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【日本代表特設ページ・第10回AFCフットサル選手権】


○第10回AFCフットサル選手権(バンコク/タイ)2008/05/11〜05/18

<レポート・写真> 北 健一郎

<準々決勝>5月15日
2 前半 0
2 後半 0
日本 4 合計 0 キルギスタン


日本代表


キルギスタン代表

内容よりも結果のゲーム

危なげない試合運びで日本代表がキルギスに4−0で勝利して、ワールドカップ出場権獲得という「義務」を果たした。

美しいパス回しも、華麗なテクニックもほとんどない。ただ、「内容よりも結果が大事」のワールドカップ予選においては「100点をつけてもいいと思う」(G藤井健太)というゲームだった。

日本のスターティングファイブはGKQ定永久男、C小宮山友祐、G藤井、P稲葉洸太郎、S稲田祐介。S稲田とH小野大輔が入れ替わることはあったが、2試合目以降、その他の4人は3試合連続の先発となる。

日本は理想的な試合の入り方を見せる。「マイボールを大事にして、ディフェンスから入ってという立ち上がりを心がけて。止まらないでリズムを作って、ポゼッションを高くして入れれば」とP稲葉が思い描いた通りのプレーで、キルギスに対して数多くのシュートシーンを生み出していく。

しかし、シュートが決まらない。特に3分の、味方のシュートのこぼれ球を至近距離でS稲田が打ったシュートは“超”がつく決定的な場面。普段なら絶対に入っているものが入らない……これがワールドカップがかかったゲームの重圧なのか。

2分が過ぎた辺りから、キルギスはマイボールになったときにGKを前に上げて使ってくる。パワープレーのようだが、GKの位置はハーフウェイラインより数メートル後ろ。リスクをかけて点を取りに行くためではなく、数的有利を作ってリスクをかけずに(奪われないように)パスを回すためのパワープレーだ。

日本はキルギスがこのように戦ってくることは、スカウティングでわかっていた。前日に行われた非公開練習では、この「パワープレー気味のパス回し」に対しての守り方を入念に対策していたのだという。

キルギスのパス回しに対して、日本は無闇に飛び込まず我慢の対応。2005年のベトナム大会で3点を決められた、最重要人物のFヌルジャンに対しては、彼にボールが入ったときに素早く利き足の右足の前に立つことで、キルギスの得点パターン=Fヌルジャンのカットインシュートを消した。

日本はマイボールになったときも慎重にプレー。点を取りに行くというよりは、点が取れるときを待っているような感じ。ゲームは膠着し、静かな展開となる。8分、F金山友紀が、A鈴村拓也の縦パスに右サイドを抜け出して逆サイドに打つがポストに当たってゴールならず。

前回のキルギス戦のスコアは1−0。キルギスにとっては、格上の日本に対してロースコア勝負に持ち込みたいわけで、そういう点では、キルギスの狙い通りのようにも見えるし、日本がよく守っているようにも見える。非常に判断の難しい試合内容だ。

14分、G藤井のシュートが目の前の敵に当たりコースが変わり、GKの逆を突いてポストに当たる。これにS稲田が素早く反応するがまたしても決まらない。今日は「稲田の日」ではないのか……。

だが、日本は17分、A鈴村の縦パスからH小野が右方向に反転してシュート。地を這う弾道のボールがGKの股を抜けてファーサイドに決まる。今大会の日本のファーストゴール、オーストラリア戦の逆転の口火を切るゴールなど、重要な場面でのゴールが目立つH小野がこの日もやってくれた!

前半終了間際の19分には、右サイドでG藤井がシュートを打って、敵に当たったボールをダイレクトで中に入れると、これがオウンゴールを呼び込み2点目。「自分たちの勢いのときに取れたのは大きいと思う」とG藤井が振り返るように、前半を2−0で折り返せたことでかなり楽になったのは確かだろう。

後半もキルギスはGKを前に上げた数的有利のパス回しを続行。前半はサイドと中央を往復するだけだったパス、ピヴォの位置にも入るようになるが、日本は崩れない。すると3分30秒、キルギスはFPのHダニエルを攻撃時にGKに入れる。ここからが本当のパワープレーだといえるだろう。

それでも、日本はキルギスのパワープレーに対して全員が集中して対応する。本当に危ないといえるようなシーンは皆無。ボールがアウトにならないので、時間がどんどん過ぎていく。

33分、キルギスは金髪の長身選手Lマラトが2枚目のイエローカードで退場。この、相手が4人になった時間に、右のG藤井のパスからファーサイドでS稲田が押し込み3点目が決まる。この日ブレーキだった男に、待望のゴールが生まれた。

37分には、キルギスのシュートをGKQ定永が胸で弾いたボールを、F金山がポーンと浮かせるシュートでがら空きのゴールへ蹴り込み、試合を決定づける4点目。F金山が「1人退場したところで取れたのも大きいし、相手が前掛かりになったところでロングシュートで取れたのも相手としてはイヤだと思う」と語ったように、要所要所でゴールが生まれてキルギスを突き放すことができたのは、日本にとって最高の展開だったといえるだろう。

その後も日本はキルギスにゴールを許さず、残り時間は10秒。バンコクまで駆けつけたサポーターによるカウントダウンが始まる。ピッチの中央でD比嘉リカルドが相手選手と競り合っているところで、タイムアップのブザーが鳴り響いた。

僕は4年前のマカオでのワールドカップ出場の瞬間も見ているが、そのときの喜びぶりを「100」とすると、今回は「70」ぐらい。涙を流している選手もいなかったし、必要以上に浮かれている選手もいない。「4年前はすごく嬉しくて喜びもあったけど、今回は安心と同時に明日のことも頭に入っているから。一つの目標はワールドカップ出場、もう一つの目標として優勝があるから」とF金山がいうように、日本の選手たちはすぐに次の準決勝、イラン戦へと気持ちを切り替えていた。

「勝ちに行くゲーム」を狙って、望みどおりの結果を手に入れた日本。プレッシャーのかかる試合で、このように辛抱強い戦い方ができるのは、彼らの経験値の高さを物語っている。

それでも、次のイラン戦に勝てるかどうかは別問題だ。レバノンを9−1で一蹴したアジア王者に対してどう戦って、どんな結果を出せるか。現状、日本が昨年に比べて伸びたかどうかを計れるのは、この1年に1回のイラン戦しかない。もっといえば、イランクラスの相手に勝てなければ、ワールドカップでのベスト8という目標は単なる夢になってしまう。「明日どういう戦い方をするかは、これから決めたいと思います」とサッポ監督。勝利の余韻に浸る暇もなく次の「大一番」が始まる。

日本代表・サッポ監督
−−後半、木暮を長く使ったのはどうして?

私にとっては、全員大事な選手で全員を信頼している。ただ、試合の中で誰を使うかは監督の選択権です。前回の試合で彼本来のプレーができていなかったので、「今日は期待している」という話をしていました。

−−昨日の練習で対策をしていたのが勝因?

集中して練習できるように非公開にしたが、それが良かったのではないか。集中してできたことがこの試合につながったと思っています。

−−イランとはどう戦うか?

イランになるかはわからないが、私もたぶんイランだろうと思っています(イランに決定)。明日も厳しい試合になると思うが、昨年のリベンジだとは考えていません。決勝戦に進むための試合です。そのために準備をしてきているので、準備は整っていると思います。明日どういう戦い方をするかは、これから決めたいと思います。

−−ワールドカップ出場権を獲得したことについて。

ワールドカップ出場を決めたことに対して嬉しく満足な気持ちです。私を信じてついてきてくれた選手、スタッフなどのグループの気持ちに応えることができて嬉しい。去年から今年にかけて日本代表は進化を遂げることができたと思っています。中にはそう思わない人もいるかもしれませんが、今日の結果が証明していると思っています。ありがとうございます。


キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6点)
A 鈴村拓也 5.5 ケガの影響かパスミスが目立つ
C 小宮山友祐 6.0 体を張った守りでピンチ防ぐ
D 比嘉リカルド 何度かマークを見失うシーンも
F 金山友紀 6.5 敵の戦意を削ぐ大事な4点目
G 藤井健太 6.5 攻守にチームを引っ張るプレー
H 小野大輔 6.5 大事なところで点を取る
I 木暮賢一郎 6.0 球際でよく競り合い勝利に貢献
K 石渡良太 出場せず
O 岸本武志 出場時間が短く、評価なし
P 稲葉洸太郎 6.0 前後半共に先発で役割果たす
Q 定永久男 6.5 ピンチは少ないが集中して守り切る
S 稲田祐介 5.5 積極的なシュート姿勢は○



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