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【日本代表親善試合・フランス遠征親善試合】 2005.10.29. <第1試合 第2試合>
開催日:2005年10月26日(水)
場所:フランス・シャンブリー


10月26日 20:00キックオフ
日本 フランス

4分 鈴村(藤井)


12分 金山(藤井)
18分 小野(金山)




37分 鈴村(比嘉)
37分 木暮(小野)
39分 鈴村(比嘉)
3分 マルコビッチ

5分 バッソン
8分 バッソン


26分 マルコビッチ(ダ・クルズ)
35分 ベンゴマリ
36分 ヤヒア・ベイ


日本代表 (photo by KENICHIROU KITA)


<レポート> 北 健一郎

 フランスの思った以上のフットサルへの順応力に危うく日本が上回られてしまいそうな、そんな危ういゲームだった。

 フランス・ジャッキー監督によると、11人制サッカーの4、5部リーグのアマチュア選手で構成された代表チームは、9月中に一度の合宿、毎年1月に全国大会がある程度の、ほとんどトレーニングされていないチーム。

 とはいえ、黒人選手のマルナのスピード、第2PKのキッカーであるマルコビッチのパンチ力など、一芸に秀でた侮れない――十分なトレーニングを積んだら強豪になる可能性のある――チームであることも、また確かだ。

 グルノーブルから鉄道で約40分のシャンブリーに舞台を移した第2戦、相変わらず体育館には大勢の地元観衆が詰め掛ける。

 サッポ監督は第1戦のような思い切ったメンバーではなく、良く言えば手堅い、悪く言えば変化のない小野、木暮、藤井、鈴村、川原をスタメンのピッチに送り込む。

 日本は3分、自陣ペナルティエリア近くのFKでマルコビッチに木暮、藤井で作った壁の間を突き破られ先制ゴールを許す。アジア選手権決勝のイラン戦でもそうだったが、いきなりFKで先制されるとチームに焦りの気持ちが芽生える。

 4分、藤井のシュート性のパスに鈴村がスライディングで詰める「日本ではあんなゴールはしたことがない」というFP全員で攻めるスペイン流フットサルの経験を生かしたゴールですぐさま同点にするが、日本のバタつき感はどうにも収まらない。

 それが、5分、12分の「凡ミス」という2失点につながる。コロコロと自陣コートに向かってくるボールに川原が飛び出したが先に触れずバッソンにドリブルでかわされた2失点目、3失点目はボールキーパーに鈴村と藤井がプレス、それが後ろに流れると川原は前に出てきて真ん前のバッソンに向かってクリアしてしまい、案の定バッソンに当たって前方方向へ……。

 必ずしもGKだけのせいによる2失点ではないが、前日練習で親指を強打したことが影響したのか、第2戦の川原は判断力がすこぶる悪かった。

 それでも12分、小宮山から左サイドでパスを受けた藤井がダイレクトでゴール前に放り込む。放物線の先には長髪を振り乱しジャンプする金山。第1戦でも日本にリードをもたらした金山の十八番の形で1点差とする。

 18分にも金山のアシストから小野が敵の寄せを受けながら粘り強くシュート、GKに触られながらもゴールインし3−3とする。

 日本はこの後、リズム良くパスが回り木暮が3本連続でシュートを打つのだが決まらず、リードを奪えないまま前半を終了する。

 後半、鈴村を小宮山に、小野を小山に、そして川原を石渡にスタメンをチェンジした日本。

 新召集組4人の中でただ1人、第1戦に引き続き出場機会に恵まれた小山だが、22分、カウンターのチャンスに木暮のパスを右サイド前方で受けると、シュートを打てる場面にも関わらずゴール前へのパスを選択してしまう。ファーの小宮山まで届かずGKにキャッチされると、サッポ監督は小山に手の平と甲をパチンと鳴らす「シュートを打て」のジェスチャーを見せる。それ以降、小山はピヴォの位置での鮮やかなターンでゴールを脅かすなど本来のスキルを発揮し始める。

 だが、その小山の存在も起爆剤にはなり得ず、勝ち越し点が奪えない日本は逆に26分、左サイドからダ・クルズの放ったシュートが木暮の足に触れて勢いなくペナルティエリア内に落下すると、捕球体勢の石渡の鼻先でマルコビッチがアウトサイドで引っ掛けて4点目をフランスに献上する。

 すると日本、というよりサッポ監督は、ほぼ主力が出ずっぱりの世界選手権パラグアイ戦、アジア選手権準決勝キルギスタン戦を思わせる偏ったメンバー起用で目的を「勝利」のみに置く。

 にも関わらず「亀のように守ってきた」(木暮)フランスを日本が崩せないでいると、36分には「第1戦で脇腹を痛めたので出さないつもりだった」(サッポ監督)比嘉をGKにパワープレー。だが、満足にプレーできるコンディションにない比嘉はちょっとずれたパスを受けることもままならず、ルーズボールの奪い合いでも簡単に敗れて点差を3まで広げられる直接的な原因になる。

 決定的な3点差かと思われたが、先述のキルギスタン戦でも3点先行されてから逆転した経験が日本の――主力で試合に出ているメンバーに限っては、だが――ある。

 37分、鈴村の強烈な右足ミドル、木暮のコントロールされたシュートと2連続ゴールで5−6まで追い上げる。

 その直後、サッポ監督が試合後に激昂しながら「敵はフランスだけでなく審判でもある」と話したように、38分には土壇場で第2PKの大ピンチを迎える。

 第1戦でやられたマルコビッチの第2PKを、石渡がキック直前に前に出てブロック。しかし、5m以内に近づいたとの判定でやり直しを命じられる。その2本目も石渡は左手1本で弾き返して試合を決めさせない。

 1分を切っても後1点を手に入れられず敗色濃厚の日本は、木暮のシュートがGKに弾かれてラスト3秒、まさしくラストチャンスのCKを獲得する。急ぎ足でボールをセットした木暮が後ろで構える比嘉にパス。比嘉は間を置かず右に開いている鈴村に配球、それをダイレクトで「抑えることだけ考えて」鈴村が左足でボールを叩くと、ブザーの音がけたたましく響いた。ゴールかタイムアップか。鈴村が「あの審判なら取り消されるかと思って」近寄り確認すると、電光掲示板の日本の得点が「5」から「6」に変わった。

 鈴村の“ブザービーター”による合計3ゴールの大活躍で日本はフランスと何とか引き分けた。6ゴールの大量得点だがサッポ監督は「今日はチャンスを外しすぎた。スズもチャンスに決められないことが何度もあった」と言う。

 ただ、日本の決定力不足は今に始まったことではないだけに、むしろ気になるのは「切り替えが遅かった」(サッポ監督)ことである。フランスのゴールシーンでは相手のお尻を追いかけるシーンがほとんどで、先手を取られる展開がゆえに「攻めなければ」の意識が強すぎるあまりピンチを招いたのは明らかだ。

 サッポ監督に言わせれば「劣勢だからテクニックのある選手を長く使ったが彼らは切り替えが遅い部分もある」、恐らく木暮と小野のことを指しているのだろうが、木暮が33分、小野が28分という出場時間を考えればガソリン切れになるのは、それこそ世界選手権のパラグアイ戦で痛いほど学んだはずだったのではないのか。

 ブラジル人の気質からかサッポ監督は熱くなると周りが見えなくなり、試合に入り込みすぎる嫌いがある。「絶対に勝ちに行く」(サッポ監督)のは結構だが、それにしてもフランスまで連れてきて太見と森谷の2人を全く出さないのは親善試合の試合数を考えると理解し難い采配だ。

 他メディアでは酷評された太見だが、ボツワナと代表では扱いが大きく異なることを念頭に置かなければならない。基本的に受け手となるピヴォは、周りとの呼吸を合わせてボールをレシーブするのが大事だ。チームメートが常に自分を見てくれるボツワナとは違って、代表の中では新人の太見は周囲に合わせながらの手探りでのプレーを余儀なくされる。チームに溶け込むにはもちろん2、3回の合宿では足りないし、そのためにも実戦経験を積ませたかった。

 若干21歳の森谷も第2戦は40分間をピッチの外から見守った。マルチロールの森谷はサッポ監督からベッキの仕事を求められて合宿中も奮闘していた。ただ、森谷が第1戦で輝いたのはベッキとしてではなく、やはり右サイドをドリブルで駆け上がってシザーズを繰り出したアラとして。サッポ監督がチームとは異なるポジションで選手を起用し新たな可能性を見出す目は確かだとは思うが、森谷に関してはやはり長所のドリブルを生かせる場所で使って欲しい。

 「果たして意味があるのか」と疑問視する声もあった今遠征だが、海外組が初合流すること、出番は少なくとも4人の新人を代表でプレーさせられたこと、そしてヨーロッパ特有の強引な1対1、根本的なフィジカル、遠目からのシュート力に日本が弱さをさらけ出した点で、得たものは決して少なくなかった。ただ、その収穫量を自ら減らしていた感は否めない。



日本代表 (photo by KENICHIROU KITA)

キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6)
@ 川原永光 4.5 3失点目は完全な判断ミス。不安定なプレーに終始。
A 鈴村拓也 7 ブザービーターはシュート技術と強靭な精神力の証明。
B 近藤純也 5.5 出場4分間でシュート2本だが、守備では軽さ目立つ。
C 小宮山友祐 5.5 無難に役割を全うした。鈴村の代役から脱皮したい。
D 比嘉リカルド 4.5 パワープレーのGKで出場し直接的な失点の原因に。
E 小山剛史 6 ピヴォからの振り向きシュートなど才能の片鱗は見せた。
F 金山友紀 6.5 昨日に続いてのゴール前の嗅覚を感じさせるゴール。
G 藤井健太 6 前後半スタメン。ポイントを抑えたプレーで2アシスト。
H 小野大輔 5 2試合を通じてフィジカルで勝てず期待を裏切る内容。
I 木暮賢一郎 6 13本のシュートで1ゴールはエースとしては物足りない。
J 太見寿人 - 出場せず。
K 石渡良太 6.5 蹴り直しによる2本連続の第2PKをいずれもストップした。
L 高橋健介 5 与えられた出番は3分。いいところなく消化不良の遠征。
M 森谷優太 - 出場せず。
監督 サッポ 5 親善試合でも劣勢になると主力に固執する采配は変わらず。


大会属性表示の見方!  大会区分/大会レベル/オススメ度
大会区分:
     
OFFICIAL:オフィシャル大会
     PRIVATE:プライベート大会
大会レベル:
     J-TOP:日本国内トップレベル
     R-TOP:地域トップレベル
     P-TOP:都道府県トップレベル
     +/- はやや上、やや下を意味する

オススメ度
     FUTSALNETが決定する試合のオススメ度。
     満点は不明

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