中は観客席にいるどちらのファンでもない"浮遊層"までも味方につけた。

しかし、府中はあと28秒でFPを補充できるというところで、大洋薬品に勝ち越し点を決められてしまう。シュートを打とうとする北原の足元に滝田、鈴木の2人が飛び込むが、北原は落ち着いて前方のボラにパス。フリーのボラがダイレクトで柔らかく浮かせたボールはゴールネットへ。「あぁー......」というため息が駒沢体育館を包む。

30分にはエース森岡が決定的な3点目をゲット。ボラのクサビのパスを受けて強引に前を向くと、右足のシュートフェイントで目の前の2人を引っ掛けて、足裏で右から左に転がして左足シュート。森岡は「かなりゴリゴリ感がありましたけど」と笑うが、誰もがこのワンプレーに「プロ」を感じさせられたのではないだろうか。

2点差の府中は前田をGKにして、完山などが次々にシュートを打ち込んでいく。最終的に後半の府中のシュート数は23本にまで上ったものの、パワープレー中のシュートは大洋薬品のGK定永にことごとく弾き出されてゴールならず。そして、大洋薬品が3-1で「日本一」のタイトルを手にした。

「日本唯一のプロチーム」として大洋薬品の選手たちが優勝の瞬間に感じたのは、「歓喜」よりも「安堵感」だったという。何が何でも日本一のタイトルを。周囲からのプレッシャーが半端ではなかったことも想像できる。昨年4月に発足したばかりのチームだが、彼らがフットサルに費やしてきた時間は他のチームの2、3年分にもなるだろう。これからFリーグ参加チームの補強が加速化すると思われるが、大洋薬品の準備は現時点で1歩も2歩も先を行っている。「日本フットサルのチェルシー」は結成当時からの目標である東海リーグ、地域CLとの3冠を、Fリーグ初年度王者を、そして世界で戦えるチームを貪欲に追い求めていく。


 

第12回全日本選手権全国大会・決勝ラウンド・3位決定戦 MAG'S FUTSAL CLUB vs FIRE FOX

PUMA CUP 2007 / 第12回全日本フットサル選手権大会全国大会・5日目3位決定戦レポート
   <レポート/写真>北 健一郎

3位決定戦 2/4 駒沢体育館
MAG'S FUTSAL CLUB
(関西1・大阪)
3 1-3 4
2-1
FIRE FOX
(関東4・東京)


ファイルとマグの「プーマ対決」となったプーマカップの3位決定戦だが、この試合にはもう1つの意味があった。それはファイルのキャプテン、板谷竹生にとって「最後の全日本」になるということ。「地域CLはやります」という板谷だが、"引退後"は本格的に料理関係の仕事に就くのだという。今年29才になる。今シーズンが始まる前に決意していたそうだ。

全日本選手権は来年度より出場枠が32チームに拡大され、Fリーグの8チームは全日本選手権には本大会からの出場になる予定だという。Fリーグ開幕の前後ではフットサル界は大きく変化する。選手の移籍は活発化するだろうし、一流外国籍選手の来日もあるかもしれない。今年2007年が選手にとっても1つの分岐点になるのは間違いない。

元日本代表の実力者である板谷が、もしも、Fリーグへの移籍希望を表明すれば、獲得に名乗りを挙げるチームはあるだろう。だが、それがプロなのか、アマチュアのままなのかはわからない。フットサル選手である前に1人の人間として、フットサルと仕事を天秤に掛けるのは当然で、彼は仕事を選んだだけのこと。だが、今大会、特に3位決定戦の獅子奮迅のパフォーマンスを見たものとしては、どうしても「もったいない」と思ってしまうのだが......。

3位決定戦は昨日の府中-マグのリプレーかのように、ファイルが3分、9分、11分と3点をパンパンパンと決めた。とにかく攻守に板谷の動きの良さが目立つ。彼の気迫が3位決定戦という、白けがちなゲームに熱を帯びさせていく。3分、遠藤晃夫のスローイングをゴール前でトラップした佐藤嘉孝が反転シュート。

その後もマグの不用意な仕掛け、パスミスからファイルがカウンターを仕掛ける。マグにも何本か良いシュートがあったが決められないのも昨日と同じ。9分のゴールはカウンターから中村上哲哉→右板谷→中村上というワンツーで決めたもの。2分後にも、カウンターで稲葉のパスが板谷へ。板谷はGKとの1対1を冷静に流し込んで3-0。

たまらずマグはタイムアウトを申請する。「ミスしてはいけないところでミスが出て、ファイルにカウンターでやられた」(岸本)マグだが、真面目にコツコツとプレーして、1点ずつ追い上げられるのは彼らの強みですらある。18分、シュート性のCKを遠藤が弾いたところを山本信吾が詰めて1-3として前半終了。

後半は完全にマグのゲームに。岸本が「あまり出てない若手を使った。『やってやる』というのは感じられた」というように、準決勝まで出場時間の短かった瀬戸彬仁、高松大輔がチームを活気付けた。27分、右サイドのスペースに瀬戸が飛び出してクロス。これを鈴木磨人が合わせて1点差。28分、鈴木がファイルゴールを背にする山本にパスをつけると、山本は左側へ大きく持ち出して2人を一気に外してシュート、マグがまたしても3点差を追い付く。

だが、この日もマグはリードすることは出来なかった。34分、吉成圭との「パラレラ」で右サイドに抜けた板谷がシュート。GKが弾いたところを北智之が押し込み勝ち越した。最後はファイルがマグの高精度のパワープレーをシャットダウンして、4-3で勝利した。

ファイルはこの3位決定戦を前にして、キャプテンの板谷を中心に「選手・スタッフだけでフットサルをやってるわけじゃない。お金を払って、わざわざ遠くから観に来てくれる人もいる。そういう感謝の気持ちをぶつけよう」と何度も何度も確認しあったのだという。そんな感謝の気持ちがファイルを3位に導いたのではないだろうか。

「3決だからって手を抜いたりして、せっかく観に来てくれる人たちをガッカリさせたくない」

アマチュアチームのアマチュア選手にも関わらず、誰よりもチームを支えてくれるファンを意識していたファイルの背番号10。先日の関東リーグ優勝後はピッチからスタンドへ感謝の気持ちを述べていたのも印象深い。そして、3月の地域CLを最後に、あのプレー、あの雄たけび、あのガッツポーズが見れないと思うと、あまりにも寂しい気持ちになってしまう。

「イタヤ、イタヤ、イ・タ・ヤ!」

サポーターはそれ以上に彼の引退を惜しんでいるのだろう。ファイル応援団からは彼が引き上げるまで何度も何度も彼の名前がコールされた。

第12回全日本選手権全国大会特設ページ

PUMA CUP 2007 / 第12回全日本フットサル選手権大会全国大会情報

2月4日に3位決定戦、決勝戦が行われ、大洋薬品/BANFFが初優勝を決めた!

最終日を終えて全ての結果は以下のとおりとなった。



<グループA>

A1 A2 A3 A4 勝点
2 A1 神戸大学フットサル部FORCA (大学西日本・兵庫) 0-3
×
3-2
2-2
4 5 7 -2
1 A2 大洋薬品/BANFF
(東海1・愛知)
3-0
8-3
3-2
9 14 5 +9
3 A3 JOY FC
(関西2・滋賀)
2-3
×
3-8
×
6-5
3 11 16 -5
4 A4 GINZA de FUTSAL BOTSWANA FC MEGURO(関東3・東京) 2-2
2-3
×
5-6
×
1 9 11 -2

 

<グループB>

B1 B2 B3 B4 勝点
1 B1 FIRE FOX
(関東4・東京)
5-0
2-1
1-2
×
6 8 3 +5
4 B2 ESPERANCA
(九州1・大分)
0-5
×
0-1
×
1-4
×
0 1 10 -9
3 B3 D.C Asahikawa F.C.
(北海道1)
1-2
×
1-0
3-1
6 5 3 +2
2 B4 DEAR BOYS
(東北1・宮城)
2-1
4-1
1-3
×
6 7 5 +2

 

<グループC>

C1 C2 C3 C4 勝点
1 C1 Praia Grande
(東海2・静岡)
1-1
1-0
6-2
7 8 3 +5
3 C2 大原学園JaSRAフットサルクラブ
(北信越・長野)
1-1
4-6
×
9-1
4 14 8 +6
2 C3 PREDATOR URAYASU FUTSAL CLUB
(関東1・千葉)
0-1
×
6-4
4-3
6 10 8 +2
4 C4 レキオスFC
(九州2・沖縄)
2-6
×
1-9
×
3-4
×
0 6 19 -13

 

<グループD>

D1 D2 D3 D4 勝点
3 D1 Junjies
(中国・山口)
1-5
×
2-6
×
2-0
3 5 11 -6
2 D2 府中アスレティックFC
(関東2・東京)
5-1
1-1
6-3
7 12 5 +7
1 D3 MAG'S FC
(関西1・大阪)
6-2
1-1
6-1
7 13 4 +9
4 D4 明治大学体育会サッカー部(大学東日本・東京) 0-2
×
3-6
×
1-6
×
0 4 14 -10

 

<グループE>

D1 E2 E3 E4 勝点
3 E1 STANDARD7
(四国・徳島)
2-2
4-4
3-6
×
2 9 12 -3
2 E2 YAMANOYA CASA DA SOGRA FUTSAL
(施設連盟・東京)
2-2
7-3
0-0
5 9 5 +4
4 E3 AMV FUTSAL
(東北2・岩手)
4-4
3-7
×
2-5
×
1 9 16 -7
1 E4 arusa
(北海道2)
6-3
0-0
5-2
7 11 5 +6



1月26日(金)・予選リーグ1日目<舞洲アリーナ>
Aピッチ Bピッチ
10:00 神戸大学フットサル部FORCA 0-3 大洋薬品/BANFF Praia Grande 1-1 大原学園JaSRAフットサルクラブ
11:15 JOY FC 6-5 BOTSWANA PREDATOR URAYASU 4-3 レキオスFC
12:30 FIRE FOX 5-0 ESPERANCA Junjies 1-5 府中アスレティックFC
13:45 D.C Asahikawa F.C. 3-1 DEAR BOYS MAG'S FC 6-1 明治大学
15:00 大洋薬品/BANFF 8-3 JOY FC STANDARD7 2-2 YAMANOYA
16:15 神戸大学フットサル部FORCA2-2BOTSWANA AMV FUTSAL2-5arusa
17:30 ESPERANCA0-1D.C Asahikawa F.C. 大原学園JaSRAフットサルクラブ4-6PREDATOR URAYASU
18:45 FIRE FOX 1-2 DEAR BOYS Praia Grande 6-2 レキオスFC

1月27日(土)・予選リーグ2日目<舞洲アリーナ>
Aピッチ Bピッチ
10:00 府中アスレティックFC 1-1 MAG'S FC YAMANOYA 7-3 AMV FUTSAL
11:15 Junjies 2-0 明治大学 STANDARD7 3-6 arusa
12:30 神戸大学フットサル部FORCA 3-2 JOY FC 大洋薬品/BANFF 3-2 BOTSWANA
13:45 FIRE FOX 2?1 D.C Asahikawa F.C. ESPERANCA 1-4 DEAR BOYS
15:00 Praia Grande 1-0 PREDATOR URAYASU 大原学園JaSRAフットサルクラブ 9-1 レキオスFC
16:15 Junjies 2-6 MAG'S FC 府中アスレティックFC 6-3 明治大学
17:30 STANDARD7 4-4 AMV FUTSAL YAMANOYA 0-0 arusa

1月28日(日)・決勝トーナメント1回戦<舞洲アリーナ>
10:00 (1) A-1位 - 2位グループ3位
12:00 (2) B-1位 - 2位グループ2位
14:00 (3) C-1位 - 2位グループ1位
16:00 (4) D-1位 - E-1位

2月3日(土)・準決勝<駒沢体育館>
13:00 (1)の勝者 - (2)の勝者
14:00 (3)の勝者 - (4)の勝者

2月4日(日)・決勝/3位決定戦<駒沢体育館>
12:00 3位決定戦
14:00 決勝戦
15:30 表彰式


第12回全日本選手権全国大会・決勝ラウンド・準決勝 大洋薬品/BANFF vs FIRE FOX

PUMA CUP 2007 / 第12回全日本フットサル選手権大会全国大会・4日目準決勝レポート1
   <レポート>菊地 芳樹 <写真>北 健一郎

準決勝 2/3 駒沢体育館
大洋薬品/BANFF
(東海1・愛知)
4 1-1 2
3-1
FIRE FOX
(関東4・東京)


うーん。大洋薬品、強い!という試合。当初今大会は、関東絶対ではなくなって、戦国大会になると予想していた。ところが、ここまで来てみたら、これは明らかな一強状態だ。ファイルフォックスも粘りに粘った。だが終盤、あの百戦錬磨の小宮山友祐や板谷竹生らが簡単にマークを外すのを見て、大洋薬品とマッチアップすることの大変さを思い知らされた。

立ち上がりは、大方の予想通り、ファイルフォックスのラッシュになった。激しいプレスでパスミスを誘ったり、思い切って裏を取った走り込みとパスで、シュートシーンを次々と作っていく。2分には右CKから右45度の位置で稲葉洸太郎がシュートを決めて先制。大洋薬品の選手たちの顔色が、今大会で初めて変わったシーンで、さすがファイルフォックスを感じさせる時間帯だった。

その後も1プレー切れるごとに「ウェェェーイ!」と雄たけびをあげながら、テンション高くプレーするファイルフォックスだったが、大洋薬品は「ブラジル選手たちがボールをしっかり回して、自分たちのリズムを作ってくれた」(眞境名オスカー監督)。ジワリ、ジワリといつものペースに持ち込んで、ピッチ上の空気を鎮めていく。11分、右サイドで森岡薫が2人をひきつけてから、中央でフリーのマルキーニョスへパスし、難なく決めて同点ゴールとなった。

後半、大洋薬品はピボの森岡とマルキーニョスを同時起用。ファイルフォックスの守備の要である小宮山に、圧力を掛けた。どちらかに小宮山がついてくることで、そこのパワーバランスは相殺させ、別のマッチアップの部分で有利にしようという作戦。これが奏功し、21分に森岡のシュートがGKの脇を抜けて決まって2-1。25分はFKからマルキーニョスが豪快に決めて点差をつける。

大会を通して、大洋薬品のやり方は全く変わらない。攻守においてとにかく真面目にプレーする。速く正確にというプレーを40分繰り返して、守ってくる敵のスキや疲れを待つというものだ。どの試合も後半は敵の疲れがひどく目立つものになるが、このファイルフォックスですら、そのパターンだった。これほどまでにプロとアマで体力差が出るのなら、日本フットサルの強化のために、もっとプロ化を真剣に進めるべきだろう。

34分に大洋薬品は左CKをクイックで行い、中央からマルキーニョスが決めて、4-1となって勝負あった感じ。その後ファイルフォックスはパワープレーをしたが、1点を返すにとどまった。

「個人というより、チーム全体の力で負けていた。劣っていた」と、稲葉。この日のファイルフォックスは小まめに交代して体力のロスを防いでいたが、どうしてもファーストセットの選手以外の部分で、差がついてしまっていた。どのトップチームにもいえることだが、ファーストセットの5人+交代2人くらいまでが、戦えるメンバー。8人、9人目くらいから、少しレベルダウンが感じられる。チームはそうした選手たちも使いながらうまく戦っていくのだが、プロチーム大洋薬品には、当然のことながらその感覚はない。全員が他チームにおけるエース級のメンバーである。

まさに優勝へ向かってまっしぐらの大洋薬品だが、この日大活躍のマルキーニョスが警告を受け、累積2回で、決勝戦に出られない。フィニッシャーとして今大会大活躍してきている選手だけに、どのような影響が出るのか心配なところだろう。


 

第12回全日本選手権全国大会・決勝ラウンド・準決勝 府中アスレティックFC vs MAG'S FUTSAL CLUB

PUMA CUP 2007 / 第12回全日本フットサル選手権大会全国大会・4日目準決勝レポート2
   <レポート>菊地 芳樹 <写真>北 健一郎

準決勝 2/3 駒沢体育館
府中アスレティックFC
(関東2・東京)
5 3-0 4
1-4
1-0
0-0
MAG'S FUTSAL CLUB
(関西1・大阪)


第1試合とは打って変わって、こちらはお互いにリスクを掛けながら攻め合った。その分、やはり守りはうまくいかずに、ゴール前のシーンが多いゲームになった。味濃い目の展開。

前半は完全に府中のもの。マグ選手たちの不用意なアプローチを難なくかわしてチャンスを作り、6分に小山剛史のシュートが決まって先制する。「場の雰囲気に慣れなくて、硬くなった」(原田健司)マグを相手に、その後も果敢に攻めていき、17分に完山徹一のミドル、18分にカウンターから宮田義人が決めた。3-0という最高の形で前半を終了。

ところが思わぬリードに、府中の選手たちは逆にソワソワしてしまったらしい。今季は苦しい試合が多く、僅差の展開のゲームばかりだったとのこと。これに対して開き直ったマグが、後半から守備時のプレッシャーをより強くしたことで、一気に形勢が逆転する。

後半開始早々の20分に、左CKを受けた岸本武志が、すぐにノーステップでトーキックを打って、GKのタイミングをずらすシュートを決めて1点。かなりワザアリなゴールだった。28分は右CKを鈴木磨人がヘディングシュートし、こぼれを西村竜司が押し込んだ。

ところが、32分にマグのGK戌谷進が退場。その後の数的優位の中で、33分、府中がルーズボールを拾ってのカウンターから宮田が決めて4-2とする。だが、"どこまでも粘るマグ"のスイッチはまったく切れない。34分に岸本が第2PKを決め、35分、前線でボールを奪い、西村→鈴木のパスでGKをかわしゴール! 残り4分でマグが劇的に同点に追いついた。

そこからはジェットコースター展開。お互いに決定機を作るが、疲れてもあって決まらず。ボールが行ったり来たりして会場が興奮する。が、決着は延長戦へ。

この時点で両チームファウルは5つ以上だった。そして42分に府中は第2PKをゲットする。これを完山が落ち着いて決めて、再びリード。マグは延長後半になって、岸本をGKにしてのパワープレーを選択。1点差だし少し早い気もしたが、後半の終盤に一度やっていて、「当っていたのでやろうと思った」(原田)。もちろん府中のファウル数も考えのものだった。

しかし、2回目のパワープレーの効果は今一つ。逆にボールを持たされて時間ばかりが過ぎていく感じになった。程なくして試合終了。結局、府中が決勝進出となった。

前半の3-0を考えれば、府中のチーム力がよくわかる内容のゲームだったが、自分としては、マグの粘りばかりが印象に残っている。

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