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【世界選手権大会壮行試合詳細レポート】 2004.11.16. 第1試合 第2試合
南米王者を撃破した日本代表は
    世界選手権で波乱を巻き起こせるか



満員に膨れ上がった会場で日本代表が躍動した。第1戦は2点を先行されたものの、終了間際に木暮のゴールで一矢を報いると、第2戦では3得点を奪っての快勝劇を演じる。順調な仕上がりを目の当たりにして、世界選手権での躍進を期待せずにはいられない。


試合前から盛り上がりを見せる壮行試合

 11月11日、日本サッカー協会から発表されたリリースにはこう記されていた。
 「11月13、14日の両日に行われる、フットサル日本代表壮行試合の、チケット予約について、おかげさまを持ちまして好評につき終了いたしました。」
日本サッカー協会の主催で行われるということで、各種媒体にインフォメーションが掲載されたほか、全日本選手権の会場でも告知することが可能だったことは効果的だった。

 そして、忘れてはいけないのがサポーター集団「ポエイラ」の力である。様々な場所でのビラ配りに加えて、横断幕の作成を呼びかけるなど精力的に動いて認知度のアップに一役買った。
日本サッカー協会とサポーターの力が噛み合ったからこそ、両日のチケットが売り切れるという結果に繋がったのだろう。

 インターネットオークションでは、定価1000円のチケットが高値で取引されるなど、これまでの日本フットサルでは考えられない現象も起こっていた。
世界選手権というビックイベントを前に、フットサルファンの盛り上がりは最高潮に達している。自国代表のお披露目への期待は日増しに高まっていた。


待ち焦がれたゴールを決めたのは、やはりこの男だった

 FIFA ANTHEMのテーマが高らかに鳴り響く中、幕張イベントホールに日本代表が入場してくる。青のユニホームを身にまとった彼らを、サポーターからの大歓声が包む。君が代の演奏が終わると、遂に試合の火蓋が切って落とされる。

 日本は川原(GK)、鈴村、藤井、比嘉、木暮というスターティングメンバー。難波田と鈴村が入れ替わった以外は、アジア選手権と変わらない不動の先発。サッポ監督は「鈴村はアジア選手権の前にケガをしたので、先発のセットと合わせる時間が少なかったから」と起用理由を説明する。対するアルゼンチンはギサンデ(GK)、プラナス、ジュストッツィ、ガルシアス、ゴンサレスというセット。

 南米予選1位、世界ランキング5位という実績を並べると、日本は引いて守ってもおかしくないが、試合開始から高い位置でプレスをかける。しかし、恵まれた体格を生かして強引にシュートを放つプラナスに何度かゴールを脅かされる。

 5分が経過したところで、アルゼンチンはGK以外の4人をまとめて交代する。このセットはエンリケス、サンチェス、ぺティージョ、ヒメネスで構成される。

 日本に最初のビックチャンスが生まれたのは9分。相手からボールを奪った前田がGKと1対1になる。だが、前田の放ったシュートは左に反れてしまう。

 その後もアルゼンチンの攻めを凌ぎながら、日本がカウンターからチャンスを作るという構図は変わらず。

 そんな中、日本に幻のゴールが生まれる。前半終了間際、藤井がスライディングでパスカットしたボールを木暮が拾って持ち込み、左サイドで軽やかに相手を交わすと、GKとの1対1を上手く流し込む。先制したかに思われたが、このゴールは無情にもタイムアップの判定。試合後、サッポ監督が「あのゴールは入っているはずだ」と憤慨するほど微妙な判定だった。

 後半は木暮と小野を同時に起用するという攻撃的な布陣でスタート。しかし、これが裏目に出る。

 21分、前線でボールを失ってカウンターになると、最後はウィルヘルムに強烈なシュートで先制を許す。

 その後、こう着状態が続いたが、29分に川原が弾いたボールをゴンサレスに詰められて2点目を喫する。

 苦しくなった日本は37分に相根を投入、残り2分を切った段階で難波田がパワープレーを行なう。

 残り17秒、攻めの姿勢がゴールという結果に結びつく。相根から右奥で待っていた鈴村へパス。鈴村がダイレクトで折り返したところに合わせたのは木暮。

 日本がアルゼンチンに一矢を報いる貴重なゴールを決めた。このまま1−2というスコアで試合終了。戦前は大敗も予想された壮行試合は、日本の予想外の健闘で幕を閉じた。日本はマークの受け渡しがスムーズで、簡単に崩されるような場面は皆無だった。とはいっても、1対1を外すなど決定力のなさを覗かせたのも事実。この課題さえ解決すれば、十分にチャンスはある。選手、そしてファンにとって自信になる試合だった。


アルゼンチンから3得点を奪っての初勝利

 会場前にはダフ屋が出現するなど、前日以上の盛り上がりを見せる駒沢体育館での第2戦。

 「最初から攻撃的に戦う」というサッポ監督のメッセージが込められたスターティングメンバーは川原(GK)、難波田、小野、木暮。アルゼンチンは昨日と全く変わらない先発で臨む。この日もセット別で戦うというスタイルは変わらない。

 昨日にも増して積極的に戦う日本。前日を上回る大声援にも後押しされて、果敢にシュートを打っていく。

 アルゼンチンは引き気味だった第1戦に比べて、ラインを押し上げて迫ってくる。その裏を突いて、日本は木暮がGKと1対1の決定的なチャンスを迎えるが、シンプルに放ったシュートは防がれてしまう。

 それでも畳み掛けるように攻める日本に、待望の先制点が生まれる。高橋が右サイドをドリブルで突破してファーサイドに詰めていた相根にクロス気味のボールを入れると、DFに当たってコースが変わってゴールへ。昨日の試合で代表デビューを果たしたばかりのシンデレラボーイが大仕事をやってのける。


 1−0で前半を終えると、26分に小野の素晴らしいロングパスに、右サイドで抜け出した藤井が落ち着いて決めて追加点。市原に代わってキャプテンマークを巻く藤井が、重圧をパワーに変える素晴らしいゴールを見せる。

 日本は何度もファインセーブを見せていた川原から石渡にバトンタッチ。その石渡も安定したセーブでゴールを死守する。定永も含めて3人のGKを試すなど、サッポ監督は余裕のある采配を見せる。

 本気になったアルゼンチンはGKがハーフェーラインまで上がって攻め立てるが、日本のディフェンスは集中を切らさずに、しっかりとした対応を見せる。前のめりになったアルゼンチン対して、日本は金山を使ったカウンターで応戦。金山のスピードにアルゼンチンはファウルを重ね、37分には第2PKを前田が沈めて試合を決定づける3点目。

 アルゼンチンはサンチェスとウベルチの退場で3人になり、39分に金山のファウルで与えた第2PKをGKのギサンデが決めて1点を返すのが精一杯。

 日本はアルゼンチンと5度目の対戦を3−1で制し、南米王者から初勝利をもぎ取った。最大の勝因は守勢に回った後半を、一丸となって守り抜いたことだろう。「パラグアイ戦のテスト」(サッポ監督)と位置づけていた試合を、この上ない結果で締めくくり、日本は世界選手権に乗り乗り込む。


11月13日
サッポ監督

 今日の試合は相手が非常に強いこと、日本代表の国内デビュー戦ということで、非常にナーバスな試合を予想していた。でも、緊張感に負けないでいい内容のゲームができた。

 4〜5分ごとに交代して、マークの質を落とさないようにした。ボールキープもしっかりできていたと思う。どんな相手と戦っても勝てると信じることができているのが最も大きい。

ララニャガ監督
 エジプトで対戦した去年よりも、日本は非常に強くなっていた。その試合は5−1で勝利したのですが、ディフェンスが良くなっている。ボールキープ力が高くなっていて、カウンターを仕掛けられる機会が減った。現在は50〜60%の状態だが、本大会までには80%に持っていき、徐々に上げていくようにしたい。

木暮賢一郎(FIRE FOX)
 たくさんの観客が目に入った瞬間は素直に感動した。幻のゴールは時間がなかったので思い切って勝負しようと思った。結果は残念だけど、明日につながるゲームができたと思う。数少ないチャンスをモノにできれば勝つチャンスはあるはず。

藤井健太(MAG's FUTSAL CLUB)
 「フットサルをやってきて良かったなぁ」と思った。でも、これに満足したら終わっちゃうから、世界選手権でもいい結果を出せるようにしたい。今まではイチ君が引っ張ってきてくれたところがあるから、キャプテンとして同じようなことができるとは思わない。でも、メンタルではしっかりした選手が多いので、今までどおりやれたらいいと思う。


11月14日
サッポ監督

 昨日と同じようにパラグアイ戦のシミュレーションとして戦った。攻撃も守備も内容が良くなっていたと思う。積極的にマークするように支持を出した。キャプテンだったイチの離脱はショックが大きいが、チームは「イチのために」という気持ちになっている。

ララニャガ監督
 日本のカウンターアタックが速かったので、第2PKを与えてしまった。今日は昨日よりも闘争心が見られたので満足している。アルゼンチンは国内で試合をしたことがないが、日本の応援がプレッシャーになったわけではない。10日後にはイラン、ポルトガルと1位を争うようにしたい。

高橋健介(PREDATOR)
 昨日は思い切っていけなかったので、今日は積極的に仕掛けていこうと思った。上手く試合に入っていけたし、緊張はなかった。ディフェンスが課題だと思うので、これから勉強していきたい。ゴールが入った瞬間は「ワッー」という感じ。アナウンスがあって自分のゴールなんだと思った。いいゲームをやろうというよりは、勝ちに行くという気持ちだった。


 レポート・北 健一郎

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オススメ度
     FUTSALNETが決定する試合のオススメ度。
     満点は不明

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