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○第7回アジア選手権(ホーチミン/ベトナム)2005/05/22〜06/04

ストライカーDX菊地芳樹の
    ホーチミン現地レポート・最終回 2004年06月05日(日)

日本、決勝でイラン敗れる!


 <第5回

ストライカーDXの菊地芳樹氏が、競技フットサル界注目の世界選手権アジア予選が行われるホーチミンから最新情報をお届け!
日本代表の詳細レポートに加え、注目試合を独自の視点で解説&レポートします!
【お知らせ】
ストライカーDX7月号 6月10日発売。
第7回アジアフットサル選手権、速報ページのほか、
フットサル世界一、ハビエル・ロサーノスペイン代表監督インタビューも掲載!

<レポート・その6>


決勝
0 前半 2
0 後半 0
日本 0 合計 2 イラン

 悔しいかな、またまた準優勝である。毎回、毎回、今回が一番悔しいと思っている。アジア頂点の座は、もうすぐそこに来ているだろう。だが、もう何回、この気持ちで大会最終日の原稿を書いたことか。

 でも、チーム、選手たちはもっと悔しい思いをしているのだろう。

 2次リーグ時には確かに参加国中、ベストのパフォーマンスを見せていた日本。だが、準決勝に入ると、その評価はイランのものになっていったような気がする。あの世界選手権でも変わらなかったイランの変貌振りは、誰もが予想できず、誰もが驚かされた。日本に負け、タイにギリギリまで追い詰められたことは、彼らに相当なショックを与えていたのだ。

 HシャムサイーやIヘイダリアンがチームプレーに徹した姿勢を、自ら仲間に示していく。相手の攻撃を組織的な守備で跳ね返し、相手のスキを確実について得点していく。また、そうしたやり方を超のつく短期間で成功させてしまう彼らの能力の高さも驚きだった。

 決勝はそうして脱皮したイランと、日本が戦うことになった。お互いにチャンスはそう多くないだろう。今やハイレベルの試合の代名詞になっている「スキを突き合う」攻防が予想されたのだった。

 出足の2、3プレーに関して、日本はまったく問題なかった。1分に左サイドからI木暮が1人をかわして左足シュート。2分にはキックインから中央でA鈴村が左足シュート。いずれもG藤井がパスを出している。しかし、攻守が入れ替わってイランの攻撃となったとき、Hシャムサイーのシュートがバーを直撃。直後の日本のパス回しに少しリズムの狂いが生じる。3分、日本はGKへのバックパスのファウルを取られるという、信じがたいミスでペナルティスポット付近からの間接FKを与える。Iヘイダリアンが左横に流し、Hシャムサイーが放った右足シュートは、前に出たG藤井に当たったものの、ゴール右へ入ってしまった。

 スキ付き合う攻防。第1ラウンドはイランがものにすることになった。

 日本は2次リーグ対戦時のように、複雑な動きとパスワークでイランを崩そうと試みる。ところが準決勝同様、今日もちょっと様子がおかしい。パスの出し手、受け手双方とも、イランのプレッシャーを近くに受けているのだ。イランは日本の特徴をよく研究して押さえにきていたのだった。I木暮の左サイドからの仕掛け、H小野のポストプレー、F金山の縦への飛び出し。そうした日本の特徴をいずれも早い出足で潰しにいき、日本を満足にプレーさせないのである。うまくいかない攻撃に日本のパス回しは出し手のノッキングが多くなり、スローダウンさせられ、リズムを狂わされていく。

 こうなってくると怖いのは、変な形でボールを奪われたときのイランのカウンターである。またこれがいいところで決められてしまったのだ。8分、取られたのは右サイドのイラン陣に侵入した地点だった。そこでボールを奪われると、Cザレイが力強いドリブルで中央に進出していく。日本の戻りが追いつかず、正面に立っていたA鈴村がチェックに行こうとした瞬間、Cザレイの強烈なシュートが日本ゴールを捕らえた。


イランのリスタート パワープレーで比嘉がGKに


 スキ付き合う攻防。第2ラウンドもイランに軍配が上がる。

 2点をリードしたイランは、より慎重に守備→カウンターを実行し始める。日本は攻撃をしているのに、何だがとても窮屈で苦しそうだ。それでもI木暮が2度、目の前の敵をドリブルではがし、チャンスに結びつけた。11分のチャンスはゴール前でフリーのD比嘉に渡ったが、GKが出てきたのを見て、D比嘉は左斜め前に移動したI木暮にリターンを出す。シュートを予測していたのだろう。このボールにI木暮は対応できず、ボールをゴール枠に押し込めなかった。

 状況が変わらずの後半、イランは相変わらずの鋭いカウンターで、日本ゴールを何度も襲う。日本も24分に中央のD比嘉から、右でフリーのH小野に渡ってシュートするが枠を外れ、25分にも右のF金山からゴール前フリーのI木暮にボールが入ったが、シュートは出てきたGKがブロック。27分は右のA鈴村から縦のH小野、ゴール前に入ってきたI木暮とボールが渡ったが、I木暮のシュートは右に大きく外れた。どちらも一歩出足が遅いようで決まってくれない。

 日本にはラッキーなことに、イランのファウルが早い段階で貯まってきていた。28分に5ファウル。そして日本は30分からD比嘉をGKにしてパワープレーを開始する。

 ところがこれが結果的に大誤算だった。イランの守備のほうが完全に上回っていたのだ。中央、左右手前のポジションの3人のパス回しに、イランはマンツーマンでガンガンプレスを掛けてきたのである。左右前方のどちらかは完全にフリーになっている状況だ。しかし、イランのプレスが巧くて、そこに容易にパスを通せない。浮き球を使って何とか通せても、その間にイランは素早くポジションを立て直し、日本はボールを戻すしかなかった。

 そして32分にはF金山が2枚目のイエローで退場となってしまう。日本は数的不利の2分間を何とか無失点で凌いだものの、同点に追いついていくには、大きなタイムロスとなってしまった。35分にイランのファウルで日本は第2PKも得たのだが、D比嘉のシュートはGKに防がれてしまう。1点が遠い日本。

 人数が回復してからも、日本はパワープレーを続けたが、大きな効果は生まれず、時間だけが過ぎてしまった。残り30秒で左右の大きな展開からゴール前フリーのI木暮にボールが入ったが、やはりここも出足が遅れてしまったのか、ボールに差し込まれる形でシュートを枠に押し込めなかった。

 こうしてスキ付き合う攻防は、第3ラウンド以降もイーブン、あるいはポイントでイランが優勢のような感じで最後まで進んだのだった。日本は2次リーグからの激戦続きの疲れが目立ち、この緊迫した戦いに積極的に立ち向かうバイタリティに欠けていたように思う。

 イランの歓喜のパフォーマンスは、いつもの3割り増しのように見えた。それをただみつめるしかない涙の日本というコントラストは、悔しいがこれまたいつもの状態である。

 ゴールレースでHシャムサイーとデッドヒートを繰り広げたI木暮は、一歩及ばず得点王を譲る形になった。だが、I木暮の大会を通しての活躍には、今回MVPというご褒美がついた。

 日本はまた一歩、イランを追い詰めた。日本、イラン、双方の成長により行われた今回の決勝は、アジアフットサルのレベルアップを示すものだった。この凌ぎ合いを繰り返していき、両チームには世界レベルとの差を縮めていってほしいと思う。イランは今回多くの若手をメンバーに入れ、世代交代を図った中での優勝だった。日本も一瞬たりとも足を止めてはいけない。

 そして、次こそは「準」の字を取ってもらいたいものである。





<<監督・選手コメント>>

鈴村拓也
もう、悔しいしかない。結果的には優勝できなかったけど、チームとしての完成度は上がっていたと思う。得点は入りそうな雰囲気はあったんだけど、決めるところで決められなかった。最後に勝てなかったので意味はなくなってしまったが、イランに2次リーグで勝ったことは次につながると思う。

川原永光
2ゴールに関しては不運です。2点ともミス絡みだったので、大きい舞台でいかに冷静にプレーできるかが大切だと改めて感じました。3点目を入れられてなかったので逆転を信じていたけど、ゴールが決められなかった。足りないものは経験。イランにはちょっとしたところでやられているから、優勝するためには集中力を切らす時間帯を減らさないといけない。イランとは1勝1敗。次こそは優勝したい。

小野大輔
前半、自分たちも相手もペースをつかんでないときに失点してしまった。向こうのシュートは入り、こちらのシュートは入らなかった。日本は研究されていたし、イランは準決勝くらいから変わって、元のイランに戻ったという感じ。こうしたイランやヨーロッパなどのデカい選手たちを日本が相手にするときは、より素早い動きと、判断、意志の疎通が、どの場面、場面でも大切になってくる。


 <第5回
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