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〜 第13回全日本選手権関東予選

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【第13回全日本選手権全国大会・予選ラウンド】 2008.03.09.
開催日:2008年3月7日
場所:国立代々木競技場 第一体育館
【文】北健一郎

第13回全日本選手権・全国大会・決勝ラウンド・準々決勝
湘南ベルマーレ 3−0 ペスカドーラ町田
(Fリーグ・神奈川) 1−3 (Fリーグ・東京)
4−3


 大会前に菊地さんと町田について展望をしたとき、「フタを空けてみないとわからないチーム」という話をした。この日、フタを空けてみた町田はビックリするぐらいひどかった。

 見た目はいつも通り。だが、実は肉体的にも精神的にもゲームに全然入れていなかった。試合前日のホテル宿泊が諸事情によりできなかったため、数名の会場入りが遅れてしまったのだという。「そのままの流れで入ってしまって、ピリッとしないまま2失点してしまった」(バイアーノ監督)


 開始29秒である。左サイドのキックインを湘南がセットしたときに、スルスルと右を上がってきたD岡田ジオゴサントスに誰も気づいていない。Fリカルド沖村(シニーニャ)からDジオゴへと渡ったボールを、ノーマークのDジオゴが豪快に叩き込み1点目。

 2分の2点目もキックインから。今度はキッカーFシニーニャの近くでパスをもらったN関新への寄せがゆるゆる。N関が右へズラして打ったトーキックは、GKに当たって跳ね上がり、バーの下側を叩いてゴールイン。

 「前から来るということは裏が空く。かといって、それほどGKと連動しているわけでもない。スッと裏を取れれば、点を取れると思っていた」(P奥村敬人)。

 3点目は5分。今大会で“再生”したJ曽根田盛将。Fシニーニャとのワンツーからゴール正面でボールを受けると、キックフェイントからの足裏スクラッチでGKを外してシュート。この失点の後、町田はタイムアウト。バイアーノ監督のチームを鼓舞する大声が、静かな場内に響き渡る。

 しかし、その後もしばらくはキックインで簡単に裏を取られたり、FKから簡単にシュートを許したり、町田の選手の動きは鈍いままだった。起きろ町田! これは全日本選手権だぞ!

 「9分ごろから目が覚めてきた」(バイアーノ監督)町田は、お得意の高速パス回しで点を取りに行く。だが3点リードを手に入れた湘南はパス回しに食いついてこない。一見ポゼッションしているようだが、ボールはブロックの前で回されるばかりだ。

 逆にチャンスを迎えたのは湘南。町田のキックインのミスを突いて、ボールを持ったI豊島と左を上がるJ曽根田と、GKとの2対1の絶好のチャンス。だが、I豊島明のパスはJ曽根田の足元に入り過ぎてこれを決められず。

 湘南は守備的に戦うのが得意ではない。1点を取ればバタバタになる可能性はあった。町田にとって、Fリーグの終盤から調子を上げてきたJ宮田義人が出場停止だったのは不運だった。彼のようなドリブルで仕掛けられる選手は、こう着ムードを打ち破る起爆剤になりえるからだ。

 湘南はこういう逃げ切るゲームになったとき、引きすぎて自由にやらせてしまう悪い癖があったが、この日は「引いて守るときも、ボールサイドには厳しくいく」(K阿久津貴志)ことを徹底した。それにより町田の得点パターンであるH横江怜のミドルも、ゴールに飛ばさせずブロックで防ぐことができていた。

 町田はFKからF金山が1点を決めるも次がつながらない。そうこうするうちに、25分に町田B森谷優太、27分に町田I狩野新、湘南E神保慶太に警告が立て続けに出される。31分にはベンチで判定に抗議をしたとして、ピッチの外のDジオゴにまでイエローカード。今大会の1次ラウンドからあるが、カード乱発によって選手がエキサイティングして試合が壊れるというパターンになりつつあった。

 30分が過ぎても町田はパワープレーをしなかった。「そこまでかなりチャンスを作れていたし、自分たちのペースだったから」(バイアーノ監督)。だがゴールは生まれず、残り4分の段階でG滝田学によるパワープレーを始める。だが、何度もチャンスはあったもののQ久光邦明などがことごとくシュートを外してしまう。試合はこのままクローズしそうな気配だ。


 “事件”が起こったのは残り1分4秒のこと。@坂口啓介のスローイングに抜け出そうとしたJ曽根田盛将をEホンダマルコス(ジャッピーニャ)が体で止める。どちらも触らずボールは町田GKのK石渡良太の元へ。湘南陣内に上がろうとするEジャッピーニャに、J曽根田が体をぶつけた。こういうやり取りが何度かあった後、EジャッピーニャにJ曽根田が倒される。両チームの選手が集まりピッチが緊張ムードに包まれた。

 その次の瞬間、小野寺祐第2審判は2枚のレッドカードを立て続けに提示する。彼が下したのは「2人同時退場」という判定だった。“ケンカ両成敗”というところだろうか。先にピッチから出てロッカールームに戻ろうとしたJ曽根田を、Eジャッピーニャが殴りかかりそうな勢いで追いかけていく。町田のベンチの選手が慌てて止めに入る。ちょっとした小競り合いが退場という処分を下すことによって、ここまでのものに発展してしまった。

 その後は町田が2点、湘南が1点を取り合ったが、2人同時退場した場合は2分間補充できないというルールのため、最後まで4人のままゲームは終わった。いつも思うのだが、微妙な判定の際にはルール説明が行われてもいいのではないだろうか。ピッチでプレーしている両チームの選手も、退場後に得点を入れた際には選手を補充しようとしていた。そういうルールがあることを把握してなかったのだ(それは僕も含めてだが)。

 町田のF金山がラスト12秒で3−4となるゴールを決めたが、両者退場の混乱を引きずったままゲームは終わってしまった。名勝負が期待されたゲームがこのような形で終わってしまい、残念でならない。


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