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○第4回アジア選手権(インドネシア・ジャカルタ)10/22〜10/30

サッカー/フットサルライター菊地芳樹の
    ジャカルタ現地レポート・第11回 2002年10月29日(火)


 <第10回 第12回>
厳戒態勢のインドネシアのジャカルタに単身乗り込んだ菊池芳樹氏が、前回のイラン大会に続いて現地取材を敢行!
日本代表の詳細レポートに加え、注目試合を独自の視点で解説&レポートします!



<レポート・その20>
準々決勝
1 前半 0
0 後半 0
日本 1 合計 0 ウズベキスタン

最後まで集団での守備を維持し続けた日本
  日本が前半に挙げた1点を、この1年間で培ってきた鉄壁のディフェンスで守りきり、強豪ウズベキスタンを退けた。「ここに100パーセントの力をもってこれるかが勝負だった」(原田理人監督)というように、日本は各選手がよく走ってウズベキスタンの猛攻を跳ね返し続けた。

 日本はGK川原、FP鈴村、横山、市原、藤井という、キルギスタン戦、クウェート戦と同じスタートメンバー。立ち上がりから、お互いにマイボール時は素早くボールを回してチャンスを作ったが、決定機は日本に多かった。6分に前田−藤井のコンビから藤井がゴール前でシュート(前に出てきたGKに跳ね返される)。7分に市原が中央からミドルシュート(GKが弾いてCK)。11分に再び市原が右の相根に振り、中央でリターンを受けてシュートした(GKが弾く)。

「日本はボールを回すときに菱形を作るが、ウズベキスタンはボックスで回してくる。日本は中央に起点を作ったのがよかった」(原田監督)

 常に中央から仕掛けるようにすれば、攻撃の幅は広がる。しかし、前2人後ろ2人の体勢でボールを回すウズベキスタンは、仕掛けどころが左右のサイドになってしまい、自ら幅を狭める結果となった。自分たちの陣形を崩さずに、相手一人一人を絶対にフリーにさせない几帳面な守備をする日本を、ウズベキスタンはなかなか崩すことができなかった。

昨日、日本チームが訪問した日本人学校の生徒たちが、応援に駆けつけた。
 そして、日本が12分に先制点を決める。左サイドで相手の縦パスをカットした相根がドリブルで中央にカットイン。その前方を市原が右から左前へ斜めに走りぬけ、そこへ相根からタイミングよくパスが入る。市原は飛び込んでくるGKを鼻先で左にかわし、シュートを決めた。クウェート戦後、「速攻を決めたい」と話していた相根がここ一番で大仕事をした、鮮やかなゴールシーンだった。

 1点を取られたウズベキスタンは前半の終わりあたりから、プレッシングをはじめてきた。後半に入ってもその積極的な姿勢は変わらない。攻撃時にはドリブルも多く入れてくるようになった。後半3分、4分、9分には、いずれもアーメドフ・バホディール(6番)が決定機を迎えたが、シュートミス。

 日本にファウルが溜まってきた。レフェリーがゲームのスピードについてこれないシーンが出てきて、不可解なファウル判定が多くなってくる。ロースコアでの勝利を狙う日本にとって危ない展開となってきた。

 10分にウズベキスタンのタイムアウトが入り、日本のFPは難波田、市原、鈴村、藤井というメンバー。ここから日本は次第にハーフラインから手前に入り込まれる時間が多くなり、ウズベキスタンの必死の攻撃に防戦一方となる。ウズベキスタンは浮き球でピボにボールを入れてきたり、素早いワンツーを狙ったり、守備網の外から強烈なシュートを打ってみたりと、あの手この手で攻撃を繰り出してきた。

ウズベキスタンが日本選手を突き飛ばし、エキサイトする場面も
 しかし、日本も負けていない。ことごとく体を張ってブロックし、決定的なチャンスを作らせない。マークもカバーリングも非常によくできていた。各選手の気持ちが充実し、よく体が動いている。

 12分に難波田から前田に交代したが、その後はしばらく交代もしなかった。否、できなかった。

 「出ている選手のお互いの呼吸があって、そこで1人フレッシュな選手が入ってもバランスが崩れてしまうことがある。非常にデリケートで、変え方が難しいところだったが、最善の選択をしたと思っている」(原田監督)

 時間を引っ張りに引っ張って、残り3分のところで日本はタイムアウトを取ってリフレッシュした。

 耐えた日本にご褒美のように、残り2分で第2PKが与えられたが、鈴村がこれを外してしまう。そして残り45秒、日本は川原が4秒の反則を取られ、間接FKの大ピンチ。ウズベキスタンは横にズラしたボールを渾身の力を込めてシュートしてきたが、ボールは日本の壁が跳ね返した。

緊迫した試合に勝利し、喜びが爆発した
 そして程なくタイムアップのブザーが鳴った。抱き合って喜ぶ選手たち。非常に白熱した試合に、会場からも拍手が鳴り止まなかった。試合のMVPはGKの川原が獲得。これで2戦連続で完封した。一戦戦うごとに自分たちのスタイルを確立してきた日本は、準決勝に進出。次は強豪タイと戦う。が、チームの雰囲気は今、最高潮になっている。

原田監督コメント
「ウズベキスタンはベスト8の中でもベスト3に入るチーム。試合前からタフなゲームになることは予想していた。選手たちが本当によくやってくれて、今日は100パーセントの出来。選手におごりはなく、謙虚に戦っている。昔の教訓や、彼ら自身の背負うものがあり、本当に真剣に決勝に残ってイランと戦いたいと思っている。タイとはまた今日のようなゲームになるだろうが、体力は残っている。自分たちのペースに持ち込みたい」

難波田選手コメント
「監督の狙い通り我慢の試合となった。先に点を取って逃げ切って、結果が出ているので、チームにすごくまとまりがある。試合のできないケガをしている選手はいないし、ディフェンスでコマが揃っていて、1人1人どう守るのがすごく理解してできている。タイは2年前に負けている相手なので、リベンジのことしか頭にないです」

鈴村選手コメント
「監督から言われている守備のラインを全員が守ってできている。昨年からやってきたことなので違和感なく、自信を持ってやれている。0で押さえる、代表の試合で1−0というスコアなんて初めてじゃないですか? でもまだ守りでズレたところがあるので、修正していきたい。それと点を取るところでもう少し取らないといけない。自分も第2PKを外してしまったので……」

 <第10回 第12回>
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