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○第4回アジア選手権(インドネシア・ジャカルタ)10/22〜10/30

サッカー/フットサルライター菊地芳樹の
    ジャカルタ現地レポート・第15回 2002年10月31日(木)


日本、0−6でイランに敗れる!

 <第14回
厳戒態勢のインドネシアのジャカルタに単身乗り込んだ菊池芳樹氏が、前回のイラン大会に続いて現地取材を敢行!
日本代表の詳細レポートに加え、注目試合を独自の視点で解説&レポートします!

<レポート・その24>


決勝
0 前半 3
0 後半 3
日本 0 合計 6 イラン

前田の力強い突破
 日本がイランに0−6という大差をつけられ、敗れた。前半の残り5分で3点を畳み掛けられると、後半はじっくりと守られた挙句、スキを突かれて3点を取られた。今大会はこれまで堅守第一の考えで、相手に一度も先制を許さなかった日本。だが、「ピンチも少ないがチャンスも少ない」スタイルは、1点を取られた後の展開にどうしても弱かった。まだ一つの戦い方しかできなかった日本に、今大会は「毎試合相手によって戦術を変えた」(モハメド・ハッサン・アンサリファール監督)というイラン。その幅の差の出た決勝だったといえる。

 日本のスタートは、GK川原、FP市原、前田、相根、難波田という、昨日の準決勝と同じメンバー。立ち上がりの5分間はいつもの日本のリズムが出て、シュート数は5対3でイランを上回った。2分には相根が川原からのロングスローをピボの位置で受け、反転シュート。GKに防がれたが最初のチャンスを作る。

 イランはこれまで守備で手を抜いていたバヒド・シャムサイエ(9番)がスライディングカットを試みるなど、気合全快。スタートから9分間出ずっぱりで6本のシュートを放った。しかし、この日も冷静だった川原の好守を含めた日本の守備の前に、無得点で一度ベンチに下がる。

 お互いに持ち味を出した攻防が続き、前半も残り5分近く。ところが、日本はここから魔の時間帯を迎えてしまう。15分、前田の右からのキックインが味方とタイミングが合わず、イランのレフティ、モジタバ・モエイニ(3番)がカット。彼にそのままゴール前まで持ち込まれ先制を許してしまった。1分後、今度は後ろでのパス回しの際に前田がピッチに足を取られてコントロールミス。これをカットしたイランのボールが、前線でフリーのシャムサイエに渡ってしまい、2点目を決められた。そのまた1分後、後方からの縦パスを受けたシャムサイエが右に反転してシュート。3点目が入ってしまった。

 この間、日本は非常に劣勢だっただけに、悪い流れを切ってもおかしくなかった。だが、原田監督は3点目を取られた直後にタイムアウト。3点のビハインドは今大会の日本の得点力を考えるときつい。今大会冴え渡っていた原田采配が、初めて裏目に出てしまった場面だった。

 後半のイランは、決して無理をせず、まるで日本のやり方を真似したようなスタイルでゲームを進める。手堅く守られたイランに、日本は1本のシュートも打てない。8分には鈴村がイラン選手を引っ張り、退場となってしまう。パワープレーで散々ボールを回された後、10分にゴールを決められ0−4。ますます苦しい展開となった。

 日本は素早いパス回しで打開を図るが、ハーフラインを越えるとイランの個々の巧みなパスコースの限定に攻撃の幅を狭められ、ボールを奪われてしまう。イランはカウンターも鋭いだけに、なかなか日本はゴール前まで踏み込めない。13分に前田が松田とのワンツーから右サイドを抜け出しシュートを放ったが、ボールはゴール左にわずかにそれた。

 日本に攻め疲れが出てきた16分、後ろでの横パスをイランのレザ・ヘイダリアン(10番)に完全に読まれてカットされ、ゴールを許してしまう。17分には右のCKの場面で、ゴールまでマークを外され、遂に6点目を決められてしまった。

 何とか1点を返そうと、必死に前に出て行く日本。終了間際に相根が決定的な場面を2度迎えたが、いずれもイランGKレザ・ナセリ・アグチャイ(1番)に防がれた。日本はこの試合、前田、藤井、相根らがゴール枠を捉えるシュートを何本か放ったが、いずれもGKに防がれた。このあたりイランやタイ、韓国などとはシュート力の大きな差を感じるところで、これは今後の重要な課題となるだろう。

 イランの素晴らしいパフォーマンスに喜んだ会場の大歓声の中、試合が終了。日本の初の決勝の舞台は、苦いような恥ずかしいような大差の敗戦となった。今大会大きな成長を見せた日本だったが、それでもまだイランとの差はこういう結果となって表れる。

 会場はそのまま表彰式に移った。2つの失点に絡んでしまった前田は、涙が止まらない。退場によって不完全燃焼に終わってしまった鈴村も、人目をはばからずに号泣していた。だが、今回日本は初の決勝進出を果たし、歴史を一歩前進させた。決勝に出たということは、仮にこれが4年に一度の世界選手権予選だった場合、出場権を得ているわけだ。だからこそ、これからは他のアジア諸国よりも常に大きなレベルアップをして、このアジアナンバー2の座を確実にする。そして世界の舞台を経験し、日本よりももっと前に世界を意識して走ってきたイランを追いかけて欲しい。

原田監督コメント
「とにかく負けたことは悔しいが、素晴らしい選手たちをほめたい。ケガや体調不良などの選手が10人くらい出たが、その中でも監督、コーチの言うことをよく聞いてプレーしてくれた。それだけでも満足している」

藤井選手コメント
「負けたのはとても悔しいけど、このメダルは大事にしてまた次を目指したい。決勝はこの舞台を知っているというのが大きいということ。試合では味方の声が聞こえなかったり、いろいろなことが起こった。日本は初めてその舞台に立ったことを考えれば、経験というのは大事だと思う」

相根選手コメント
「ここで勝つためにイタリアにいったわけで、僕はチームを引っ張らなければいけないところを迷惑をかけて、その結果が出なかった。自分の出来が気に掛かっているし、責任を感じている。チームで力が出せなかった」

金山選手コメント
「力の差は、ああ強いなあと感じた去年とは違っていた。もう少しうまく日本のリズムが出ればよかったと思う。チームとしては失点の時間帯が集中してしまったし、試合をうまく進めていくことが課題。自分個人としては課題がありすぎて……。一つ一つクリアしていきたいです」

 <第14回
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