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〜 第13回全日本選手権関東予選

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【第13回全日本選手権全国大会・予選ラウンド】 2008.03.03.
開催日:2008年2月29日
場所:高知県立春野総合運動公園体育館
【文】北健一郎

第13回全日本選手権・全国大会・予選ラウンド・グループD
バルドラール浦安 2−0 FIRE FOX FUCHU
(Fリーグ・千葉) 0−0 (関東第1・東京)
2−0


 最初に告白すると、この試合は後半だけしか見ていない。高知に当日の飛行機で10時30分に着いたのだが、高知空港から会場までもろもろ1時間以上かかったからだ。

 体育館のある春野総合運動公園ではプロ野球の西部ライオンズやJリーグのセレッソ大阪のキャンプが行われていた。そんなところでフットサルの日本一を決める大会は“ひっそりと”行われていた。スタンドを見渡しても、選手や関係者のほうが観客の数を上回っている。

 ハーフタイム、Bピッチのスコアボードには「2」と「0」が並んでいる。浦安が18分のS稲田祐介、19分のP稲葉洸太郎(PK)のゴールで2点を決めて前半を折り返していた。

 ワンサイドゲームだったのかと思いきや、顔見知りの記者に話を聞くと、「ファイルにも結構チャンスがあった」とのこと。


 すると後半、ファイルは大健闘を見せる。残り10分から始めたパワープレーで浦安をかなり追い詰めたのだ。ただし、浦安とファイルではこの試合に臨むスタンスが大きく異なることは、差し引かなければいけない。

 浦安にとっては決勝までの6試合の“初戦”という位置づけ。コンディション的にも、プレー的にもまだ100パーセントではなく、高く見積もっても80パーセント程度。逆にファイルにとってはこの試合が“決勝戦”である。決勝トーナメント進出のためにも、1敗でもしてしまうとキツイ。4チームの中で最も強いであろう浦安戦に照準を合わせるのは当然のことだった。

 2−0の浦安リードのまま迎えた残り10分、ファイルはE村上をGKにしてパワープレーを開始する。正直言うと「失敗するのでは……」という予感があった。浦安には前でボールを取るのがうまい、P稲葉やF中島孝がいる。パワープレーに対するディフェンスも連動していて完成度が高い。中途半端なパワープレーだったら、傷口を広げる結果になるだろうな、と。

 だが、ファイルのパワープレーは僕の予想をいい意味で裏切ってくれた。

 キーポイントは「真ん中の使い方」だった。よくあるパワープレーはサイド→中→サイドとボールを動かして、敵のマークがズレたところでシュートを打つというもの。だが、ファイルの場合はサイドの選手が外から中へ積極的に入っていき、後方の選手に横だけでなく縦のパスコースを作り出してボールを引き出す。

 中でボールを受けた選手は、敵がシュートを警戒して引いてくれば前を向いてドリブル、素早くアプローチに来た場合はワンタッチかツータッチでサイドに展開する。浦安のディフェンスはマークをつかまえられなくなり、1分に1度ぐらいのペースでビッグチャンスが生まれていった。

 それだけに悔やまれるのはフィニッシュの甘さだった。何度も決定機がありながら1度も浦安のゴールネットを揺らすことができなかったのだ。歴代のチームを率いてきた松村栄寿監督の「これが今のファイルの実力なのかな」という言葉がズシリと響いた。


 0−2の敗戦という結果に似つかわしくないくらい、試合後のファイルの選手の表情はスッキリとしていた。それは浦安を相手に自分たちが1年間取り組んできたことを出せたという達成感からだったと思う。

 「1年間やってきたことが……負けたので実を結んだとはいえないけど、出せたと思う」というE村上の言葉が象徴的だ。自分たちのできることを出し切った上での敗戦。ファイルの健闘が光った分、浦安との間にある大きな差も感じられた、そんなゲームだった。


浦安・G藤井健太
「初戦はいつも簡単にはいかない。コートが狭いし、敵も引いて守ってくる場合が多いから。特に今回はFリーグvs地域リーグということで、向うのモチベーションも高かったし。ファイルに今まで本大会では個人的に勝ったことがなかったので、この試合だけは出ないほうがいいんちゃうかと思っていた(笑)」

ファイル・E村上哲哉
予想以上に前半からチャンスがあった。あれを決めていれば、また違ったんじゃないか。そんなにチャンスを作られなかったし、2点ともセットプレーのこぼれ球とPKだったし、崩されたのはあんまりなかった。主力が抜けたメンバーでここまで戦えたのは驚いている。1年間やってきたことが……負けたので実を結んだとはいえないけど、出せたと思う」


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