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○第8回アジア選手権(タシケント/ウズベキスタン)2005/05/21〜05/27

キタケンのタシケント現地レポート・第3回 2006年05月30日(火)

日本が遂にアジアを制覇!



 <第2回

>>AFCオフィシャル大会ページ。スケジュール組み合わせご覧ください!

キタケンこと北健一郎氏が、第8回アジア選手権の詳細レポートを現地タシケントからお届け!準決勝・決勝戦の模様をキタケンオリジナル採点表とともに詳細にお伝えします!

<レポート・その3>

決勝戦
0 前半 0
5 後半 1
日本 5 合計 1 ウズベキスタン
22分 木暮
31分 鈴村
33分 比嘉

35分 小野
36分 木暮



34分 マメドフ

 強い、強い、強い!

 ウズベキスタンのパワープレーを逆手に取り、D比嘉が、H小野が、I木暮が、次々と加点していく。残り4分47秒の時点で日本が5−1でリード。ウズベキスタン陣営は、すでに「ゲーム・イズ・オーバー」の雰囲気を漂わせる。電光掲示板は歓喜の瞬間へのカウントダウンを着々と刻んでいる――。

 イラン戦の大勝利から一夜明け、日本は前日の流れを受け継ぎ、スタメンは@川原、C小宮山、G藤井、I木暮、H小野。だが、ウズベキスタンの方は準決勝では登録外の17才(!)、SファルフディノフをキャプテンIアーメドフに代えて初先発させ、ギャンブルに打って出る。

 ウズベキスタンボールのキックオフ。それから28秒後、ウズベキスタンは日本に1度もボールを触らせず、JブリエフとのタテワンツーからSファルディノフが1本目のシュートを放つ。前半の日本はアジア相手では珍しく−−海外組3人がいるにも関わらず−−、ウズベキスタンにポゼッション率で上回られてしまう。それだけではなく、自陣でパスをカットしても、イラン戦のように2人、3人が一気呵成に攻め上がるのではなく、パスをつないでやり直すことが多い。

 一体、どうしたんだろうか−−。「疲労」、「プレッシャー」、「アウエー」などの不安要素が頭の中を駆け巡る。しかし、それは日本が前半のゲームプランを忠実に実行した結果だという。

 指揮官は言う。「試合前に選手たちに話をしたのは、昨日のイラン戦がハードな試合だったので、立ち上がりからガンガン行って体力を消耗したり、カウンターを食らわないようにしろということ。だから、前半は慎重につないで、ペースも全開にしないようにするよう話した」(サッポ監督)。この言葉にエースも同調する。「カウンターを警戒していたので、前半は落ち着いてセーフティーにやろうと話し合った」(I木暮)。

 これが5大会連続5度目のファイナリストが持ち得る、経験と余裕なのかもしれない。日本とウズベキスタンは実力的には日本の方が格上で、中立地でやれば恐らく10回中7回は日本が勝つだろう。だが、相手は2500人の大観衆を味方につけるホームのウズベキスタンである。仮に先制点を献上しようものなら、それこそ取り返しのつかないことになりかねない。

 だからこそサッポ監督は、決勝の前半は安全策で行くことを決意したのだろう。ウズベキスタンの攻撃をFP4人で形成するボックスで、ゾーンを決めて守るやり方はブラジル5連戦で織り込み済み。また、A鈴村は前半、チーム最多のシュート5本を放っているが、その多くはCKからのダイレクトのもの。チャンス→カウンターに転化されやすいCKでは、つないで変なボールの奪われ方をするよりも、まず思い切り打つのがベターな時もある。

 結果、前半を0−0で折り返したという点では、日本のゲームプランは奏功したといえる。とはいえ、前半はI木暮が前線で孤立無援になり、ボールを持ちすぎる場面が目立ち、フィクソのC小宮山も「イラン戦で膝と腰を痛めて」(C小宮山)不安定なパフォーマンスだったのは事実。ハーフタイム、サッポ監督はウズベキスタンへの対応策を講じた。

「ウズベキスタンの守り方はマンマーク。そういう場合はボールをキープしても、突破口を見出すことができない。パスをつないだり、フェイクを仕掛けたりしなければ、攻撃は機能しない」(サッポ監督)

 後半始まって1分41秒、日本は20本以上のパスを回し続けた末に、H小野のパスをI木暮がダイアゴナルランから裏で受けてシュート。ボールはGKに当たりながらも、ゴールマウスに吸い込まれ、日本が待望の先制点を手に入れる。

 31分、I木暮がハーフェーライン付近で最後尾のJブリエフのパスをカット、と同時にカウンターを始動しGKとの1対1を迎えるがシュートはセーブされる――しかし、こぼれ球をC小宮山に代えて後半スタメンのA鈴村がプッシュ! 追加点となったのは、前半は封印していた人数(リスク)を掛けるカウンターだった。

 2点を追うウズベキスタンは2失点目の直後から、IアフメドフをGKにして早い時間帯からパワープレー。「日本からFP4人でゴールを奪うのは不可能。FPを5人に増やした」(ヴィドリクコーチ)。しかし、相手のパワープレーが日本の大量得点を呼び込むのは、イラン戦で実証済み。

 早速33分、GKIアーメドフのシュートを正面でD比嘉がブロックして、自陣ペナルティエリアからのロングシュートを決める。ウズベキスタンも37分、FKからHオドゥシェフ→Jブリエフ→Bマメドフとなつないで1点を返す。それでも日本は35分、イラン戦でもパワープレーから2ゴールを挙げているH小野が、得意のロングシュートを沈めて再び3点差に戻すと、その20秒後には、D比嘉がパスをカットして左サイドを駆け上がるI木暮にパス。I木暮がダイレクトで無人のゴールに流し込み5−1。もはや日本のお家芸ともいえる「パワープレー返し」が、ウズベキスタンにも壊滅的なダメージを与えた。

 ――刻一刻と初優勝の瞬間が近づいていく。すでに日本はB前田を投入し、守備固めに入っている。「08、07、06……」サポーターがカウントダウンをスタートした。そして現地時間19時27分55秒、遂にその時を迎える。サッポ監督の来日から丸3年、アジア選手権を初戴冠。だが、来年度のアジア選手権は日本での開催がすでに決定しているのである。地元開催のアジア選手権へ、2008年の世界選手権へ、日本は「決して立ち止まらず、前に進んでいく」(サッポ監督)。


キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6)
@ 川原永光 6.5 ウズベキスタンの攻める時間帯にも0で抑える。
A 鈴村拓也 6.5 底の位置でパス回しに絡み、決勝点もゲット。
B 前田喜史 5.5 常に出られる準備をしている、控え選手のお手本。
C 小宮山友祐 5.5 立ち上がりはミス多発も、後半からは立て直す。
D 比嘉リカルド 6 パワープレー時1ゴール1アシストで突き放す
E 小山剛史 出場せず
F 金山友紀 5.5 パスの出どころを封じるプレッシングはさすが。
G 藤井健太 6.5 安定感のあるプレーで、チームに落ち着きもたらす。
H 小野大輔 6.5 I木暮とのあ・うんの呼吸で先制点を呼び込んだ。
I 木暮賢一郎 6.5 得点王には1得点及ばずも、2大会連続MVPを獲得。
J 豊島明 出場せず
K 石渡良太 出場せず
L 高橋健介 出場せず
M 定永久男 出場せず
監督 サッポ 6.5 前半の戦い方は奏功。3度目の挑戦でアジアの頂点に立つ。



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