開催日:2006年5月3日(水)
場所:大阪・大阪市中央体育館
観客数:5,627人
5月3日 12:00キックオフ
|
1 |
− |
3 |
|
| 0 |
− |
3 |
| 日本 |
1 |
− |
6 |
ブラジル |
19分 木暮
|
|
|
|
4分 カリーニョス
10分 ジョナス
11分 ジョナス
25分 ファルカン
35分 ギーナ
37分 バルディン |

ブラジル代表 (photo by Ayakana Sugiura) |
<レポート> 北 健一郎
前半は31分40秒、後半は29分11秒。
日本とブラジルの第1戦、インプレー、アウトプレーを含めての所要時間である。プレーイングタイム20分の試合形式では、所要時間40分ぐらいは掛かることが多い。このデータからはブラジルが一方的にポゼッションするため、アウトプレー――キックイン、ゴールキック、ファウルなど――になることが極端に少ないという展開が読み取れる。
今遠征のブラジルチームには、主にスペイン、イタリアでプレーする海外組は含まれていない。国内チャンピオンのマルウィーを中心にした、国内組のみのメンバーだ。もちろんFIFA世界最優秀選手ファルカンはいる。それでも、Kファルカン以外にモンスターはいない。その上、「我々には試合前に懸念する問題――時差12時間、長旅の疲れがあった」(パウロ・セザール・ジ・オリベイラ監督)。サッポ監督も「最初は様子見でプレッシャーを掛けてこないのは予想できていた」という。
I木暮、H小野、A鈴村の海外組+キャプテンD比嘉という第1セットはベンチからキックオフを見守る。スタメンは「マカオ、ブラジルにも行っている」(サッポ監督)、@川原、C小宮山、G藤井、E小山、L高橋という国内組のメンバー。だが、日本はホームで自ら消極的なゲームへの入り方をしてしまう。
 |
世界のエース・ファルカン(Ayakana Sugiura)
|
4分、ハーフェーライン付近、L高橋とのパス交換でE小山が処理を誤り、Dカリーニョスにカットされる。Dカリーニョスは右前方のKファルカンに渡した後にゴール前に全速力で走り込む。GKとの2対1、シュート、パスの2つの選択肢からKファルカンはDカリーニョスへのアシストをチョイス。典型的なミス絡みのカウンターから、ブラジルが先制点を奪った。
するとサッポ監督はスタメンをI木暮、H小野、A鈴村、D比嘉へと総入れ替え。10分には、I木暮が左サイドでカリーニョスとの1対1を迎えて、右足で舐めて左足で押し出す得意のドリブルでかわして、飛び出してくるGKをよける技ありのループシュートは惜しくも枠の外。それでもエースI木暮の積極的な仕掛けが、日本の決定的なチャンスにつながった。
だが10分、次のゴールもブラジル。右サイド後方のKファルカンが対角線上にスルーパスを送り込む。IジョナスはマーカーC小宮山の前に入り込んでトラップして、GK@川原をかわしてシュートを流し込んだ。11分にはKファルカンが左サイドに配球、Iジョナスが1発目のトラップでE小山をかわして、ゴール右上に強烈なミドルシュートを叩き込み3点目。
3点差というのはKファルカンのショータイムが始まる合図だ。右サイドで持ち技のファルカン・フェイントを繰り出し、CKからはダイレクトで左足ボレーシュート、ゴール前でヒールリフトを繰り出す……。その度に大阪市中央体育館の観客席から低音のどよめきが起こる。それでも、この日一番の大歓声は前半19分59秒、日本のゴールの場面であることは間違いないだろう。
 |
スペイン2部リーグで38ゴールを挙げている
日本のエース木暮が1点を返す
(Ayakana Sugiura) |
前半のタイムアップが迫る中で、日本はリスクを掛けてゴールを奪いに行く。C小宮山がドリブルで持ち上がり、中央のI木暮に預ける。I木暮は右サイドを駆け上がってきたG藤井にパス。G藤井はシュートのモーションで引き付けてから、ゴール前に折り返し、フィニッシュはエースI木暮!
ダイレクト、及び2タッチでのパス、FPが常に動き回る連動性からの得点は、「日本のフットサルにとって理想のゴール」(木暮)。パウロ・セザール・ジ・オリベイラ、通称ペセ監督も「美しい形で崩されて失点したシーン」と脱帽した。
1−3での後半、日本はスタメンを前半の4人からA鈴村、G藤井、I木暮、H小野に入れ替える。後半の立ち上がりにもI木暮の突破からH小野が振り向きシュートを見舞う。5分にはH小野が倒されて得たゴール前のFKでサインプレーがはまり、I木暮が決定的なシュートを放つがサイドネット、1点差にすることはできない。
後半のブラジルは40分の中で意識的にペースを落としていたように見える。前半のように中距離からのミドルでこじ開けてくる気配もない。だが25分、Kファルカンがボールを持ってジワジワと日本ゴールに近づいてくる。日本は自陣で待ち構えるが、ディフェンスのラインが低すぎる。その刹那、ファルカンは直角に切れ込み、黄金の左足を振り抜く! GK@川原が1歩も動けないシュートで点差はまたしても「3」に広がった。
それ以降はブラジルが一方的に攻め立て、日本にチャンスらしいチャンスは訪れなかった。35分、ブラジルはHギーナがゴール前でのワンツーから5点目、37分、カウンターからHギーナがドリブルで持ち上がりA鈴村、G藤井の2人で挟みに行ったところで折り返され、全くのフリーでLバルディンに押し込まれて6点目。また、ノーゴールにはなったがKファルカンのシュートは、ブザーと同時にゴールネットを揺らされている。
記者会見でサッポ監督は「犯してはならない、幼稚なミスがかなりある。ブラジルのような相手では命取りになることが多い」と大敗の要因をミスに求め、A鈴村も「同じミスはしない。カウンターで入れさせない」と語った。不用意な横パスをカットされてのカウンター――ブラジルが意識的に横パスを誘発するように仕向けていたようともいえるが――を減らすことは、第2戦での最大の修正点になるだろう。
敵将のペセ監督は「1−6という得点差になるべきではない試合」と擁護する一方で、日本の攻撃面に関しては課題を挙げた。「パスをしっかりつないで動く、その部分に関しては素晴らしい部分がかいま見られた。そこから先は個人技で突破する、積極的に仕掛けることが必要になる。日本はもっと大胆にプレーしてもいいと思う。リスクを負ってでも勝負することも必要。今失敗することでアジア選手権で得るものもあるだろう」。日本選手の中でペセ監督のいう「個人技」と「積極性」が備わっていたのは、スペイン2部リーグ38ゴールのエースストライカーのみだった。
また、個人的には守備面にも「個人技」と「積極性」を求めたい。ブラジルに対する日本の守り方は一言でいえば、ゾーンで引いて守る。ブラジル選手がボールをキープしていても無理には飛び込まず、自分のゾーンに入ってくるまで待つというもの。しかし、4失点目のKファルカンのシュートのように、世界のシュートレンジは日本の倍近く、ハーフェーラインぐらいが一般的である。実際にブラジルは第1戦でもKファルカン、Dカリーニョスによる再三のミドルで、日本のゴールを脅している。徹底的に引いて守るのだけでなく、時には前からプレスをするなど、メリハリのある守り方にもチャレンジしてもらいたい。また、I木暮がKファルカンとの1対1を度々ストップしていたように、1対1でもノーチャンスではない。
第2戦の代々木第一体育館の観客席数は9079。すでにチケットは売り切れているという。「見てる人が熱くなるゲームをしなければならない」というI木暮の言葉に期待したい。
キタケンオリジナル選手採点(10点満点、平均点は6)
| @ |
川原永光 |
5.5 |
6失点もGKだけを責められない。ミドルもストップ |
| A |
鈴村拓也 |
5.5 |
5ヶ月ぶりの代表で、周囲との連携不足は否めず |
| B |
前田喜史 |
− |
出場せず |
| C |
小宮山友祐 |
5 |
ゴールのシーンに絡むも、守備での軽さも目についた |
| D |
比嘉リカルド |
5 |
コントロールタワーの役割は果たせず、不完全燃焼 |
| E |
小山剛史 |
4.5 |
1失点目、3失点目の直接的な要因のミスに絡んだ |
| F |
金山友紀 |
− |
出場せず |
| G |
藤井健太 |
5.5 |
チームでの好パフォーマンスを代表に持ち込めず |
| H |
小野大輔 |
6 |
体格が一回り良くなり、ピヴォでの存在感が増した |
| I |
木暮賢一郎 |
6.5 |
「日本で印象に残ったのは10番」(ファルカン) |
| J |
豊島明 |
− |
出場せず |
| K |
石渡良太 |
− |
出場せず |
| L |
高橋健介 |
5 |
無難にこなそううとせず自分のプレーを出して欲しい |
| M |
定永久男 |
− |
出場せず |
| 監督 |
サッポ |
5 |
戦況に応じての采配は見られず。スタメンにも疑問 |
|
|