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【AFCフットサル選手権壮行試合・ブラジル代表戦・第二戦】 2006.5.8.<第1試合 第2試合>
開催日:2006年5月5日(金)
場所:東京・代々木第一体育館
観客数:8,749人

5月5日 14:00キックオフ
日本 ブラジル


11分 ファルカン
29分 バルディン
34分 アリ



<レポート> 北 健一郎

 ブラジルのパウロ・セザール・ジ・オリベイラ(ペセ)監督は、第1戦から中1日での日本の変わり様に驚き――むしろ喜びにも見える――を隠さない。

「今までブラジルと日本が戦った中で、一番難しい試合だったと思います。日本は本当に短期間の間に見違えるチームになりました。何よりも驚いたのは攻守の切り替え、特に守備から攻撃への切り替えの早さです」

エース木暮の成長は周囲を驚かせた
(Ayakana Sugiura)
 第1戦での6失点の多くは、日本の不用意な横パスに端を発するカウンターからのものだった。だが、第2戦の日本は逆にブラジルのミスを突いてカウンターを仕掛けることに成功する。特に前半はブラジルとの5連戦の中でも、ベストの出来の20分間だったに違いない。それでは、日本が1−6の敗戦から中1日でどのように立て直してきたのか見て行こう。

 スタメンは第1戦から変わらず@川原、C小宮山、G藤井、E小山、L高橋。サッポ監督としてはゾーンディフェンスのお手本となるのが、国内組のFPということだろう。

 日本はブラジルに対して、第1戦と同様にゾーンディフェンスを敷く。基本的なプレスライン――第2PKのスポットとハーフェーラインの中間ぐらい――には変更点なし。だが、GK@川原はFPに「あまりズルズル下がらないで欲しい。4枚が下がるとシュートを打たれやすい。もっとボール際に寄せてもらいたい」と注文したのだという。実際に第1戦のではKファルカンにゾーンの外からミドルを決められている。そのため、日本はゾーンの前方にいる選手がボールホルダーに対して、素早くアプローチすることでブラジルに必要以上のスペースを与えない。

 日本の最初のチャンスは6分、スタメンからA鈴村、D比嘉、I木暮、H小野のセットに入れ替えてから1分後に訪れる。自陣でKファルカンからのタテに入れるパスをD比嘉、I木暮が受け手を挟んでカット。ボールを奪ったI木暮の目の前にはGKのみ。I木暮はドリブルで持ち込むが、もう少しでGKとの1対1というところで、後ろからCジマスに潰されてしまう。Cジマスにはイエローカード。

 8分、中央のD比嘉がドリブルでマークを引き寄せて、左に走り込んでくるA鈴村へとパス。だが、ダイレクトでのA鈴村の左足シュートはGKに止められる。10分にはI木暮がピヴォの位置でG藤井のパスをもらって、素早い振り向きからシュートを放つが、これもブラジルGKAチアゴがフィスティング。その後もL高橋がカットインから左足でシュートに行くなど、日本に立て続けにチャンスが訪れる。

疲れも見せたがそれでもファルカンは頭一つ抜けていた
(Ayakana Sugiura)
 だが、日本が「行ける」と思い始めた時にこそ点を取るのが、ブラジルのブラジルたるゆえんだ。13分、小柄なテクニシャンのLバルディンが左サイドでの急激な切り返しから、中央のスペースに置きに行くパス。後ろから走り込んで左足を振り抜いたのは、やはりKファルカン! 「ボールを押し込むように蹴る」(Kファルカン)という、地を這うシュートでブラジルがしたたかに先制点を手にした。

 ブラジルのゴールから25秒後、日本に最大のピンチが訪れる。カウンターで抜け出しGKと1対1となったIジョナスを、D比嘉が後ろから引っ掛けてしまう。即座に第2審判の金張權(キム・チャンクワン)はD比嘉にレッドカードを掲げる。だが、鈴木亮哉主審はレッドカードを取り消してイエローカードに訂正。6分のCジマスの得点機会阻止がイエローカードからなのかはわからないが、日本としては命拾いしたといえるだろう。

 その後も日本は再三ブラジル・ゴールへと迫る。14分、Kファルカンが味方とクロスしてヒールでパスするが合わず、そのボールを拾ってI木暮がGKとの1対1を迎える。だが、I木暮のシュートはGKの正面を突いてゴールならず。19分にはH小野へのピヴォ当てから、リターンをI木暮がシュートするも、こちらもGKに阻まれてしまう。

 前半の日本が「ゴールにはならなかったけど、カウンターはできた」(I木暮)のは事実。だが、ペセ監督の言葉を借りれば「日本が点を取ってもおかしくなかった。しかし、点を取れなかったのは日本にとっての課題」ともいえる。カウンターからI木暮が抜け出してGKとの1対1になるが決めきれない――これは世界選手権でも頻発したシーンである。日本のカウンターは1人の選手が長距離のドリブルで持ち上がるため、どうしてもフィニッシュの精度が落ちてしまう。そのため、1人で抜け出すのカウンターから、ブラジルのように2人目、3人目が絡んでくるカウンターを身につける必要性があるだろう。

 日本とブラジルの第2戦は、後半もシリアスな雰囲気で推移する。特にピヴォのH小野は激しいボディコンタクトを受けて、相手とやり合うシーンも見られる。しかし日本は前半に飛ばし過ぎたのか、後半は息切れした感じ。29分、Iジョナス→Jアリ→Lバルディンの高速パスワークから2点目をゲット。35分にはA鈴村が決死のスライディングでLバルディンにアプローチするが、わずかに及ばず左サイドにこぼれ、フリーのJアリが技ありシュートを決めて0−3でジ・エンド。代々木第一体育館を埋め尽くす8749人(公式入場者数)のお目当てともいえる、「ファルカンショー」の方は第1戦の3割減ぐらいだが、日本に限っては中1日である程度の進歩を示したといえるだろう。

 とはいえ、大会名に「〜AFCフットサル選手権壮行試合 Fight For Uzbekistan!〜」とついているように、日本はあくまでも5月21日からのアジア選手権を見据えなければならない。グループリーグまでは、日本と相対する時のブラジルのように強者の立場に回ることになる。その時はブラジルの引いて守る相手に対しての崩し方――「ボックスの間に入っていく。そして、どこかでマンツーマンの形にする」(ペセ監督)が格好のサンプルになる。また、準決勝以降からはゾーンで引いて守る時間帯もあるだろう。その時は第2戦の前半を思い出せばいい。ブラジルは「U−23と思って欲しい」(ペセ監督)メンバーとはいえ、「アジアでブラジルより強いチームはない」(I木暮)のは確か。それだけにブラジルとホーム、アウエーを含めて5連戦をしたという経験値は計り知れないものがある。

 相変わらず「決定力不足」という問題点は抱えている。選手起用が主力組に偏りがちなのは不安材料。スピードスターF金山の復帰が間に合うのかもわからない。それでも、サッポ政権下3度目となるアジア選手権では、4大会連続準優勝からの脱却が至上命題となる。今度こそ初優勝を勝ち取ることはできるのだろうか――。


キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6)
@ 川原永光 6.5 ブラジルのシュートをことごとく弾き出す出色の出来
A 鈴村拓也 5.5 球際の強さは光るが、攻撃面ではまだ物足りない
B 前田喜史 5.5 短時間ながら精力的にプレーし、裏を突くスルーパスも
C 小宮山友祐 6 I木暮とのコンビネーションから何度もチャンスに絡む
D 比嘉リカルド 5 ムービング・フットサルの中では明らかに浮いている
E 小山剛史 5 使い方を見る限り「序列」でJ豊島に上回られた感もあり
F 金山友紀 出場せず
G 藤井健太 5.5 時おり見せるタテパスで攻撃のスイッチの役割を果たす
H 小野大輔 5 中央からサイドに追いやられて決定的な仕事はできず
I 木暮賢一郎 6 カウンターで3度の決定機。エースとして決めて欲しい
J 豊島明 5 切れ味鋭いドリブルなど攻撃面でもアピールしたいところ
K 石渡良太 出場せず
L 高橋健介 5 ゴール前でもたつくシーン目立つ。本番の勝負強さに期待
M 定永久男 出場せず
監督 サッポ 6 前半の出来映えは高評価。アジア選手権を勝ち取れるかどうか


大会属性表示の見方!  大会区分/大会レベル/オススメ度
大会区分:
     
OFFICIAL:オフィシャル大会
     PRIVATE:プライベート大会
大会レベル:
     J-TOP:日本国内トップレベル
     R-TOP:地域トップレベル
     P-TOP:都道府県トップレベル
     +/- はやや上、やや下を意味する

オススメ度
     FUTSALNETが決定する試合のオススメ度。
     満点は不明

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