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○第8回アジア選手権(タシケント/ウズベキスタン)2005/05/21〜05/27

キタケンのタシケント現地レポート・第1回 2006年05月27日(土)

日本、イランの8連覇を阻止!初優勝へ向けて前進!



 第2回>

>>AFCオフィシャル大会ページ。スケジュール組み合わせご覧ください!

キタケンこと北健一郎氏が、第8回アジア選手権の詳細レポートを現地タシケントからお届け!準決勝・決勝戦の模様をキタケンオリジナル採点表とともに詳細にお伝えします!

<レポート・その1>

準決勝第2試合
1 前半 0
4 後半 1
日本 5 合計 1 イラン
13分 高橋
23分 シャムサイー
29分 木暮
34分 小野
38分 小野
39分 小野

「この日まで1回も去年の悔しさを忘れたことはない」(I木暮)

 2次リーグでイランに3−1で歴史的勝利を収めながらも、決勝で再戦し0−2で返り討ちにあい、5大会連続の準優勝に終わった前回大会。日本代表は準決勝でイランとの「事実上の決勝戦」を迎える。だが、予選リーグまでのチームは「悪くもないけど良くもない雰囲気」(G藤井)だったのだという。

 事実、それはイラク戦2−0、タジキスタン戦11−6というスコアにも表れている。「練習中も試合中も、自分よりも人のせいにする部分があった。だから、タジキスタン戦の後で、選手全員でミーティングをしたんです。準決勝は相手が相手だし、チームが1つにならなければ勝てないから」(G藤井)。名づけるとすれば「タシケントの夜」だろうか。大一番を前に日本は1つになった。

 もう片方の準決勝、ウズベキスタン対キルギスタン戦を観戦中にスタッフから手渡されたスタート・リストには、「ONO」と「KOGURE」の名前があった。マカオ遠征から今大会の予選リーグまで不動のスタメンから左アラ、ピヴォという、自動車に例えれば“前輪”を交換したことになる。

「彼らはマカオ遠征で優勝したメンバー。その後のブラジル戦でも素晴らしい活躍をしてくれたので、そういうときにはスタメンはいじるべきではない。だが、今大会の3試合が終わった時点で、満足できる内容に達しなかった。特に健介、剛史。小宮山に関しては調子がいいので継続した」(サッポ監督)。

 何はともあれ、I木暮とH小野が日本のベストプレーヤーであることは疑いようがない。日本は@川原、C小宮山、G藤井、I木暮、H小野という海外組+国内組の融合セットでイランに臨む。イランのスタメンはKナザリ、Cザレイ、Dハシェムザデフ、Gモハマディ、そしてHシャムサイー。

 イランボールのキックオフから間もなく、Cザレイが挨拶代わりのシュートを打ち込んでくる。どうやら最重要人物Hシャムサイーにはゾーンではなく、マンツーマンでC小宮山が付く模様。C小宮山はHシャムサイーにも臆することは一切なく、むしろボールカットしてガッツポーズ&雄叫びが激しすぎてHシャムサイーにたしなめられるほど。

 前半はイランが攻め、日本が守る、という図式には変更点なし。だが、「最初の方は4人で回したりしてきた」(A鈴村)イランは、時間が進むにつれて個人技→シュートという一本調子の“いつもの”イランに逆戻りしていく。フィクソのC小宮山、A鈴村にマンマークされるHシャムサイーも無理目の体勢からのシュートを繰り返すばかり。

 となると、攻守の切り替え、パス回しに勝る日本がチャンスを作り始めるのは道理。8分、左サイドのI木暮が中にパスを出し、G藤井がドリブルで持ち込みシュートするも枠の外。9分にはH小野が@川原のゴールクリアランスを左奥で受け、GKとの1対1のチャンスが訪れるが決められず。

 しかし14分、ラッキーな形で日本に先制点が転がり込む。左サイドのCKを比嘉が後ろに戻す。A鈴村が左足で強シュート、ゴール前のピヴォはファーサイドに逃げながらアウトサイドでボールの軌道を変える。逆を突かれたGKが必死に足で触るが、ゴールライン上に留まるボールを反応良く背番号13が蹴り込む――L高橋のファーストタッチが日本に値千金の先制点をもたらす。

 その後も前半のイランはHシャムサイーが流動的に(好き勝手に!?)動き回り、ピッチの色々なところからゴールをこじ開けようとするが、日本は@川原を中心に抜群の集中力で凌ぎ、前半を1−0でリードして折り返す。

 だが後半、日本はH小野が23分にDハシェムザデフにかわされたときに足が掛かりイエローカードをもらう。その直後にはまたしてもH小野が、ゴール中央でファウルを犯し危険な場所からFKを与えてしまう。このFKをHシャムサイーがH小野、I木暮、@川原で形成する3枚の壁の隙間を打ち抜き、イランが1−1の同点に追いつく。

 だが28分、追い上げムードのイランに試合後ドゥトラ監督が「あの後、チームの士気が下がってしまった」と振り返る出来事が起こる。@川原がペナルティーエリア辺りを目掛けて、ゴールクリアランスを投げる。H小野が頭で競りにいくが、後ろからGKKナザリがH小野の頭の上から“ハエたたき”でブロックされるが……。審判が笛を鳴らしてゲームを止める。判定はペナルティーエリアの外で手を使ったKナザリへの1発レッド。イランはGKを退場で失い、2分間をFP3人でプレーする緊急事態に陥った。

 そして残り時間12分43秒の退場から、1分48分が経過した後半10分、左サイドのA鈴村が左奥のG藤井に出し、G藤井からのマイナス気味のボールをゴール前の木暮がボテボテのシュートながらGK@ナセッリの股を通す。2−1。GKを退場に追い込み、約2分間のFP3人でのプレーで消耗させ、そしてリードを奪い返す、まさしくイランの反撃への意欲を削ぐのに十分すぎるゴールだった。

 32分にはF金山がイラン6つ目のファウルをゲット。しかし、この第2PKをキッカーB前田が枠外に外してしまう。それでも35分、総攻撃を掛けるイランが前掛かりになったところで追加点が生まれる。D比嘉からのクリア気味のボールを、G藤井が右サイドのタッチライン際で拾って、ゴール前への折り返しに走りこんできたのはH小野!

 36分以降、2点のビハインドを背負うイランはHシャムサイーがGKになりパワープレーをスタート。だが、A鈴村が「思ったよりシュートを打ってこなかったから良かった」と振り返るように、イランのパワープレーにも適切な距離感で対処し、1点も与えず、逆にH小野が39分に@川原のスローインをゴール前で合わせて4−1、残り4秒でゴール中央でGKHシャムサイーのシュートをブロックしたH小野が、がら空きのイランゴールにグランダーで流し込み5−1とすると同時に、イラン相手にハットトリックを達成した。

 そして、タイムアップ――。この瞬間にイランの大会8連覇の可能性は消滅し、アジア選手権に新王者が誕生することが決定した。イランの敗因は分かりやすい。日本が常に貪欲に進化し続けているのに対して、アジアで勝ち続けているおごりからか、イランからは進化への貪欲さが感じられないのだ。この日も最終的にはHシャムサイーの個人技頼り。その絶対的エースにも力の衰えが忍び寄っており、「全て自分の範囲内で止められた」(A鈴村)。前回大会も日本に負け、タイに引き分け、ギリギリで2次リーグを通過したことを忘れてしまったのだろうか。エースが「去年の悔しさを忘れたことはない」と話す日本とは対照的だった。

 小野が日本の勝因を分析する。「去年と今年とでは違う。去年はガムシャラに守り続けて、勝ったという感じ。でも、今年は半分以上は自分たちのペースで守れていたから」。プレスを掛けるラインの上げ下げを駆使し、また、ゾーンで守りながらHシャムサイーにはマンマークをつけるという難しい仕事を完遂した選手には脱帽する以外にない。C小宮山、F金山らは見慣れた光景だが、普段は「点を取ることが仕事」と公言するI木暮が体を張り、シュートを止めるたびに雄叫びを挙げる姿からは、この試合に掛ける相当な意気込みが感じられた。

 しかし、まだ日本は指定席のファイナリストに名を連ねたに過ぎないのである。それは監督、選手、スタッフ、サポーターの誰もがわかっている。

「本当に最高のチームだと思う。でも、優勝しないと意味がない。決勝に向けてもう1回気持ちを入れ直す。『最高のチーム』だというのを自分たちで証明したい」(G藤井)

 決勝の相手は開催地のウズベキスタン。5月27日、アジアに2代目王者が誕生する。バスに乗り込む前にエースは言い放った。「あと1勝!」。


キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6)
@ 川原永光 7 イラン戦では基本的に神がかり的なプレーをする。
A 鈴村拓也 6 Hシャムサイーのマークという仕事をこなす。
B 前田喜史 5.5 プレー自体は悪くないが、第2PK失敗は減点材料。
C 小宮山友祐 6.5 圧倒的な「気持ち」でHシャムサイーをいら立たす。
D 比嘉リカルド 5.5 相変わらず被カウンターにつながるミスが多い。
E 小山剛史 出場せず
F 金山友紀 6 怪我のため時間限定のプレーだが、チームを引き締める。
G 藤井健太 6.5 第2フィクソでプレーしながら、好機に絡み2アシスト。
H 小野大輔 7 後半のハットトリックは、イランの意気を消沈させた。
I 木暮賢一郎 6 決勝点をゲットする勝負強さはさすが。決勝での大爆発に期待
J 豊島明 出場せず
K 石渡良太 出場せず
L 高橋健介 6 出場時間は2分間だが、先制点のワンプレーの価値は絶大。
M 定永久男 出場せず
監督 サッポ 6.5 スタメンを変えたのは英断。3度目の正直はなるか!?

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