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【日本初のプロフットサルクラブ「大洋薬品/BANFF」の結成記者会見レポート】 2006.5.18.
<レポート> 菊地 芳樹(ストライカーDX)
前列左から櫻井GM、新谷大洋薬品社長、オスカー監督
(Yoshiki Kikuchi)
5月17日に名古屋駅隣接のホテルで、日本初のプロフットサルクラブ「大洋薬品/BANFF」の結成記者会見が行われた。大洋薬品工業(株)の新谷重樹社長、大洋薬品フットサルクラブ(株)代表取締役/GMの櫻井嘉人氏、眞境名オスカー監督、選手たちが出席。地元新聞やテレビなどを中心に多数のメディア、関係者が200人ほど集まった中での会見だった。
全国各地でフットサルコートを運営する、BANFFSPORTS(バンフスポーツ)の櫻井嘉人氏といえば、長年日本の競技フットサル界に貢献し、その中でさまざまな試みをしてきた“仕掛け人”として有名だ。2004年の全日本フットサル選手権では、それまで日本国内で長い間プレーしてきたブラジル人、日系ブラジル人の有能な選手を集め、彼らを中心にBANFF TOHOKUというチームで東北から出場権を勝ち取り、当時2強といわれていたCASCAVEL、FIRE FOXの強豪を倒して、ものの見事に優勝を勝ち取った。今年1〜2月の全日本フットサル選手権でも、関東から出場権を勝ち取ったForca Verde/BANFF(フォルサ・ヴェルヂ/バンフ)に、短期レンタルでブラジルから現役のプロ選手2人を加え、準優勝を果たしている。
こうした他チームにはないやり方、発想、行動力に、フットサル界では「ずるい」といった批判的な声が結構聞かれる。だが、櫻井氏にしてみれば、日本の競技フットサル界のレベルアップのために、常に刺激を与えるという思いが強いのではないか。先の日本代表ブラジル戦で、日本は現状の力をよく出したものの、それでもブラジルのBチームを相手に力の差を感じる敗戦を喫した。今はいい。しかし、今後そのレベル差を少しでも埋めていかなければ、そういうものが見えてこなければ、日本でまだ新しいこのスポーツの盛り上がりは、やはり先細りになってしまう。
そこで現状に満足してはいけないという意味で、少しでもレベルの高い、強いフットサルを見せようという狙いがあったのではないだろうか。
そして櫻井氏が次に打った手が、「ずっとプロ化を図りたかった」という、今回のプロチームの結成だ。ちょうど日本サッカー協会からは、来年9月からの全国リーグスタートのアナウンスがなされた。
「まさに絶妙のタイミングで、チーム結成の発表と、全国リーグスタートのアウトラインが出た。本当に運がよかったと思う。是非このチャンスを生かして、全国リーグの初代チームに名を連ねたい。今年度はオフィシャルの大会(東海リーグ、全日本選手権、地域チャンピオンズリーグ)の3冠制覇が目標。そして、来年以降は全国リーグの制覇はもちろんのこと、アジアナンバーワンのクラブチームを目指して頑張りたい」(櫻井氏)
スポンサーの大洋薬品工業(株)は、「ジェネリック医薬品」と呼ばれる、新薬の特許期間満了後に厚生労働省の承認を得て、新薬と同じ成分・同じ効き目ながら新薬より安く発売される医薬品に関する、国内トップ企業。新谷重樹社長は、自身幼い頃から長年サッカーをプレーし、サッカーに対する造詣が深いとのこと。会社の経営も安定し、スポーツへのサポートを考えていたが、サッカーには規模が大きく手を出せないでいたところで、今回の話が舞い込んできたそうだ。櫻井氏とは共通の知人を通して偶然知り合ったという。以後長年櫻井氏が温めていたプロチーム結成の動きに拍車が掛かった。
今年の予算の約8000万円は、すべて大洋薬品からの出資とのこと。さらには観客2500人規模のスタジアム建設に向けて動き、土地に関しても既に名古屋近郊の2、3の候補に絞っているという。会見では収益や採算面についての質問が相次いだが、新谷社長によれば今後しばらくは見返りを期待しないサポートを続けていくそうだ。
チームの監督には、櫻井氏と長年の関係を続けている、眞境名オスカーが就任した。
「ブラジルでプロ選手としてプレーしてから日本に来て、日本にもフットサルという素晴らしいスポーツのプロができたらいいなとずっと思っていた。10年前くらいからできそうな感じがあったけど、今回その初めてのチームの監督になれてうれしいです。プロとしてこれから続いてくるチームの見本になれるように、結果を残せるように頑張りたい」(オスカー監督)
監督就任に先立って、オスカー氏はチームに欲しい選手のリストを作って、櫻井氏に獲得の打診をしたそうだ。もちろんすべての選手を迎え入れられたわけではないが、総勢13人のプレーヤーは豪華な顔ぶれだ。この日は日本代表の合宿で定永久男と豊島明(このチームでキャプテンを務める)は会見を欠席したが、有名選手の北原亘、森岡薫、野島倫は3人揃って坊主頭で出てきた。
「この頭の成長と共に、自分もチームも成長していければと思っています」(北原)
オスカー監督の悩みは日系ブラジル人を中心に、外国籍の選手が6人もいること。リーグや大会などの基本は外国人選手登録4人。一部の選手たちについては、帰化申請を行っているそうだが、なかなかスムーズに進んでいないようだ。他にもレギュレーションの関係から、6月17日に始まる東海リーグの緒戦は、このメンバーから2人しか出場できないという。色々なことが初めての出来事になっていくだけに、何かとバタバタしたシーズンを過ごすことになりそうだ。
「我々が日本の第1号だというのが、ものすごく重要だと思います」(櫻井氏)
櫻井氏は今後、第2号、第3号となるプロチームが間違い出てくるだろうと考えている。そのときに話題として「大洋薬品/BANFF」が第1号だったことが出てくれば、それなりとメリットがあると見ているようだ。確かに今後何年かたって日本のフットサルがさらに発展したときに、この日は歴史的な出来事だったといえるようになるのかもしれない。
日本初のプロフットサルクラブが今後どういった扱われ方をし、どういった展開を見せるのか。そして「大洋薬品/BANFF」に続くチームは出てくるのか。転機を迎えている日本フットサル界の動向は、これからが楽しみだ。
(了)
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